見出し画像

#04 米国で普通のサラリーマンが、金融資産「100万ドル」(約1.5億円)達成するまで

課税対象の証券口座: 20万ドル→30万ドル

日本での1億円と同様、アメリカでは『ミリオネア』(100万ドル)が一般の人々の資産目標として語られます。私は2015年に5千ドルだけ持って仕事の当てもなく渡米し、2024年5月に金融資産100万ドルを達成しました。貯蓄も投資も全くしていなかった私が、地道に米国の金融知識を学び、この目標を達成できました。普通の人がコツコツと積み上げて100万ドルを達成することは、他の人々の励みになると思い、Noteに書くことにしました。前回の投稿では、子供も生まれ20万ドルの金融資産を築くまでの過程をまとめました。

見出しの「課税対象(Taxable)の証券口座」ですが、これは税控除を受ける個人退職金口座IRAや確定拠出年金401(k)などの退職関連以外の証券口座を指します。アメリカでは、投資をあまりしない人でも退職関連の口座を持っていることが多いですが、課税対象の口座は持っていない人も多いです。私も会社員になって企業型の401(k)を始めた程度でしたが、友人から若者に人気のネット証券の話を聞いて少額を預けたのが、多分最初の証券口座開設だったと思います。

出産をきっかけに資産形成を手探りで始める

証券口座を少しづつ調べ始める

友人に教えてもらったネット証券口座を開設した後、当初は大手のテック企業や株価が上がっている企業、自分が好きな企業の株を買うなど、根拠のない遊びのような投資をしていました。

その後、子供が生まれたことをきっかけに、本格的に資産について考えるようになりました。クレジットカード関連の情報を調べるうちに金融関連全般の情報が入るようになり、同僚からもほとんど預金に回っている資産を投資に回した方がいいと言われ、大手証券会社についても調べるようになりました。

それ以外にも、当時話題になっていたロボアドバイザーの口座を開設したり、大手証券会社の口座を開いてお金を預けてみたりしながら、少しずつ全体像を把握しようとしていました。初心者によくあることですが、株価が上がり過ぎている気がして、暴落が起きたら買おうと考え、大手証券口座の資金はほとんど投資には回していませんでした。

住宅購入に向け内見を始める

資産形成の1つとして、2019年頃からは家の購入を本格的に考え始め、内見を始めていました。もちろん大きな買い物ですし、本当に買うかどうかを判断するために、ネットで物件を見て価格が良さそうなものを見に行き、具体的な購入イメージを得るようにしていました。当時は1ベッドルームのアパートに住んでいたので、同等のサイズで65万ドル〜90万ドル(当時レートで約6825万円〜9450万円)の物件を見ていました。結局、諸事情で2024年現在も賃貸に住んでいますが、米国での住宅購入については別途まとめます。

妻も新しい仕事へ

前回、私の転職について触れましたが、妻も会社の業績への不安と新しい業務への挑戦を求めて、転職活動を始めました。私の転職が完了した少し後に、彼女も中堅の会社に転職しました。2024年現在、私たち二人とも渡米後3社目の別の会社に勤めていますが、この2社目でお互い苦い経験をしました。しかし、この経験と実績があったことで、現在の仕事に就けたのだと思っています。

クレジットカードポイントとコロナ

当初はクレジットスコアを安定させるために、クレジットカードの数を少しずつ増やしていましたが、その過程でポイント制度や優待制度にも詳しくなり、それらを活用してリゾートホテルに何度か出かけるようになりました。もちろん、食費や関連費用を考えると完全に無料で旅行できるわけではありませんが、普段は現金で支払わないようなホテルに泊まる良い機会だと思い、かなり利用していました。

そんな中、2020年初めにグアテマラへの旅行を計画しました。アメリカの若者にも人気の観光地で、同僚からも勧められたホテルを予約し、二つの地域で宿泊する予定でした。しかし、現地で腹痛に見舞われ(現地の水が原因だと思います)治療を受けたものの、一番早く帰国できる便で戻ることにしました。ニューヨークへの便はなかったので、毎日運行されるヒューストン行きを選び、旅行の残りはテキサスで過ごす事に切り替えました。

テキサスへの帰国時、コロナのニュースが広まっており、特にニューヨークでの混乱が報じられていました。滞在先のホテルでは、NBAの2020年の試合中止など、まるでパニック映画のようなニュースばかりでした。実は急遽早期帰国したグアテマラも、当初の帰国予定日以降、米国からの飛行機を受け入れない方針になっていたので、旅行を継続していたら無事に帰れたかどうかも分かりません。

そんな中、勤務中に子供を見てもらっていたナニーさんから電話があり、高齢だったため家族の反対もあり世話ができないとの連絡がありました。コロナで私たちの生活が大きく変わることになりましたが、とりあえず仕事が始まる前にニューヨークに戻る必要があり、状況がよく分からないまま、缶詰やトイレットペーパーなどの避難物資を購入して飛行機に乗り込みました。

生活状況のまとめ (2019年1月〜2020年3月)

  • 住居: 2800ドル/月 ※当時レートで約29万円(マンハッタン)

  • 仕事: 19年の世帯年収 23万2千ドル ※当時レートで約2,550万円

    • 自分: 本業の年収 15万ドル ※当時レートで約1,575万円(時給55ドル前後の仕事も少し掛け持ちしてました)

    • 妻: 年収 11万5千ドル ※当時レートで約1,207万円

  • 金融資産: 20万ドル→30万ドル

  • 資産内訳:

    • 普通預金口座 (Checkingアカウント) 8%

    • 預金口座 (Savingアカウント) 33%

    • 課税対象証券口座 (ほぼ現金または同等商品のみ) 51%

    • 確定拠出年金 401(k) 18% 

当時の振り返り

  • 大手証券口座を開設しましたが、特に活発な取引は行いませんでした。株価が暴落した時に購入しようと考えていたため、安全と聞いた国債にも興味を持ちましたが、購入方法がよく分かりませんでした。それに対し、若者に人気のオンライン証券口座は、人気銘柄がトップページに表示されていたり、売買がしやすかったりと、少額からでも取引を始めることができるため、非常に使いやすいと感じました。

  • 証券口座を色々試す一環として、ロボアドバイザーも利用してみました。これについて詳しく説明しますが、基本的には複数の有名なETFをリバランスするだけで、パフォーマンスもそれほど良くなく、新たな発見もありませんでした。運用手数料だけがかかるため、後に全て解約してしまいました。

  • 学生時代と比べても、年々家賃が上昇していることを実感しています。アメリカの場合、家賃は過去10年の実績を見ると年平均約3%上昇しています。住宅価格は年平均で5%近くの上昇です。株式市場に対して流動性が少なく、価格変動も少ない資産と見られるため、アメリカ人は持ち家を人生のプランに組み込むことが多いです。住宅関連費用の上昇と常に向き合う米国では、給与面や資産運用もシビアにならざるを得ない環境にありました。

  • クレジットヒストリーを築くためにクレジットカードについて調べ始めました。その過程でポイント還元や優待などにも詳しくなり、だいぶ活用するようになりました。急な旅行キャンセルに備え、旅行保険が付帯しているものを使うと安心ですが、使い易さで言うと、旅客機の遅延保険は証明が楽で一番使いやすいかもしれません。クレジットカードの詳細については別途詳しく説明します。

次は、コロナ禍で生活が一変し、仕事の状況や住む場所も変わった2020年の話をしようと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?