サウナの「ととのい状態」を会議でも実現できたらいいんじゃないかという話。

友人にサ道を指南されてからすっかりサウナにはまっています。もはやブームでなく完全に定着した感がありますね。そして質的な向上が最近すごい。新しい施設の計算しつくされたデザイン、サービスなどの体験設計は、サウナに興味がない人もチェックすべきかと思います。

そんな初級サウナーの僕がこないだサウナでととのった時に「あ!」とひらめいたことがあるので書きます。

よく知られた話ですが、サウナで「ととのった!」状態というのは、「副交感神経が優位」でありながら「アドレナリンが出ている」、言い換えると「リラックスしているのに興奮している」、まったく逆のことが同時に起きている、日常だとありえない状態なんです。サウナ→水風呂→外気浴、というジェットコースター的な流れの中で、神経のスイッチとアドレナリンの放出にタイムラグがあることからこうなるそうです。くわしいことはこの本で。

この「リラックスしているのに興奮している状態」ってとっても気持ちがいいんです。お風呂もお風呂上がりも気持ちいいですけどそれとはまったく違う。身体はふわふわ〜としながら目はぱっと開き頭はシャキーンとなるんです。ふしぎな状態。

で、この状態、「頭が冴える」「アイデアが出る」「課題がクリアになる」などなど、仕事にもよいともっぱらの評判です。僕も賛同します。経営者やクリエイターがサウナ好きなのもうなづけます。

そこで思い出したんです。この状態って過去に経験があるぞ。それもサウナ以外で。

それは会議室で起きました。いつもじゃないです。ごくたまにです。ごくたまに「リラックスしているのに興奮している状態」があったのです。そしてそういう時は結構な確率でいいアイデアが出ました。サウナのように。サウナのようにリラックスしているのに興奮している会議ならば、サウナのようにいいアイデアが出やすいのではないか、と仮説を立てました。

でもサウナと会議室はぜんぜん違います。暑くもないし冷たくもないし全裸でもありません。でも確かにリラックスと興奮が共存している会議はあった。あれはなんだったんだろう。どうしたらあの状態になれるのでしょうか。僕はサウナに入りながら考えました。

結論。
リラックスは、心理的安全性がもたらす。
興奮は、ミッションやビジョンの共有がもたらす。

なんだかこの数年よく聞くワードになってズコッとしましたが、つまりこういうことだと思いました。

何でも安心してものが言える場所。ほかの人が自分を認めてくれている場所。自分もほかの人を信頼している場所。失敗してもそれがチャレンジの結果ならば許してくれる場所。そういう場所ではリラックスできます。ひとりで考えていても安心感があります。

そして。どこを目指しているのか、何をすべきなのか。自分もほかの人も、チームみんなが理解していて、そのためにすべきことを各人がやっている。ゴールの喜びをイメージできるし、そこへ一歩一歩近づいているのがわかる。メンバーは興奮を抑えきれません。

このリラックスと興奮は共存します。いい会議や現場をよく「文化祭の前日のよう」と例えますが、それはこの状態を言っているのではないでしょうか。みんなが自分をさらけ出し、ゴールにまっしぐら。そういう場所ではいいアイデアや解決策が出るでしょう。

心理的安全性が大事といってもただのお友達チームではしようがなくて、そこに奮い立つものがないといけない。ミッションビジョンの共有が大事でもそれが生きるのはリラックスできるいいチームあってのこと。

リラックスと興奮。どちらか片方じゃなく、両方あってととのうです。そんなととのった会議をしたいな、チームでありたいなと思いました。

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