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#06 米国で普通のサラリーマンが、金融資産「100万ドル」(約1.5億円)達成するまで

コロナ渦: 35万ドル→50万ドル

日本での1億円と同様、アメリカでは『ミリオネア』(100万ドル)が一般の人々の資産目標として語られます。私は2015年に5千ドルだけ持って仕事の当てもなく渡米し、2024年5月に金融資産100万ドルを達成しました。貯蓄も投資も全くしていなかった私が、地道に米国の金融知識を学び、この目標を達成できました。普通の人がコツコツと積み上げて100万ドルを達成することは、他の人々の励みになると思い、Noteに書くことにしました。前回の投稿では、コロナ渦のニューヨーク、妻の失職と再就職、そして仕事がリモートとなりニューヨークから引越しをする過程までをまとめました。資産はその頃には金融資産約35万ドル(当時レートで約3840万円)になっていたと思います。

首都近郊へ引越し

2人でリモートワークできる環境へ

事前に軽く旅行がてら下見をしてから決めた物件でしたが、引越し当日には4時間ほど離れた場所へ引っ越すため、段取り含めかなり緊張しました。それでも1日でなんとか荷物を移動させ、港が見える新しい新居へと引越しできました。ニューヨークの古い煉瓦造りの1ベッドルームから2ベッドルームのマンションへ引越ししたので、リモートワークに適した環境になりました。子供の保育園も近くに小さな学校があり、そこに入園させることができました。

新しい街はニューヨークに比べるとコロナ対策が緩やかでしたが、2020年末にかけて徐々に制限が厳しくなり、一時的に店内での飲食が禁止されました。それでも、2部屋あることや子供を預けられる施設を見つけられたことで、慣れ親しんだニューヨークを離れた不安や寂しさはあったものの、共働きの私達にとっては生活が大きく向上しました。

自動車ローン

米国といえば車社会

米国は基本車社会であり、引越し先は中規模都市の中心部で、徒歩圏内に生活施設は揃っているものの、行動範囲を広げるためには車が必要でした。ニューヨークでは車を必要とせず、運転免許証も持っていませんでした。妻も運転経験がありましたが、長い間運転しなかったため、免許は失効していました。

引越し前に駆け込みで運転免許証を取得

コロナ禍で別の地域への引越しを進めていたため、車が必須と考え、ニューヨークにいる間に免許取得を目指して行動に移しました。仮免許はすでに取得していたので、あとは練習して試験を受ける必要がありました(米国では、筆記試験のみで仮免許を取得でき、基本的には自分で練習して試験会場に行く仕組みです)。

運転免許を取得する過程は少し長くなるので、別でまとめようと思いますが、ニューヨーク郊外でコロナ禍でも運営していた学校を探し、約4ヶ月後の引越し直前に免許を取得でき、引越し先で車が必要になっても大丈夫な様に準備だけしました。

超低金利ローン

引越し先は、基本は徒歩で生活を完結させ、週末には運転の練習を兼ねてレンタカーをたまに借りて最初は過ごしていましたが、妻が行動範囲の狭さに不満を感じ、最終的に新車を購入しました。当時は低金利政策で新車ローンが0%でも提供された時期もあり、私は0.9%でローンが組めたので頭金を2000ドルにして残りを5年ローンで購入しました。今でも支払っているこのローンの金利だと計算上はお得ですが、車購入の際の推奨頭金やローンの組み方については様々な意見があり、別の機会に詳しく紹介したいと思います。

ドルコスト平均法を知り、投資手法の基盤を築く

テック関連好調な日々

超低金利政策のため、ほぼ何を買っても上がるような状況でしたが、最初大きく購入した個別株は、コロナ相場で順調だったアドビ($ADBE)、マイクロソフト($MSFT)、アマゾン($AMZN)といったテック王道株でした。恐らく投資資金の半分はそのような個別株で構成されていたと思います。その頃から、いろんな人の動画や株のレポートを理解しようと勉強し、もう少しマイナーな株にも手を出しました。

