カバーを歌うヴォーカリストたち
cover songs
皆さんはカバーソングに、どんなイメージを持ってますか
カバーソングといっても、いろんなカバーがあったりするんですよね。
詳細にまでは分類できないのですが、今回は、カバーを大まかに3つのカテゴリーに分けて ”note” していきたいと思います。
1.提供曲をカバーした、いわゆるセルフカバー
日本でしか通用しない言葉らしいのですが、すっかりお馴染みになってる ”セルフカバー” 。
”セルフカバー” には、自分が過去に発表した曲をリメイクして再発表する場合もあるのですが、ここでは、他の歌い手さんのために作られた曲を、作った本人が歌うってパターンのやつを紹介しています。
他の歌い手さんたちへの提供曲が多い人は、アルバム1枚まるごと ”セルフカバー” ってパターンがあります。
中島みゆきさんなんかは、このパターンが意外と多くて、『おかえりなさい』(1979年)、『御色なおし』(1985年)他、計5枚のアルバムをリリースしてたりします。
個人的に、こういうセルフカバーのアルバムは大好きで、来生たかおさんの『Visitor』(1983年)、井上陽水さんの『9.5カラット』(1984年)、織田哲郎さんの『Songs』(1993年)、最近でも、椎名林檎さんの『逆輸入 〜航空局〜』(2017年)なんかは、かなり聴いてました。
作った本人が歌う ”セルフカバー” は、その曲の世界観をあらためて感じさせてくれるので、ファンにとって興味深いんですよね。
では、このカテゴリーからは、もう2曲の紹介します。
1曲目は、松任谷由実さんの『まちぶせ』
ユーミンが、荒井由実時代に三木聖子さんへの提供した曲で、後に石川ひとみさんがカバーしてヒットした曲です。
セルフカバーではアレンジが変わっていて、ちょっと怖さが増してると思ったのは自分だけでしょうか....
2曲目は、hyde の『Glamorous Sky』
映画「NANA -ナナ-」の主題歌で、主演した中島美嘉さん自身が歌ってたやつですね。
hyde 自身がカバーしてるんですが、詞は英語詞に変わってます。
でも、やっぱりカッコいー歌なのです。
セルフカバー曲だと、他には、谷村新司さんの『いい日旅立ち』をはじめ、BEGIN の『涙そうそう』、福山雅治さんの『Squall』、槇原敬之さんの『世界に一つだけの花』みたいに、名曲ぞろいだったりしますね。
やっぱり、自分の作った名曲は歌いたくなるものなんですよね。
2.洋楽カバー
さて、次のカテゴリーは海外のヒット曲のカバー曲です。
細かく言うと、洋楽をカバーした中でも、日本語詞をつけ、馴染みやすくしてリリースされた曲について紹介していこうと思います。
まず、洋楽カバーは、自分が10代を過ごした80年代には、それなりにあったんですよね。
西城秀樹さんの『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』を筆頭に、すぐに思い出せる曲がけっこうあります。
荻野目洋子さんの『ダンシングヒーロー』(アンジー・ゴールド)や、長山洋子さんの『ヴィーナス』(バナナラマ)、また、他にも、当時のヒット映画「フラッシュダンス」や「フットルース」の中からも、たくさんカバーされてました。
そんな中、自分にとっては、ウインクの『愛が止まらない~Turn It Into Love』なんかが懐かしかったりするのです。
これってカイリー・ミノーグが原曲を歌ってるんですが、日本での認知度はまだまだだったので、ウインクとの相乗効果を狙ってた感が見え隠れしてたんですよね。
カイリー・ミノーグ『Turn It Into Love』
後から、カイリーミノーグ版のPVを見ると、あの人形チックな振りつけがないと物足りなく感じてしまう自分がいたりするんです。
その他、カバーされた原曲の方を紹介していきますが、カバーを誰が歌ってたのかすぐ分かる人は、間違いなく自分と同世代の方ですね。
レイフ・ギャレット『ニューヨーク・シティ・ナイト』
フィンジー・コンティニ『Cha Cha Cha』
マイケル・フォーチュナティー『Give Me Up』
ガゼボ『I Like Chopin』
マイケル・フォーチュナティって名前自体が懐かし過ぎるかも!w
でも、原曲の方を聴いてみても、アレンジはほとんど変わらなかったりしますね、詞だけが違う。
これって版権の問題なのかな、あくまで歌う代理(カバー)ってわけなんでしょうね。
