ウラ"角川映画主題歌10年の軌跡"(角川3人娘リプライズ)
先日、記事にまとめた「角川映画主題歌10年の軌跡」の中では、”角川3人娘”と呼ばれた、薬師丸ひろ子さん、原田知世さん、渡辺典子さんのトリオの活躍を、主題歌と伴に紹介しました。
基本的に映画の主題歌を追っていく記事だったので、”角川3人娘” による挿入歌や、映画とは無関係だった曲は紹介しきれなかったんですよね。
なので、落穂ひろい的に、あの頃にリリースされていた3人娘の曲を ”ウラ記事” としてリプライズしていこうと思います。
■ 薬師丸ひろ子さんのリプライズ ■
「すこしだけやさしく」1983
作詞:松本隆/作曲:大瀧詠一/編曲:井上鑑
『わくわく動物ランド』エンディング・テーマ
シングル「探偵物語」のB面だった曲なのですが、こちらのサウンドの方が、まさに大瀧ソングの王道って感じです。
もとは、こちらが映画主題歌になる予定だったのが、A面とB面を入れ替えたってエピソードがありますね。
でも、どちらも名曲なのです。
「元気を出して」1984
作詞・作曲:竹内まりや/編曲:椎名和夫
満を持してリリースされた薬師丸ひろ子さんの1stアルバム『古今集』には、(当時)それまでのシングルが入ってませんでしたが、印象的な曲が多かったんです。
特に1曲目に選曲されていた、竹内まりやさんの「元気を出して」は、後に竹内まりやさん自身もセルフカバーした名曲です。
「スロー・バラード」1984
作詞:松本隆/作曲:南佳孝/編曲:大村雅朗
映画『メインテーマ』の挿入歌で、シングルのB面だったこの曲は、その後のアルバムには収録されてない曲だったりするので、ちょっとレアなんですよね。
~1985年3月、角川春樹事務所から独立
独立後も、『野蛮人のように』(1985.12)、『紳士同盟』(1986.12)に出演するなど変わらぬ人気だったのですが、歌の方では、独立後、初のシングルとなった「あなたを・もっと・知りたくて」はCMソングだったりして、映画主題歌以外にも幅を広げていくのです。
「あなたを・もっと・知りたくて」1985
作詞:松本隆/作曲:筒美京平/編曲:武部聡志
NTTキャンペーン・ソング
この透明感!
薬師丸ひろ子さんのすごさが感じられますよね~。
途中、セリフが入るのが特徴的なこの曲は、松本/筒美/武部の斉藤由貴さんの「卒業」トリオによる名曲なのです。
「紳士同盟」1986
作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童/編曲:武部聡志
映画『紳士同盟』主題歌
歌手活動40周年ライブでの「紳士同盟」なんですが、時は過ぎても、やっぱり ”なんてね ♪ ” は可愛いのです!
