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「教育とは世界を変えるために用いることができる最も強力な武器である。」| 北川愛梨

タイトルのこの言葉はネルソン・マンデラ(元南アフリカ共和国大統領)の言葉です。

教育……
教え育てること。知識,技術などを教え授けること。人を導いて善良な人間とすること。人間に内在する素質,能力を発展させ,これを助長する作用。人間を望ましい姿に変化させ,価値を実現させる活動。
(引用:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ジェンダー……
生物学的な性差(セックス)に付加された社会的・文化的性差を指します。
「ジェンダーは、男性だから・女性だから」、と枕詞がついて「こうあるべき」姿として、それぞれが所属する社会や文化から規定され、表現され、体現されます。それは、服装や髪形などのファッションから、言葉遣い、職業選択、家庭や職場での役割や責任の分担にも及び、更に、人々の心の在り方や、意識、考え方、コミュニケーションの仕方にまで反映されます。
(引用:内閣府 国際平和協力本部事務局

私は、教育は私達の人格や心の形成に大きな役割を果たすと感じています。
どのような教育を受けるかで、一人一人のジェンダーに対する考え方をはじめとするものごとの受け止め方や考え方が変化すると、私は自らの経験を通して感じました。
「教育とジェンダー」どんな関係があるのかと疑問に思う人も多くいるのではないのでしょうか?
ここでは私の実体験をもとに教育とジェンダーについてお話します。

私は中学校入学前まで、「男の子らしい女の子は変である」「男の子なのにぬいぐるみやピンクが好きなことは異常だ」というような偏った考えを持っていました。
また、私は小さい頃から性別や人に関係なく好きなものを好きになるという性格でした。
初めて好きと感じたものはその当時使っていたブランケットでした。
片時も離れず、どこへ行くにも持って歩き、それがないと不安で、本当に大好きでした。
私は動物でも物でも恋愛感情を持つといった心の持ち主でした。
しかし、小学校では周りと違う自分をみて「自分は他とは違うからダメである」「自分と同じように周りとは違うゲイは気持ち悪い」「トランスジェンダーは心の病気である」など、とても偏っていて、差別的な考えを持っていました。

しかし私は中学校に入学してから、180度世界が変わりました。

中学校では日頃からジェンダー平等や教育を受けられない子供達がいること、この世界にはたくさんの性を持った人がいることを学ぶ機会がありました。
私にとってそれらは全て、今までの自分の考えとは全く違う、聞いたことも触れたこともないものでした。
学べば学ぶほど、今まで何の違和感もなかった男尊女卑の社会に疑問や怒りを覚えたり、今まで気にしなかった男尊女卑にも敏感に反応したりするようになりました。

そんな学校生活での気づきのなかで、私は自分の性、心と向き合う時間もでき、自分の性を、自分の心をありのままに受け入れることができました。自分を受け入れ、理解し、好きになることで、全ての人を受け入れられる心へと変わりました。

では私はなぜ変われたのでしょうか?
変えるきっかけになったものは何でしょうか?
それは「教育」です。
小学生までの私が受けてきた教育は、
「女性は将来子供を産んで、旦那さんを支えます。それがいい女の人の姿です。」
「周りに合わせましょう。他と違うことをしてはいけません。」
「女の子だから~、男の子だから~」
といった教育です。
このような教育を受けてきた私にとって、これ以外のことはおかしなこと、悪いことでした。
少し違う視点から見てみると、私の両親やその上の世代の方は「同性愛者はよくはない」「男性は女性に優しくしなければならない」「男性は泣いてはならない」などという教育を受けてきました。
そのため、私の両親はそれ以外のことは異様であるという考え方になってしまったのでしょう。
そして私にも同じような話を幼少期からしていた両親の影響で私も面白いように「ゲイは悪いことである」「男の子は泣いてはいけない」と考えるような子になりました。

このことからわかるように、教育は私達一人一人の物の受け止め方や考え方、アイデンティティに大きくかかわってきます。
教育は学校のものだけではありません。
それぞれの家庭で両親や周りの人から教えてもらうことや話の一つ一つが教育であると私は思います。
その一つ一つが教育で私達の視野を広げることもでき、同時に狭めることもできてしまいます。

小学生までの私は、ジェンダー平等とはかけ離れた教育を受けてきました。
それが原因でふさぎこんでしまったり自己嫌悪に陥ったりしたこともありました。
しかし中学校では、自分を認めることを教えてくださったり、なぜ平等な社会にしなければならないのかなどと様々な視点から物事を考え、他者を認めたり、違う考えを持つ人を受け入れたりといった教育を受けてきました。
それによって私は自分を理解し、また自分を好きになることが出来ました。
そして自分と同じような女性のために働きたいと考えるようになりました。

今私は、これからを生きる私たちはこれから先の自分の未来を明るく、生きやすい世の中にするために、教育を通じて自分を構成し、分析し、様々意見や多様な人、考えと出会っていく必要があると思います。
私は教育によっていまある男尊女卑やLGBTQ+の方々に対する差別や偏見も変わっていくと私は信じています。

最後に、タイトルにもあったこの言葉をもう一度贈りたいと思います。

「教育とは世界を変えるために用いることができる最も強力な武器である。」
ネルソンマンデラ


北川愛梨(学生)

プロフィール

プロフィール
趣味:音楽鑑賞と映画鑑賞
好きな本:嫌われる勇気


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