半島の青

束ねた髪をほどいて
空港に降り立ち
メール画面をひらいて
息災をつたえる

入り江に風がわたり
青いガラスのように
湖も冴えている
水辺のコテージで
半年の空白を
なぞるように
斜めの角度で笑ってみせる

未明に目を覚まし
窓を開けたら
風が潮をいざなって
素肌へしみこむ

小火のような痛みが
やがて燎原の火となり
わたしを滅ぼすまで
オルゴールは鳴りつづける

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