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わたしを構成する惑星

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#現代詩

冬凪

冬凪

四度目の冬に
はじめてまぶたをひらいた
はじまる瞬間を
見逃さないように
濃い影を
ますます濃くして息する

触れていく突端が
どれもあたたかくて
すべて きらいだ
白い白い布に映った
枯れた木々たちの
葉がこすれて
さんさんと鳴って
息が白くなって
はっきりと敵意を知った

隣で眠るあなたの
安心しきった顔を
崩したいと 願う
首に手をかける
果てまで重なって
すべて 望むから
すべて 叶わない

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塩の柱

雲の高度が
おそろしく低い
きょうは月曜日

湾のそばに
点在する小さな集落と
時間の止まったような船着き場
海岸線が襞をなして
ひたすらに続いて
神様と猫のすむ島
風がやさしいけれど
決して ふりむいてはいけない

さまざまな形の器に
人の 植物の 獣たちの
呼吸が根付いて
どれも いつか傷んでなくなる
いままで
つたない泳ぎ方で
生きてきた
上手に泳ぐ必要なんて
いままでも
これからもなかった

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半島の青

束ねた髪をほどいて
空港に降り立ち
メール画面をひらいて
息災をつたえる

入り江に風がわたり
青いガラスのように
湖も冴えている
水辺のコテージで
半年の空白を
なぞるように
斜めの角度で笑ってみせる

未明に目を覚まし
窓を開けたら
風が潮をいざなって
素肌へしみこむ

小火のような痛みが
やがて燎原の火となり
わたしを滅ぼすまで
オルゴールは鳴りつづける

わたしを構成する惑星

なくなった会話の隙間を埋めるように
比喩だけを頼りに
横断歩道の白を選んで歩く

あなたの猫背に急かされて
嵩張った髪を間引いて
わたしは低空飛行をはじめる

たくさん失う
わたしの星を数えて
(遠くで踏切の鳴る)
、だから二日ぶりの雨が
 慰めにすらならないと知る

息絶える夜を見送って
出口に逆らって
電車が夏を産む

枯れ草のように乾いた髪を梳くたび
いとおしく思う
春が滅んでいく

*『現

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