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ちょっとだけ忙しい日々

学生だからって毎日が暇ということもなく、
就活のために様々な企業にアプローチをかけ、
かたわらバイトをして金を稼ぎ、
将来必要になるからと
免許を取るために教習所に通い、
さらに落ち着いてできるのは今だけだと
音楽もやっている。
「なにもしない」ことが
割と楽しい僕からしたら
こういう日々はあまり好きではない。

しかし、頭の中で大暴れしていた輪郭のない憂鬱が
汗と一緒に流されていくので、
ぼんやりと人生が嫌になることはなくなった。
暇になると思考が暗くなる自分みたいなタイプは
まず目の前のことに集中して、それを忘れるしか
ネガティヴを切り離す手段を持ち合わせていない。

娯楽というのは忘れることだ。
目の前のグラスを開けることに意識を向けて
憂鬱をかき消す人もいれば、
口の中の煙を吸ったり吐いたりすることで
ため息を少なくする人もいる。
落ち着く時間が増えれば増えるほど、
冷静な思考が「できてしまう」。
賢くなると、
自分がいかに不幸かを測れる物差しが
どんどん増えてしまうのだ。

人間が幸せになるため方法の中で
一番簡単なのは愚かでいることだ。
今まで不幸だった時間の自分は賢かったなんて
傲慢なことを言うつもりはないが、
少なくとも賢くあろうとしていた。
しかし、人間はどれだけ賢くあろうとするほど
自分のたりない部分にばかり目がいく。
そんなのは疲れる。
人間は目の前のことに
一生懸命になるくらいでいいのだ。

昔はネガティヴだった自分に誇りを持っていた。
今でも自分はネガティヴだと思うし、
その誇りもニスが塗ってあるかのように
ギラギラと輝いている。
しかし、人間はある面だけが全てではない。
人生という双六を進める上で
自分というサイコロが1面だけでは
1マスずつしか進めない。
いくつもの自分の側面を持ち、
柔軟に生きることで
スムーズにマスを進められるのだ。
今後懸念すべき点は、
「不採用通知」というクッパマスを
踏まないことに尽きる。

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