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運命は切り開くもの②

気になる存在

同窓会も近づくにつれて
グループLINEは相変わらず
誰かがやり取りしたり、幹事からの
連絡とかで盛り上がっていた

自分よりも後からグループに
登録して来てる人もいてそこそこの
人数になっていた

いつも気になる1人の女性の
アイコンをタップし、眺めては『ふーん』
って言って電源を切った

その女性は、高校2年の時に仲良くなった

第一印象は、真面目で大人しくて
恥ずかしがり屋の印象だった

でも話をしてみると、とても面白くて
しっかりと自分の世界観をもっていて
とにかく優しい人でした。

自分はどちらかと言うと真逆で
目立ちたがりで、どちらかというと
真面目ではなかった

でも彼女とは不思議と気が合った
彼女の前では、何も飾らない
本当の自分でいる事が出来た

そのうち、夜に電話で話をする様になり
お互いに彼女、彼氏がいたときでも
何故かずっと電話を続けていた

暗黙の了解で、電話の事は
誰にも言わない、2人の秘密になっていた

彼女は彼氏と別れた
その理由は俺の事を好きになったからだと
後に知った
そんな事に気づかず(お互いに好印象なのはわかっていたが...)
当時付き合っていた彼女の相談や愚痴を
言っては、それをずっと聞いてもらっていた

彼女も告白して、フラれたら
関係が終わってしまうと思い、
何も言わずにそのまま仲のいい友達として
付き合ってくれた
これも、後に知った

3年になってクラスが離れたこともあり
学校ではあまり話さなくなったが、夜の電話は続いていた。 

結局、お互いそのままの関係の状態で
卒業を迎える事に...

卒業後、一度だけ実家に遊びに来た事があり
自分の部屋で会話を楽しみ、自然な感じで
彼女とキスをした
すごく照れた顔で見つめる彼女が
とても可愛く思えた
彼女にとってはファーストキスだった

その後も中途半端なまま
そのままの関係が続いた
彼女に付き合おうの言葉も言わず...

これって、俺が一番ずるいんやろなー
って今はわかるけど、その当時の自分には
わからなかった

その時の自分はと言うと、まだまだ若僧で
ただただ遊びたい気持ちが強く
曖昧な気持ちのまま、彼女に接していて
どんどん彼女の気持ちを傷つけてしまっていた

でも、彼女と会ったり話したりすると
気持ちが落ち着くのは本当だった
唯一自分の事を理解してくれる人だったから


だが、そんな都合のいい話は続くはずもなく
ついに彼女は自分から離れていってしまった

ある日、彼女のバイト先に行って
終わったら遊ぼうと誘った時に、
彼氏が迎えにくるから無理って言われた...

その言葉の意味が自分にはよく理解できた
彼女なりの決意なのだと...
まあ当然の結果だろう...

今考えたら、ずっと一途に思ってくれた人は
後にも先にも彼女だけで、そんな人を
ひどく傷つけてしまった後悔と、
自分の未熟さを改めて痛感した。

そんな彼女が子供をアイコンに
しているのを見て、幸せになって良かったなー
俺じゃなくて良かったんやなーって
思うと少しだけ寂しくなった
それもそれで、自分勝手な言い分だけど...

そんな色々な事があって、
今でも気になる存在の人なのです。


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