自分たちの世代だと、このあたりが懐かしいのですが、最近の曲でも、DA PUMPの『U.S.A.』なんかはカバーでしたね。
ジョー・イエロー『U.S.A.』 (実は1992年の曲)
もはや、DA PUMPがカバーされてるのではないかという錯覚さえ起こしそうになってしまいますね。
洋楽カバーの場合は、原曲を聴いたことある(憶えてる)人の方が(日本では)少ないんで、あまり違和感は感じないのです
3.国内曲カバー
さて、最後は、国内における過去の名曲のカバー。
このカテゴリーには悩ましい部分があって、原曲のイメージが強すぎると聴く側に抵抗感が生まれたりするんですよね。
「やっぱ、オリジナルがいいよね!」
なーんて、それだけの感想に陥りがちです。
洋楽みたいに、初めから原曲のイメージが薄かったりすれば問題ないのでしょうが、国内の名曲だと、一定期間が経って、イメージが薄まってきた曲からカバーするって傾向を感じます。
その原曲のイメージは、世代によってかなり違うのかな~って思います。50代にとっては "やっぱオリジナルがいいね" って感じの曲でも、20代の人にとっては、新鮮に聴こえたりするのかもしれません。
だから、制作側としては、どの世代をターゲットにするかによって、選曲も変わってくるのかもしれません。
2000年代は、CDが売れなくなってきていた時代だったので、CDを買ってた少し上の世代を狙って、数多くのカバーアルバムがリリースされた時代でもありました。
様々なトリビュート盤や、カバーアルバムがリリースされたんですが、中には、歌い手さんが好きなんだろうなって選曲のアルバムも多かったのです。
ヴォーカリストさんたちにとって、過去の名曲と呼ばれる歌たちを、自分なりに解釈し、どう表現するのかっていうのは、燃えるものもあると思うんです。
あえて、原曲のイメージが薄まってない歌を選んだ時は、アレンジを変えたり、場合によってはテンポも変えたりするのも、原曲を再解釈して表現しようとするからだと思うんです。
中森明菜さんがリリースしたカバーアルバム「歌姫2」では、なんと松田聖子さんの『瑠璃色の地球』があったりしました。
これは、話題作りの戦略なのか、原曲へのチャレンジなのか、同時代を生きた松田聖子さんへのリスペクトなのか、真偽は分かりませんが、根底には、この『瑠璃色の地球』という歌への愛があるような感じなんですよね。
多分、制作側の戦略はあるのでしょうが、その歌に対するヴォーカリストさんたちの愛が、カバーの出来栄えに左右するのではないかと思います。
聴く側としては、「どちらの『瑠璃色の地球』を選ぶか」、ではなくて、「どちらの『瑠璃色の地球』も、歌い手さんの解釈を楽しむ」ことが大事なのだと思うのです。
と、いうことで、個人的に原曲への愛を感じるカバーソングBEST3を最後に紹介します。
ー ー ー 第3位 ー ー ー
徳永英明さんの『雪の華』
2000年代のカバーブームの火付け役といっていい徳永英明さんの「VOCALIST」シリーズの中の1曲。
あの徳永英明さんが女性の歌を歌うという企画を聴いただけで、ワクワクしてしまいますね。
シットリ目の名曲がたくさんラインナップされていましたが、中でも、この曲との相性が抜群だと思いました。
ー ー ー 第2位 ー ー ー
中田裕二さんの『モンローウォーク』
もしかすると、知る人ぞ知るって人なのかもしれないのですが、「椿屋四重奏」というグループで活動していた方です。
この中田さんが歌に対する愛情の深い方で、グループ活動と並行しながらカバーライブとかをしていたのですが、艶のあるセクシーなヴォーカリストさんなのです。
その中でも、自分が一番好きなのが、南佳孝さんの『モンローウォーク』のカバーなのです。
ー ー ー 第1位 ー ー ー
B'zの『勝手にしやがれ』
正確には、B'z がカバーしたわけでなく、松本孝弘さんのカバーアルバムで、ヴォーカルにフューチャリングされたのが稲葉さんで、結果としてB'z になってるって感じなのです。
なので、稲葉さんのヴォーカルだけでなく、松本さんのギターの方も注目してほしい一曲なのです。
沢田研二さんの原曲も、そうとうカッコいー曲なのですが、この B'z 版もかなりいいのです。
ドラマの主題歌で流れた時に、一瞬で、心をつかまれました。
数あるカバーソングの中でも最強の一曲だと思うのです。
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