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アニメ:RD 潜脳調査室 レビュー

【目次】

ごあんしんください
本稿は、出来る限りネタバレ回避にて記述しております。
若干、説明がふんわりした向きもありますが、どうかご了承ください。
重大なオチのネタバレはありませんから、安心して見てくださいネ☆

5.RD 潜脳調査室
【海が……燃えている……!】

攻殻機動隊と共通の世界観(電脳社会)をモチーフにした近未来SF作品。
高度なネットワーク『メタ・リアル』を海として表現しているのが特徴。
主人公は何と、81歳の老人(!?)かなり挑戦的な物語です。
作中のコメンタリーで『悪い人の居ない世界を描きたかった』と制作の方が述べられており、独特の空気感が作品の節々に満ちております。

なぜかED動画。OPの動画がどこを探しても見当たらなかった(汗)
このLAST ALLIANCE『片膝の汚れ』は中々に素晴らしいロックチューン。
……だけど、EDだと全く内容が伝わらないな!(苦笑)
海洋生物たちは、作中で核となる海のイメージを狙ってのことでしょう。
作中において、かようなリアル生物たちの多くは死滅しているのです。

あらすじ
2061年、人工島。波留真理(ハル・マサミチ)は81歳、下半身不随の老人。
2012年のある日、彼は海洋観測中に『地球律』と遭遇した。
海が、燃える。地球の鼓動に触れた彼の胸は、無惨に焼け爛れてしまった。
そして昏睡。49年後に目覚めた彼を出迎えたのは、変わり果てた世界。
かつて海を愛した男は、電脳化した老体で、海を知ろうともがき続ける。
……そして、浦島太郎は少女と出会った。

恐らく、今回ご紹介してきた5つの中で、最も説明の難しいアニメですね。
I.G制作でSFだっていうから、もっとハードな世界観かと思いきや……。
全く意外だったことに、バトルで引っ張る作品じゃないんですよ。
アクションはあります、それなりに。徒手格闘シーンはかなり見所です。
しかし冒頭も述べた通り、明確な悪役が居ないというのがポイント。
終盤に進むに従って、その所為で微妙に像がブレ気味だったというか……。

一言で言えば、意外にこぢんまりした作りだったなァ……という感じ。
老人×少女というバディをガッチリ決めて、その周囲で何か起こすという。
場所があちこち飛ぶのかと思いきや、あくまで人工島の話なんですよね。
特に前半は、1話完結の連作ドラマを見ている感じでした。
とにかくヒューマンドラマ。始終ほんわかして、危なげないムード。
アクションに入ると、キレのある格闘を見せてくれるという懐の深さ。

何というかもう、色々と業が深いんですよね(笑)
上山徹郎さんの手による、ムッチリワガママボディの女性たち!
ある一人の女性の容姿を元に作られたアンドロイドとか(!?)
毎回ぐらい、キャラの服装が変わっているのは拘りを感じられます。
いいですよね! いつも同じ服を着てたんじゃつまらないし。

ウェットスーツ姿の(30代)波留さんの筋肉……ウホッ、いい男……。
唐突に出てくる女の裸! 心霊回でのクラスメート2人の恐怖顔!
色々と、変な性癖に目覚めそうになります……ああ、業が深いぞ……。
12話の大天使・エイミーちゃんの可愛さ(顧客が本当に求めていたもの)
なんで1回切りの登場だったのか。あ~勿体無い!

なんか総じて、とっ散らかっているようでそうでないんですよね。
作風に確固とした芯というか、制作陣の信念めいたものを感じます。
因みに作中のテーマは『つながり』。世界は海で繋がっている……。
しかし最終話に至るにつれ、無理に話を終わらせようという感が。
色々と強引な展開というか、キャラの動きが予定調和になったのが残念。

それにしても、今回も声優陣の好演が楽しめます。
重要人物の役で、藤原啓治さんの声を堪能できたのでお腹一杯。
勿論、主役の老人×少女コンビも負けておりません!
老人・波留真理役の森巧至さんは、30代と80代を演じ分ける技量の深さ。
直感少女・蒼井ミナモ役の沖佳苗さんも、初出演ながら素晴らしい演技!
脇役の契約ダイバー兄弟が飄軽な役柄で、物語に華を添えます。

【終わりに】

というワケで、今回はアニメ『RD 潜脳調査室』の紹介でした。
ん~まあやりたいことは分かるんだけど……ラストの展開だけはねぇ。
キーワードの『地球律』を、全編に渡って追ってくれたら良かったとも。
ストーリーの都合で、キャラを動かし過ぎた風にも見えるんですよね。

SF作品は世界観の説明……というのを、良くも悪くも地で行った作品です。
電脳社会で何が起こるかを、様々なテーマから多角的に掘り下げた感じ。
熱いバトルや殺し合いとは真逆の、心温まる物語を楽しめます。
しかし格闘シーンの熱量は本当に凄い!(時々しか出てきませんけど)
物語の核心であるメタリアル・ネットワークの描写は一見の価値アリ!
海の描写に気合い、入ってますよ。ダイビングに興味が沸きますね~。

取り敢えず、今回はこんな感じでどうでしょうか?
随分前にさわりを見ただけなので、今回腰を据えて視聴できて良かった。
やはり、物語はバトルだけではありませんね(ある意味自然との戦いか?)
皆様もぜひ、このアニメの業の深さをその目でご覧ください(笑)

From: slaughtercult
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