電撃結婚、そして離婚、活動再開後は、テレビドラマにも出演するようになって、『木更津キャッツアイ』や『1リットルの涙』、『あまちゃん』など、印象的な作品も多いです。
先日で完結したドラマ『最愛』でも、母役を演じてたりして、その世代世代で、違った顔を見せてくれるのが嬉しいのです。
■ 原田知世さんのリプライズ ■
「悲しいくらいほんとの話」1982
作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
ドラマ『セーラー服と機関銃』主題歌
薬師丸ひろ子さんの映画『セーラー服と機関銃』のヒットを受けて制作されたテレビシリーズで初主演した原田知世さんですが、主題歌デビューも果たしています。
ソングライティングは、「セーラー服と機関銃」と同じ来生姉弟でした。ヒットには至りませんでしたが、なかなかの佳曲なんですよね。
「ときめきのアクシデント」1982
作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
ドラマ『ねらわれた学園』主題歌
好評だった前作を受けて、再び、薬師丸ひろ子さんの主演映画のテレビシリーズ版に出演した原田知世さん。
主題歌も同じソングライター陣で制作されました。
こちらもヒットしなかったんですが、ドラマでショートカットにした原田知世さんが抜群に可愛かったのです。
「ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ」1983
作詞・作曲:松任谷由実、編曲:松任谷正隆
ミュージカル『あしながおじさん』主題歌
大ヒットした映画主題歌「時をかける少女」に続いてリリースされた、原田知世さんの初舞台となった主演ミュージカルの主題歌でした。
「時をかける少女」と同じくユーミンの手掛けた曲なんですが、ユーミン版も同時期にリリースされてましたね。
「雨のプラネタリウム」1986
作詞:秋元康/作曲・編曲:後藤次利
トヨタ『カローラII』イメージソング
「早春物語」の後は、ダンスも入れながら、いろんなイメージを打ち出していった原田知世さん。
少女のイメージから脱しようとしてる感じなのでしょうね…
~1986年、角川春樹事務所から独立
独立後も『私をスキーに連れてって』や『彼女が水着にきがえたら』などのヒット作をはじめとして、数々の映画、ドラマに出演しています。
90年代以降は、なんかペースを落として活動してた感じですが、音楽活動の方は、アーティスト色を強めていった印象です。
等身大に音楽に向き合うような、そんなナチュラル感が強くなっていった感じです。
あのトーレ・ヨハンソンがプロデュースしたりとか、それも納得なのです。
「ロマンス」1997
作詞:原田知世/作曲:Ulf Turesson/編曲:Tore Johansson
最近ではテレビドラマ『あなたの番です』に主演したりして、ちょっと意外だったりしたのですが、雰囲気はやっぱり変わらないですね。
■ 渡辺典子さんのリプライズ ■
「花の色」1984
作詞:三浦徳子/作曲:財津和夫/編曲:大谷和夫
ドラマ『探偵物語』主題歌
デビュー曲、映画『少年ケニヤ』の主題歌と両A面シングルとしてリリースされたのが、自身の主演ドラマの主題歌だったこの曲です。
「少年ケニヤ」もいいんですが、この「花の色」がいい曲なんですよね~。松田聖子さんの「夏の扉」コンビの作なんですが、三浦徳子さんの歌詞がまた良くて大好きなのです。
「題名のないバラード」1986
作詞:阿久悠/作曲:佐藤隆/編曲:清水信之
「彼のオートバイ、彼女の島」劇中歌
映画の中で、渡辺典子さんが歌うのが印象的な曲です。
サントラの方に渡辺典子さん版が収録されています。
こういう幸薄そうな役柄はピッタリはまるんですよね~。
「火の鳥」1986
作詞:阿久悠/作曲:宮下富実夫/編曲:瀬尾一三
映画『火の鳥 鳳凰編』主題歌
やっぱり角川アニメの主題歌と言ったら渡辺典子さんのイメージが強いんです。
~1986年、角川春樹事務所から独立
原田知世さんらと時を同じくして、渡辺典子さんも独立します。
独立後は主演作に恵まれてませんが、ドラマではちょくちょく顔を見かけますね。
女優業が中心なんで、音楽活動はあまり行ってないのは残念なとこです。
「空色のピアス」1987
作詞:川村真澄/作曲:タケカワユキヒデ/編曲:瀬尾一三
『アニメ三銃士』イメージソング
主題歌はのりピーが歌う「夢冒険」でしたが、番組の中の”三銃士紀行”で使われていた曲です。
この曲もいい曲なんですよね~。
以前にも書きましたが、渡辺典子さんの楽曲もサブスク解禁してほしいな~と、心から思ってるのです。
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1985年に薬師丸ひろ子さんが、1986年には原田知世さんと渡辺典子さんが事務所から独立して、”角川3人娘” は終焉を迎えるわけなんですが、1982年の「角川映画大型新人女優募集」で、渡辺典子さんがグランプリ、原田知世さんが特別賞を受けてからのことなので、わずか4~5年ほどの期間なんですよね。
その中で、これだけの密度の活動をしてるのは、すごいことだと思うんですよね。
そういう意味で、”角川3人娘” も80年代を彩ったアイドルだったのは間違いないのです。
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