記事一覧
ここに教会を建てよう 【隠岐】
「ただいま〜」
いつも通り家に帰ってきて、玄関で靴を脱いだ時に何となく違和感を感じた。普段は脱ぎっぱなしで乱れている靴が綺麗に並べられていて、その中に見覚えはあるけど何処で見たのかは何となく思い出せないスニーカーがある。家族の誰かが履いてたような気もするけど…お父さんこんなの持ってたっけ…?いまいちピンとこない…
はっきりと答えの出ないまま、もやもやを抱えて廊下を歩いていると居間から楽しそうな笑
好きぴに夢中 【隠岐】
「あ〜もうほんまに可愛い…何でそんなにキュートなん?天使からの特殊な訓練でも受けてる?」
そんな意味不明な問いかけをこちらに投げかけ、半歩後ろを着いてくる恋人、隠岐孝二。
靴を履き替えることを忘れて上履きのまま下校するという失態を犯した私は下唇を噛みながら、言葉に出来ない苛立ちを発散するために目の前に落ちてた石ころを蹴った。
「おっちょこちょいやなぁ〜今日は疲れてたん?もしかして悩みごとでもあ
春の庭 後編 【隠岐】
「ね、とりあえず先生来る前にインスタの垢教えてくんない?」
「あー、インスタやってないです」
水曜放課後、委員会で出会い厨する先輩に平然と嘘をつく。私は本日星占い5位の人、ラッキーアイテムはお気に入りのクッション、微妙に持ち歩く術がない。
情けない話だけど、先週と同じ手口で委員会の罠に引っかかってしまった。きっとあの女3人は口裏を合わせてじゃんけんで出す手を揃えている。
『嘘だろ…暇な時何して
春の庭 前編 【隠岐】
「いってきまーす」
星座占い最下位の称号をゲットした朝8時15分。今から走って間に合うか間に合わないかの瀬戸際にある本鈴はいっそ潔く諦めて、今日は雲の様子とか人の家の植木を眺めながら優雅に登校することに決めた。遅刻確定、早速曲がらなくて良い道を曲がってみる。
学校に行くのが辛いとかそんな大層な悩みもないけどただ、前の席の人が背高くて黒板が見えにくいせいと本態性低血圧のせいで授業へのモチベが下が