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オカダマニラでFIRE!!!———企業の価値とは



今回は、先週の衝撃ニュース、岡ちゃん復権か?の続編です。


私のこのクソ記事に遅れること2022年5月17日にタイガーリゾーツ社と親会社のユニバ社がようやくリリースを出しました。


タイガーリゾーツ社のニュースリリースより


日本語訳はユニバ社のIR「フィリピンでの訴訟に関する対応についてのお知らせ」よりご覧いただけます。


内容は、外部の素人の私が書いたこととほとんど同じですね。

超要約すると、

・岡ちゃんの解任問題は日本国内でしか判断できない
・日本の最高裁の最終判決は解任は合法、妥当
・フィリピン一審二審でも同じ判決
・オカダマニラには全く影響ないから心配すんな

ということでした。

非常にセンシティブな内容であり日比間の調整もありいろいろと制約があるのでしょう。しかし、リリースが遅れたことにより株主へ不安が広がり、米国市場のベアトレンドと相まってユニバ社の株価は暴落し一時S安に。株式価値の毀損は200億円以上となりました。


本日はこの事象をみるにつけ、IR活動と企業の価値をテーマに書いてみたいと思います。


1.IR (Investor Relations)活動のメリット


IR(Investor Relations)活動とは、投資家や株主(ステークホルダー)に向けて企業の経営や財務状況など投資判断に必要な情報を随時、公平に、継続して、提供する活動です。

IR活動をするメリットを挙げてみると、

①ステークホルダーとの関係を良好に築くことにより資金調達がしやすくなる

②ステークホルダーからの意見を聞くことにより経営へのフィードバックが期待できる

③情報の透明性を図ることにより株価のボラティリティを抑える

④企業を応援するファン(長期株主)を増やせる

⑤企業ブランドを創出する

ということでしょうか。少ない投資で価値の最大化を図ることができる企業にとっていい事尽くめの活動です。経費はかかるでしょうがン十億の役員報酬に比べたらデメリットにすらならないですよね。

IR活動に積極的な企業の株価は相対的に高くなる傾向があるのは周知の事実です。株は美人投票ですから人気のある企業=みんなが欲しいと思うものの値段が上がるのは商売の大原則ですね。

一般ユーザーや消費者に向けて行う広報活動と違って、最も大事なことは、企業や投資家にとって、


良いことも悪いことも継続的に情報発信をし続けること


なのです。

2.ユニバ社のIR活動


ユニバ社株主に人気(賛否両論?)の株主優待もこのIR活動の一環と言えるでしょう。私も長年の株主なのでちょっとしたエンターテインメントを毎年楽しみにしていますし、ファン株主の獲得に少なからずつながったものと思っています。

また、2019年からカジノリゾートの月次実績の速報をあげていました。私はこれも株主にとってとてもよい取り組みだなと思って高く評価をしていました。当時、毎月上がってくる速報を心待ちにしていたのをよく覚えています。今思えば社長も自信があったのでしょう。しかし、コロナ禍でカジノリゾートの売上が絶望的になるとさっさと開示を中止してしまいました。

都合の悪いことを開示しないと投資家は疑心暗鬼になり、資金をさっさと切り上げて別の投資対象へ資金を移動していしまいます。未曾有のパンデミックだからこそ、情報を出し続ける必要があったと思います。


今回の岡ちゃん復権ニュースに関する対応も同様です。ユニバ社にとって最優先で最重要インシデントですし、経営権を取り戻したい岡田和生氏陣営の活動なのはわかりきってるのですから、遅くとも翌日にはリリースが出せたはずです。

翌週になって重い腰を上げるようにわかりきったリリースを開示するのは、投資家、少数株主を軽視していることの証左ではないでしょうか。

親会社のオカダホールディングスがユニバ社の2/3以上の株式を保有しているので、事実上岡田和生氏のご子息岡田知裕氏の信任が有れば、役員人事を含めた株主総会の議案はすべて通り経営は思うがままです。短期的にはなんら影響はないようみえますが、長期的には様々なイベントが発生しるわけで、今回のように資金調達の多様化が必要となったりするわけです。

おそらくジェイソンエーダー氏は今回の親会社の対応に歯嚙みしていることでしょう。SPAC上場に向けて築いてきたオカダマニラのブランディング戦略が台無しになるところでしたから。


3.フィッチ・レーティングの格付け


そんな中、フィッチ・レーティング社からユニバ社のレーティングが

CCC- → B-

にアップグレードされたニュースが飛び込んできました。



トリプルAAAAが最高位で、トリプルBBBBまでが「投資適格」、ダブルBBB以下は「投機的格付け」とされています。詳しくは以下に転載します。


AAA: 最も高い信用力 
デフォルト・リスクが最も低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力が極めて高い場合 に付与される。予見し得る事由がこの能力に悪影響を与える可能性は、非常に低いと考えられ る。

AA: 非常に高い信用力 
デフォルト・リスクが非常に低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力が非常に高いこ とを示している。この能力が予見し得る事由によって著しく損なわれることはないと考えられる。

A: 高い信用力 
デフォルト・リスクが低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力は高いと想定されるが、 経営又は経済環境の悪化がこの能力に及ぼす影響は、上位格付の場合より大きくなり得る。

BBB: 良好な信用力 
デフォルト・リスクが現在は低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力は概ね十分にあ ると考えられるが、経営又は経済環境の悪化がこの能力を損なう可能性がより高い。

