見出し画像

入院話が流れて、調子を取り戻してくる ~とあるOLの乳がん日記【71】

71.

朝になって、昨日までの酷い落ち込みに比べると、かなり気分が落ち着いていた。
いっそこの静けさが不気味なくらいで、自分でも不思議だったけれど、とにかく今日は、母親と入院の話をしに行くので、会社へ休みの連絡をした。

あと、元気なときに企画した、会社の子たちとのバレンタイン会も、体調を崩したという理由でキャンセルさせてくださいとメッセージを送った。
やろうと言い出したのは自分なので、申し訳なかったけれど、みんな私の体調を気遣ってくれて、また別の機会にやろうと言ってくれた。

病院へ向かって、連日お世話になっている精神腫瘍科のフロアで受付をした。
でも、いつもと違って、すっかり定位置になった場所で横になることもなく、普通に他の人たちと同じように座って呼ばれるのを待った。
あまり眠れていないので、頭が少しぼんやりしていて、最近ずっと自分を苦しめていた不安感とか、焦燥感とか、動悸とかはなりを潜めていて、入院するのかな、どうしようかなと思った。

番号が呼ばれたので、母親と部屋に入って、先生がまた入院の説明をした。
でも、先生も私の様子がいつもと違っていることに気づいて、どうしますか、と聞いた。
昨日までの私だったら、治るなら何にでもすがりたい気分だったけれど、気分が落ち着いていたので、入院しないといけないとダメですかね、と聞いた。
先生は、入院は全然強制ではないと言って、結局毎日病院に来るのだったら、入院したほうが楽かなと思ったから提案してみました、と続けた。

薬を変えた影響からか、様子が変わっているけれど、これが決壊前の静けさなのかどうかはまだわからないので、しばらく様子を見るでもいいと思うということになり、私の入院話はひとまず一旦流れることになった。

家に帰ると、さらに少しずつ調子を取り戻してきて、ご飯も食べられるようになった。
次の日になって、普通に会社に行くこともできた。
なので、すぐさま会社の子たちに連絡して、やっぱり元気になったからバレンタイン会に出てもいいかと連絡した。
そうしたら、みんな快諾してくれたので、嬉しくなってお昼時間に会社の近くのチョコレート売り場でチョコとおせんべいを買った。

終業後に、みんなで集まって、机の上にそれぞれが買ってきたチョコを並べて食べ比べをしたり、仕事の話をしたりした。
私はこういうリア充みたいなことに憧れていたので、こうやってとても楽しい時間を過ごすことができたので、よかったと思った。

サポートいただいた額はすべてお世話になった病院、SNS、保護猫活動に使いたいと思います♪