見出し画像

子どもがインフルエンサーになりたいと言い出したら?親や教師が取るべき態度とは

子どもがインフルエンサーになりたいと言い出したら?親や教師が取るべき態度とは?

現代では、インターネットと人々とのつながりは非常に強いものとなっています。
かつてインターネットは業務利用など、限られたシーンで利用されていたものでしたが、現代では誰でもスマホやパソコンを利用してインターネットの情報に触れています。

そうした時代が生み出したのが、インターネット・SNS上で大きな影響力を持つ人を指す「インフルエンサー」と呼ばれる人々です。
大きな影響力を持つインフルエンサーは、子どもの憧れの存在ともなり得ます。

この記事では、子どもがインフルエンサーになりたいと言い出したとき、親や周囲の大人はどのように受け止めるべきか、インフルエンサーの持つ功罪についても解説します。


1.インフルエンサーとは何か

まず、そもそもインフルエンサーとはどのような人々のことを指すのでしょうか。結論から言えば、インフルエンサーとは「影響力を持つ人」のことを指します。

かつて影響力を持つ人といえば、タレントや芸能人などがそれに当たりましたが、現代では影響力を持つインフルエンサーといえば、どちらかというとインターネット・SNSなどのソーシャルメディアにおける影響力を持つ人のことを指します。

ひとつの投稿・発言が何万人もの人々に認識され、かつその行動に影響を与えることから、将来こうした存在になりたいと思う子どもたちが多くなることも一定の意味で理解できるでしょう。


2.子どものインフルエンサーはいる?

では、実際にインフルエンサーをしている子どもというのは存在するのでしょうか。これについては、世界にも日本にも存在しています。

たとえば若い世代の利用が比較的多い、写真の投稿がメインとなるInstagram(インスタグラム)には、いわゆる「キッズインスタグラマー」と呼ばれる人々がいます。企業とのコラボレーションやタイアップ企画により、子ども向け・キッズ向け製品の商品やサービスをPRするキッズインスタグラマーとして活動している子どももいます。

ただし、基本的にはこうしたキッズインスタグラマーなどのアカウントは、本人たちが子どもであることから、親が管理しているというのが一般的です。


3.子どもがインフルエンサーになりたいと言い出したら

こうしたSNS上での目覚ましい活躍を示しているインフルエンサーの姿を目の当たりにした子どもたちが、「自分もインフルエンサーになりたい!」と言い出すことも、ある意味では自然なことです。
しかしながら、親や教職員など、周囲の大人としては諸手を挙げて賛成しにくい提案だと言わざるを得ないでしょう。

そもそも、安全のために子どもにSNSを利用させないという選択をする親や教職員もいるほどです。
しかし、こうしたときに子どもが「やりたい」と言っていることに対してただリスクだけを並べ立ててみても、子どもの気持ちとしては「ダメと言われれば言われるほど」その領域に関心を持つという心理が働いてしまいます。

それでは、子どもたちがインフルエンサーになりたいと言い出したとき、親や教職員など周りの大人たちは、どのような態度で接するべきなのでしょうか。


4.子どもの真の目標はインフルエンサーではないかもしれない

まず、子どもが「インフルエンサーになりたい」と言っているのはなぜなのかという「理由」や「目的」「目標」をしっかりと大人が理解することです。
そこには、子どもがインフルエンサーに憧れる要素があるはずです。

たとえば「有名になりたい」「たくさんの人に知られたい」という目標であるのなら、それは必ずしもインフルエンサーである必要はありません。
また、「会社員のような働き方をせず、自分自身で企業から広告をもらって生活をするという仕事がカッコいい」と感じているのだとすれば、それは自営業・フリーランス全般にいえることです。

ともすれば、それらはほとんど関係がなく、単にインフルエンサーのビジュアルや言動に惹かれ、「自分もこんな感じの大人になりたい」というだけの欲求であるのかもしれません。

それなのに、親や教職員が「炎上のリスク」や「堅実でない仕事だ」などと言って子どもにインフルエンサーの「至らなさ」を説いたところで、それは徒労に終わるでしょう。


5.大人は頭ごなしの否定よりも対話と理解が重要

そうだとすれば、大人たちがとるべき正しい道はなんでしょうか。
それは、今目の前にいる子どもが何に憧れ、どのような大人になりたいと思っているのかをしっかりと理解することです。

「インフルエンサー」という言葉を聞いた途端に、アレルギー反応のようにそれを否定するのではなく、「憧れてるインフルエンサーはどんな人?」「どうしてこの人のようになりたいと思ったの?」と、子どもの「憧れ」に対して、対話を通じて少しずつでも歩み寄り、理解する姿勢を忘れないようにしましょう。

子どものうちは、まだ圧倒的に経験が足りず、知識も偏っています。
子どもの時点で「将来インフルエンサーを目指したい」という夢を持っていたとしても、それは直ちに否定されるべきものではありません。
それからの人生で様々な学びを経て、夢や目標に修正が加えられることは充分にありえることだからです。

親や教師は、つい子どもが直面する課題や危険を事前に排除したくなりがちですが、子どもが自分自身の足で人生を歩んでいくためにも、子ども自身が何かを目指してみる、何かを目標としてみるというプロセスは必要なものなのだと理解すれば、子どもの「インフルエンサーになりたい」という夢への向き合い方も変わるでしょう。


まとめ

インターネット・スマホの急速な普及とソーシャルメディアの普及は、Youtuber・インフルエンサーなどをはじめとした様々な「新しい働き方・生き方」を生み出してきました。

しかしそれらはまだ歴史が浅く、親世代・教師世代にはなかなか受け入れがたいものであるかもしれません。
子どもがインフルエンサーになりたいと言い出したら、それを止めたい、きちんとした仕事についてほしいと願うこともまた親心です。

子ども自身が自分で関心を持った仕事や働き方のことを知ることは、社会や世界を知ることの第一歩でもあります。
子どもがインフルエンサーになりたいと言い出したら、親や教師は頭ごなしに否定するのではなく、その子どもが何に価値を見出しているのか、どのような働き方をしたいと思っているのかに寄り添って一緒に考えるというスタンスが重要なのです。