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大人の時間はビリー・バンバンの歌声とともに…


 アルコール類のCMについては、いろんな意見があるので、特に度数の高いものになると、流す時間帯や雰囲気等、自主規制の部分も含めて、気を遣いながら制作されているのかな… と思っています。

 なんか、そういうお酒のCMって、落ち着いて "大人の時間" っていうのが強調されている感じですよね。
 そして、そのCMで流れる曲も、アダルティな雰囲気なんですが、テーマとしては、人生を生きてきた上での ”思い出との時間” が描かれてることが多いような気がします。

 例えば、サントリーウイスキーのCMソング、石川さゆりさんの『ウイスキーが、お好きでしょ』の歌詞で言うと

ウイスキーがお好きでしょ
もう少ししゃべりましょ
ありふれた 話でしょ
それで いいの 今は

(作詞:田口俊)
 

 多分、過去、いろいろあったと思われる男女間のやりとりなんですよね。でも、女性が思う「それで いいの 今は」というフレーズに、それぞれの時間の流れが感じられるんですよね。
 うーん、アダルティ



 お酒のCMって、昔から大人の香りがしていて、子どもの頃に見たCMでも、印象的でよく憶えてるものがあるんです。
 私の場合、それが、サントリートリスのCMで、子犬が雨の中をさまよって歩いてるやつなんです。

サントリー・トリスCM 1981

使用曲『琥珀色の日々』
作詞・作曲・編曲:菅原進

 ダァディダァディダァドゥダァ~♫
 が印象的過ぎるこの曲は、ビリー・バンバンの菅原進さんのソロ曲『琥珀色の日々』です。
 多分、私が中一ぐらいの時です。

オーなぜか ダァディダァー
胸にときめく 遠い光が
風に誘われて
過ぎ去りし日の忘れた歌が
響きわたる

忘れぬ日々
時は戻らないけど
思い出は 琥珀色に そまりゆく
アーウーアーウー

 思い出はセピア色のイメージが強い世代なんですが、ウイスキーのCMですからね、そこは "琥珀色" なんです。
 時は戻らないけど、思い出すと琥珀色にそまっていくなんて、なんか濃厚な部分もあって、やっぱアダルティなのです。

 そして、菅原進さんの歌声が、ちょうどいいんですよね。
 癖なく、熱いわけでも冷たいわけでなく、ほのかな優しさが感じられるような歌声…
 少年だった自分にも、強く印象が残ってる曲なのです。



 この菅原進さんって人が、ビリー・バンバンという兄弟フォークデュオの人だと知るのは、もう少し後のことなんですが、菅原進さんの歌声には、再び、お酒のCMで出会うことになります。


iichiko TVCM 1987 ドナウ篇

使用曲『夢を紡ぐ季節 ~時は今、君の中~』
作詞:葉山真理/作曲:菅原進/編曲:森正明

通り過ぎる雨に 夢を紡ぐ季節
君の名を呼んでみる
確かな気持ち 確かに

時は今 君の中
時は今 君の中

 すみません、地元の麦焼酎ブランド「iichikoいいちこ」のCMなんで、どこまで全国展開されていたかはわからないんですが、それまで大衆的な(オッサンの)イメージだった焼酎を、ちょっと大人の香る洒落たイメージに変えていったCMなんです。
 当初は違和感があったんですが、異国の風景に菅原進さんの歌声がいい感じで響くんです。
 やっぱ、菅原進さんの歌声には大人の時間が香るんですよ。


 その後も、このCMは菅原進さんのソロやビリー・バンバンとのコンビで継続して制作されています。


iichiko TVCM 1992 ウェールズ篇

使用曲『IT'S NICE TO BE WITH YOU』
※モンキーズのカバー


iichiko TVCM 1993 エーゲ海篇

使用曲『さよならをするために』
作詞:石坂浩二/作・編曲:坂田晃一

 1993年に使用されたのは、ビリー・バンバンの1972年のヒット曲『さよならをするために』でした。

過ぎた日のほほえみを みんな君にあげる
ゆうべ枯れてた花が 今は咲いているよ
過ぎた日の悲しみも みんな君にあげる
あの日知らない人が 今はそばに眠る

暖かな昼下がり 通り過ぎる雨に
濡れることを 夢にみるよ
風に吹かれて
胸に残る想い出と
さよならをするために

 なんと、石坂浩二さんの作詞なんですね。(当時、石坂さん主演のドラマ主題歌だったそうです。)

 これもまた名曲なんですよね~
 ただ、この曲では、恋人との決別の際の、生々しい感情が描かれていて、私のイメージする大人の時間としては、ちょっと若い感じなんです。
 きっと石坂浩二さんも、そんな年頃だったのでしょうね。


iichiko TVCM 1994 アイルランド篇

使用曲『遅すぎた季節』
作詞:葉山真理/作曲:菅原進/編曲:吉川忠英


iichiko TVCM 1999 オアシス篇

使用曲『砂漠の薔薇』
作詞:葉山真理/作・編曲:佐橋俊彦


iichiko TVCM 2003 タルキートナ・アラスカ篇

使用曲『今は、このまま』
作詞:葉山真理/作曲:菅原進


iichiko TVCM 2006 ボストン・ニューイングランド篇

使用曲『君の詩』
作詞:葉山真理/作曲:菅原進/編曲:森正明


そして、2007年から使用されたのがこの曲でした。

iichiko TVCM 2007 クロアチア篇

使用曲『また君に恋してる』
作詞:松井五郎/作・編曲:森正明

てのひらに伝う 君の寝息に
過ぎてきた時が 報われる
いつか風が 散らした花も
季節巡り 色をつけるよ

また君に恋してる
いままでよりも深く
まだ君を好きになれる 心から

 アダルティですよね~
 後日、石川さゆりさんがカバーしてヒットするのですが、このビリー・バンバン版(バンバン版w)もいいんです!
 松井五郎さんの描いたこの歌詞はどう解釈してます?
 長い月日を経た夫婦(恋人)間だからこその、"また" なんですかね。これまた深みがあって、大人の時間を感じさせる一曲なのです。


iichiko TVCM 2010 ベリーズ篇

使用曲『ずっとあなたが好きでした』
作詞:松井五郎/作曲:森正明


iichiko TVCM 2011 ノーザンライツ篇

使用曲『愛は祈りのようだね』
作詞:松井五郎/作曲:菅原進/編曲:蓮沼健介


iichiko TVCM 2013 ハドソン篇

使用曲『これが恋というなら』
作詞:松井五郎/作曲:菅原進/編曲:森正明


iichiko 2016 TVCM SAN DIEGO篇

使用曲『さよなら涙』
作詞:松井五郎/作曲:菅原進/編曲:森正明


iichiko 2023 We Love Family篇

使用曲『ふたり物語』
作詞:松井五郎/作曲:菅原進・菅原知子


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 夜になると秋を感じ始めるこの季節
 多分、ビリー・バンバンの歌声はピッタリだと思います!
  お二人ともご高齢だし、手術の話も聞いているのですが、YouTube とかでは、まだまだお元気にやられてます。
 どうか末永く歌声を聴かせてください。

 今回、iichiko のCMソングを中心にプレイリストを組んでみましたので、ご活用ください。

【 12 iichiko Song + 1 】




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