例えば、臨床試験のニュースが報道されるとモデルナ($MRNA)を買ってみたり、遠隔療法は今後も伸びるだろうとテラドック($TDOC)、SMSなどコミュニケーションのAPIを幅広く提供するトゥイリオ($TWLO)を買ってみたり、ニュースや勝手に想像した業界の見通しを基に選定していました。全体的に株価は好調だったので、最終的に売却する際には可もなく不可もなくといった銘柄が多かったですが、今後もう少し勉強し割安感や決算などを詳しく見るようになる布石にはなったと思います。

ドルコスト平均法

投資に本格的に興味を持ち出して1年も経って無いですが、ドルコスト平均法をよく耳にするようになり、余剰現金や新たな収入を毎月証券口座に入金する習慣はつけようとしていました。日本でもよく聞きますが、ドルコスト平均法は一定の金額を定期的に投資する長期積立投資の手法で、価格変動に関わらず同じ金額を投資し続けることで、購入価格を平均化しリスクを分散できます。詳しくは別途説明しますが、アメリカでもこの手法は聞きますが、日本の投資界隈の方がよく耳にする気がします。その一つの理由は、米国では401kという加入すると強制的にドルコスト平均法で積立投資する確定拠出年金があり、あまり手法を意識する必要がないためだと思います。余剰金があれば、堅実な人は同方法で別口座に積立てるでしょうが、米国ではもう少しアクティブに個別株を見てトレードする人が多い印象を受けます。

当時の私の懐事情ですが、コロナ相場も後押しし、ビギナーながら大きな損失も出さず、21年夏頃に相場が少し落ち着く中で、ドルコスト平均法を用いて現金や収入を徐々に個別株やETFに投資し続けました。その結果、全資産の80%以上が投資で占めるようになっていました。特に、当時は高金利だった貯蓄口座の金利が下がっていたため、現金を多く保持する必要があまりありませんでした。金融資産全体では50万ドル(※当時のレートで約5,500万円)に達し、なんとなく100万ドルを目指そうと本気で考えるようになっていきました。

生活状況のまとめ (2020年3月〜2020年9月)

  • 住居: 2450ドル/月 ※当時レートで約27万円(首都近郊のマンション)

  • 仕事: 20年の世帯年収 28万5千ドル ※当時レートで約3,050万円

    • 自分: 本業の年収 16.5万ドル ※当時レートで約1,815万円(時給55ドル前後の仕事も少し掛け持ちしてました)

    • 妻: 年収 12万5千ドル ※当時レートで約1,375万円

  • 金融資産: 35万ドル→50万ドル

  • 資産内訳:

    • 普通預金口座 (Checkingアカウント) 3%

    • 預金口座 (Savingアカウント) 10%

    • 課税対象証券口座 73% (個別株、ETF約半々)

    • 確定拠出年金 401(k) 14% 

    • 車ローン 約2万6千ドル ※当時レートで約286万円

当時の振り返り

  • 新車購入については、少しでも車の知識があれば、中古車の方が米国では基本的に推奨されます(新車の2、3年時の価格下落率が大きいため)。ただ、購入手続きが非常に面倒だったため、買い替えを考えるだけで面倒くさく、現行車を乗り潰すくらい乗りたいと思えるようになったのは良かったかもしれません。

  • 自動車保険は、クレジットスコアが良好で年齢が25歳以上であれば、運転経験が短くても保険料をある程度低めに抑えることができました。

  • 引越しは面倒くさいので本当にやりたくないですが、今振り返ると、意図していたかどうかは別として、定期的に引っ越す環境に身を置いていることで余計なものを買う衝動を抑えられていることは良かったと思います。

  • ドルコスト平均法を知り、今後の資産形成の基本として取り入れることにしました。ただ、その後、相場の状況を何度か見ながら、積立ていた指数の売買も行うことがありましたが、証券口座への定期的な入金はこの頃から始めたので、資産成長を進める良い出発点になったと思います。

次は、仕事の範囲拡大や車の所有、生活の変化、そしてコロナの終息、リモートワークだから成り立つ新しい居住地に対する将来への不安も含めて、資産が75万ドルに達するまでの道のりについてお話できればと思います。

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