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角川映画主題歌10年の軌跡【中編 : '81~'84】


 今年、45周年を迎えた角川映画
 その最初の10年の主題歌をまとめていく記事です。


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 今回は中編として、1981年~1984年の主題歌をまとめていきたいと思います。

 それまでの大作路線から、特定のスター中心のプログラムピクチャー路線へと舵を切ったこの頃の「角川映画」では、薬師丸ひろ子さん、原田知世さん、そして渡辺典子さんの、いわゆる”角川3人娘”が活躍し始めた時期でもあります。

 この時期こそが「角川映画」の全盛期だったと思うのです。そのおかげで、主題歌の方も、35th・40th記念主題歌集で概ね網羅されています。
 記事の中で、音源を添付していないものは、不明なものか、主題歌とは判断しずらかったものです。ご了承ください。

35th・40th記念主題歌集に収録されているものにはその旨を付記しています。



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「ねらわれた学園」(1981年7月)

 監督:大林宜彦
 原作:眉村卓
 主題歌『守ってあげたい』松任谷由実
 ※35th・40th主題歌集収録

 まずは、眉村卓さんのジュブナイル映画化した「ねらわれた学園」。薬師丸ひろ子さんが可愛くて人気だったのですが、個人的には、手塚真さんや峰岸徹さんのキャラが強烈過ぎて💦、最後、よく分かんなくなっちゃった映画です。(これぞ大林ワールド)
 松任谷由実さんの名前を認識したのは、この映画の主題歌が印象的だったからなのです。



「悪霊島」(1981年10月)

 監督: 篠田正浩
 原作: 横溝正史
 挿入歌「レット・イット・ビー」ビートルズ


「蔵の中」(1981年10月)

 監督: 高林陽一
 原作: 横溝正史
 主題曲『遊びをせんとや生まれけん』桃山晴衣



「セーラー服と機関銃」(1981年12月)

 監督:  相米慎二
 原作:  赤川次郎
 主題歌『セーラー服と機関銃』薬師丸ひろ子
 ※35th・40th主題歌集収録

 そして、いよいよ、「角川映画」のプログラムピクチャー路線を確定させた大ヒット映画「セーラー服と機関銃」が登場です。
 私もブームに乗って観に行きました!
 赤川次郎さんの小説も読み始めました!
 主題歌も、純朴な感じが良くて大好きでした!
 ソングライターの来生たかおさんが歌う『夢の途中』もヒットしましたね。

 あらためて観ると、ほとんどファスト映画じゃないかと思える予告編ですね。
 機関銃のシーンでは瓶の破片で頬をケガしてるのですが、それでも演技を続ける薬師丸ひろ子さんに女優魂を感じたのでした。



「化石の荒野」(1982年4月)

 監督: 長谷部安春
 原作: 西村寿行
 主題歌『化石の荒野』しばたはつみ
 ※40th主題歌集収録

 「角川映画」に時々ある、ハードボイルドやノワールものの1本です。
 全然、ヒットしなかったみたいなんですが、個人的には好きだったったんですよね。
 ラスト、雪山を背景に流れるしばたはつみさんの主題歌には、ちょっと痺れました。
 35周年版の主題歌集には収録されなかったんですが、40周年版では収録されることになった曲です。



「蒲田行進曲」(1982年10月)

 監督: 深作欣二
 原作:つかこうへい

 オープニング曲『蒲田行進曲』松坂慶子/風間杜夫/平田満

 エンディング曲『恋人も濡れる街角』中村雅俊


 中学生だった自分には、まったく興味の無かった映画なんですが、大人になって見ると面白い!w
 バラエティでの、階段落ちのコントが流行った記憶がありますね。



「この子の七つのお祝いに」(1982年10月)

 監督: 増村保造
 原作: 斎藤澪
 主題曲 ※不明



「伊賀忍法帖」(1982年12月)

 監督: 斎藤光正
 原作: 山田風太郎
 主題歌『愚かしくも愛おしく』宇崎竜童
 ※40th主題歌集収録

 3人娘の二番手、オーディションでグランプリだった渡辺典子さんのヒロインデビュー作です。
 「魔界転生」に続く山田風太郎原作の映画という事で、楽しみにして観に行ったんですが、なんか一歩足りない感じだったんですよね~。
 嫌いじゃないんですが...  うん。
 宇崎竜童さんが歌う主題歌も、35周年版の主題歌集には収録されなかったんですが、40周年版では収録されて、嬉しかったのです。



「汚れた英雄」(1982年12月)

