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社長の発信力が生み出すモノ Vol.59

前回、新卒採用を始めたことによって、俺の考えの足りなさから
もたらされる組織の未熟さに気が付けたことを書かせてもらいました。

でも、気が付いただけでは、行動しなければ組織は変わらない。  

初めての新卒採用で何とか2名採用はできたものの、
採用出来たら終わりじゃなくて、ただの入り口に過ぎないんだよね~って話を今回は書きたいと思います。

山ほどの課題を抱えていた当時の組織

教育する制度もなければ評価する制度もない、なんか制度って、それらしく言っているけど、そもそも、制度以前に誰が新卒に教えるの?って的な感じの行き当たりばったりだ。

新卒採用だけで、こんだけ組織課題が浮き彫りになるんだから
俺が気づいてないだけで、わが社は山ほどの課題を抱えていた

この山ほどの不足、課題のある会社だからこそ
新卒に限らず、中途採用した子たちも含めて、ほんとに人がよくやめる会社だった

写真_人が去る

当時の退職ケースのほとんどは、退職者からの事前相談などなく、
「次の就職先が決まってるので、いつ何時までに辞めます!」ってな感じの一方的な確定通知ばかりだ。

おいおい! 
入社面接ではそれなりにわが社に入りたいとばかりに
ラブコールしてくれてたのに・・・
辞めるときは こんなにあっさり塩味か!!?

感覚的な言い方だけど、
いきなり付き合ってた彼女に、突然
「新しい彼氏ができたから別れる」って言われるようなもんだ。

「は!?」 
なんだこの糞ビッチは???

若い時の俺は、辞めて行く人たちに裏切られる気分でいた
そんな人たちを当然、気分良く送り出すなんてできないし、
なんなら、失敗してしまえ!とすら思うことだってあった。

今でも小さい男だけど、当時はそれ以上のnanoレベルだった

nano男には、社員の退職理由がいちいち気になるわけだよ。
退職面談で、
給与とか、仕事内容とか、人間関係とか、それっぽい理由が羅列される。
まぁ~いろいろと言われるけど、
もっとも傷つくのは、社長が何を考えているのか分からないと言われることだった。

客先に常駐することが多かった業種なだけに、
ただでさえ俺との接点が薄い
その上、俺が積極的に情報を出すわけでもない。

働いてくれてる社員たちにとっては、
組織のTOPが見えなければ、会社が向かう方向も、経営の健全性も何も見えてこない。
見えない漠然とした不安を抱えたまま 
働き続けることが常態化された組織
だったように思う。

写真_疑問


社員の不安と向き合ってみる

人が不安を抱えたまま、何かに挑戦などできるはずもない。
挑戦ができない環境なんだとすれば、どうやって経験を獲得して
自分の社会価値を高めていくことができるのか?

そういう意味では、この会社に居続ける意味はないと考えるのは至極当然だと思える

付き合ってる男が、何を考えているのか分からないで不安を感じる彼女の心境だ。 
それは、違う男に乗り換えようか考えて当然だ。
少なくとも、社員からしたら、当時の俺は、 
何を考えてるのか分からない男なんだと思う。

たまたま、先輩経営者から
「西田君、経営者は発信力だよ~」と言われ、
苦手意識しかない俺は、社員向けに月2回ほどのコラムを書き始めた

俺が何を考えているのか? 
会社をどうしたいのか?
どういう社員と働きたいのか?
会社の課題とか、社会問題をどう感じているのか?
を書き始めた。

写真_書く

書き始めたら書き始めたらで、  
社員に馬鹿だと思われたくないから、
俺は知ってるぜーとばかりに数字データっぽいの調べてきて書いてみたり、
偉人の名言を持ってきたり、どっかのイケてる記事をさも俺のオリジナル化のように書き直してみたりと、
盗作・引用バリバリだった

書けば書くほどいかに自分に考えがなくて、
無知だったのか、それがよくわかった時期だった。
逆に言えば、コラムを書き始めたのが切欠で 
盗作・引用するための調べ物が、結果として俺の知識になったことは確か
だ。
意図はしてなかったが、いわゆる 
インプットとアウトプットを繰り返しだからね。

クレイジーケンバンドが流行ってた時期だったから、
俺が書く社内コラムは 「社長の俺の話を聞け!」というシリーズとして、
社員の漠然とした不安を取り除く目的で11年前に書き始め、
それが5年ほど前から「しゅういち社長」シリーズに進化し、
毎週書くことになり、今ではこのnoteになった

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社長は発信力・・・
結局、社長としての俺の考えを山ほど社員たちに発信させてもらったことによって、
社員不安が減ったのは確かだけど、
辞めて行く社員たちの離職理由が、
社長ではなく「会社がどこに向かっているのか、わからない」に言い方が変わっただけだった。

それで分かったのは、
男女の別れる理由なんて、どんな言い方でも 
方便なだけで、あまり気にする意味がないということだ。

分かれるメッセージなんかより、別れる行動そのものが「あなたが、私にそぐわない」というメッセージなんだからね。