 監督: 角川春樹
 原作: 大藪春彦
 主題歌『汚れた英雄-Riding High-』ローズマリー・バトラー
 ※35th・40th主題歌集収録

 「伊賀忍法帖」と同時上映だった映画で、なんと、角川春樹さんの映画監督デビュー作という...
 このローズマリー・バトラーの主題歌を聴くと心が躍るんですよね~、カッコよくて大好きです。
 当時、バイクレースに夢中だった自分にとっては、レースシーンで主人公役を演じてた、GPライダー平忠彦さんのライディングが見れるのも魅力だった映画なのです。



「幻魔大戦」(1983年3月)

 監督:りん・たろう
 原作:平井和正
 主題歌『光の天使(Children Of The Light)』ローズマリー・バトラー
 ※35th・40th主題歌集収録

 「角川映画」であの「幻魔大戦」をアニメ化!
 かなりワクワクさせられたのに、なんか、展開急ぎ過ぎだし、最後の方はどうなん?ってまとめ方で、今ひとつ不完全燃焼に感じたんですよね~。
 未だに、なんか惜しいと感じている映画なのです。

「地球を護る者」キース・エマーソン

 ローズマリー・バトラーの歌う主題歌も印象的でしたが、このキース・エマーソンの曲が神々しくて大好きでした。
 ぜひ、主題歌集にはこちらも入れて欲しい一曲なのです。



「探偵物語」(1983年7月)

 監督:根岸吉太郎
 原作:赤川次郎
 主題歌『探偵物語』薬師丸ひろ子
 ※35th・40th主題歌集収録

 受験でお休みしていた薬師丸ひろ子さんの復帰作だったんですよね。
 自分は受験生だったのに観に行ったな~。w
 この映画でボブカットって言葉を知ったのです。
 主題歌のA面とともにB面も大滝詠一さんの曲で、どちらもいい曲だったのです。



「時をかける少女」(1983年7月)

 監督: 大林宜彦
 原作: 筒井康隆
 主題歌『時をかける少女』原田知世
 ※35th・40th主題歌集収録

 そして、”角川3人娘”の末っ子、原田知世さんのスクリーンデビュー作となった本作でした。
 正直、同時上映だった「探偵物語」よりも、こっちの方に魅了されて帰って来ちゃいました。
 大林宜彦ワールドと原田知世さんの持つ雰囲気がベストマッチした映画だと思います。
 主題歌はユーミン作の原田知世さん本人の歌唱の曲なんですが、なんだろう、つたない感じが魅力的に感じた名曲なのです。



「里見八犬伝」(1983年12月)

 監督:深作欣二 
 原作:鎌田敏夫
 主題歌『里見八犬伝』ジョン・オバニオン
 ※35th・40th主題歌集収録

 久しぶりの大作路線!
 しかも深作欣二監督ということもあって、かなり、期待して観に行ったんですよね。(受験生なのに...)
 なかなか豪華な出演陣だったのですが、一番、印象に残ったのが、夏木マリさんだったという...
    でも、やっぱ娯楽大作としては、オバニオンの主題歌とともに印象的でしたね。



「メイン・テーマ」(1984年7月)

 監督:森田芳光
 原作:片岡義男
 主題歌『メイン・テーマ』薬師丸ひろ子
 ※35th・40th主題歌集収録

 ん、観に行ったはずなんですが、今ひとつストーリーが思い出せません💦
 でも、片岡義男さんの本もそんな感じですよね。
 この主題歌が好きだったんですよね~。
 薬師丸ひろ子さんの歌う女性目線の『メインテーマ』に対して、南佳孝さんの歌う『スタンダードナンバー』は男性目線の歌詞で、裏表の関係だったんですよね。(関係note「個人的に好きな松本隆が作詞した歌」



「愛情物語」(1984年7月)

 監督:角川春樹 
 原作:赤川次郎
 主題歌『愛情物語』原田知世
 ※35th・40th主題歌集収録

 さて、最後は、再び ”薬師丸ひろ子/原田知世” ペア上映となった原田知世さんの「愛情物語」です。
 このペア上映は「角川映画」のゴールデンコンビだったと思うのですが、主題歌『愛情物語』の方も、私の大好きな "康珍化/林哲司" のコンビの曲だったんですよね~。
 残念ながら、知世さんの配信サービスでは解禁されてないんですが、こちらも名曲なのです。


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 この頃、夢中になって観に行ってた「角川映画」なんですが、中にはストーリーをあんまり憶えてないのもあったりして、良くも悪くもプログラムピクチャー路線ってことなんですかね。
 でも主題歌は印象的なものが多くて、80年代アイドルの名曲たちの一角を、この角川映画の主題歌が担っていたのは間違いないのです。

 実は、「里見八犬伝」と「メイン・テーマ」の間にも作品があるのですが、その主題歌は、次回の後編にて紹介したいと思います。(もう一人の”角川3人娘”の歌が中心になります。)




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