↓ここから下は投機


BB: 投機的 
特に経営又は経済環境が時間の経過と共に悪化した場合、デフォルト・リスクに対する脆弱性が 高まることを示す。ただし、債務履行を支える経営又は財務の柔軟性は認められる。

B: 非常に投機的    (←いまココ!!!
重大なデフォルト・リスクが存在するものの、債務履行に関する安全性が限定的ながら残っている ことを示す。現時点では、金銭債務が履行されているものの、継続的履行能力は、経営・経済環 境の悪化に対し脆弱である。

CCC: 相当重大な信用リスク 
デフォルトが、現実の可能性として認められる。

CC: 非常に高い水準の信用リスク 一定のデフォルトが起こる蓋然性が高い。

C: デフォルトが近い状態

D: 債務不履行

なので、ユニバ社の株を保有することは非常に投機的だと見做されます。名は体を表すじゃないですが、会社そのものを表していてある意味清々しいですね。

今回の格付けのコメントで有用な情報をいくつか抜粋してみましょう。

IR事業の緩やかな回復:フィッチは、比較対象となる世界のカジノ市場に関する想定と同様、2022年のIR事業の売上高がパンデミック以前の水準の約80%となり、その後2023年にほぼ完全に回復すると想定している。他方、マニラにおけるUEのIR事業はフル・スケールでの営業実績はなく、パンデミックにより海外から多くの旅行者を受け入れることもできていない。また、現在までの業績の回復はフィリピン国内の顧客により支えられてきた。フィッチは、来場者数並びに売上高及び利益の伸びに本格的な回復が見られた段階で、予想を見直すことを検討する。
不安定な遊技機事業:不透明な最終市場の需要を背景としたパチンコホールにおける遊技機の入れ替えサイクルの遅れと、世界的な半導体チップ不足により生産が制約される可能性を踏まえ、フィッチは遊技機事業に対しても慎重な見通しを維持している。それでも、同事業は財務面では自立しており、IR事業の建設及び運転資金等の資金需要を負担し続けてきた。一方、同事業の業績は不安定であり、予測が難しい。フィッチは、UEの遊技機事業の売上高は2022年に2020年の水準(過去4年間における同事業の売上ピーク)に回復することを予想している。
カジノの完成により設備投資負担が軽減:フィッチは、3,350億円のIR施設の建設が完了し、2022年及び2023年の設備投資総額はそれぞれ150億円及び80億円になると想定している。これは、2018年~2021年の設備投資総額1,000億円に比べて大幅に少ない。この想定に基づき、フリー・キャッシュ・フロー(FCF)は2022年には小幅な赤字となり、その後、売上高の増加、コスト削減及びIRの完成により2023年以降は黒字に転換するとフィッチは予想している。
カジノ上場に対する中立的な見方:UEは、同社のフィリピン子会社であるOkada Manila International Inc.(OMI)を、ナスダックに上場する特別買収目的会社である26 Capital Acquisition Corp(26 Capital)と合併する手続きを進めている。UE及び26 Capitalは、2022年6月末までに合併を完了することを目指している。本件合併が実行された場合、UEはOMIによる資金調達を通じて、資本市場での資金調達への新たなアクセスも確保することができる。しかし、資金調達面での利点が具体化するまでは、上場による格付への影響は中立的である。
先送りされた満期の圧力:米ドル建て債券の借り換えにより、UEの当面の借り換え及び流動性の問題は解消された。これらの問題は、2021年には格付の主な制約要因であった。2021年12月満期の1億1,800万米ドルの担保付普通社債は、米ドル建て債券の追加発行による調達資金をもって償還された。借り換えリスクは、総額7億8,400万米ドルの債券の満期が到来する2024年12月11日まで先送りされた。これにより、UEの資金調達は米ドル建て普通社債に大きく依存する一方で、満期の集中に対処する柔軟性と時間を得たとみられる。

とはいえ、2024年の債務償還の負担を緩和させるような債務の一部返済、負債性資金調達による期限の分散、また、信用プロファイルを維持していくための新たな資金源の確保など具体的な進捗や施策がない場合は、格付に下方圧力を与えることになる。
ユニバーサルエンターテインメントを「B-」に格上げ、格付アウトルックは「安定的」
フィッチ・レーティングより


けっこうポジティブなコメントがならんでいるように感じてしまいますが、不確定要素が多いこととやはり高金利の社債がネックで格上げしても「投機的」という評価です。長年ユニバ社の株主を続けているとこんなのリスクのうちに入らないと思うのは頭がどうかしてますね。とにかく、SPAC上場による資金調達が最重要ミッションであることがよくわかります。


4.まとめ


企業ブランドは資産であり、企業の利益や競争力の源泉です。ブランディングによって企業ブランドを高めることで、ステークホルダーから評価と信頼を得ることができ、IR活動を積極的に行うことで1.で先述の①~⑤の効果が期待できます。ただ一朝一夕にはできずブランドの形成には時間がかかりますが企業の不祥事に見られるように一瞬で失います。

企業活動がわかりやすく透明性があり、株主との信頼関係が築けているか?



安く見積もっても事業価値3000億円のカジノリゾートを保有運営してしかもパチスロを製造してる企業の時価総額が1500億円。

お買い得なのに誰も買いたくない。

私の意見ではなくて、PBR0.43 という指標が雄弁にその事実を物語っています。

IRの未熟さが巡り巡ってSPAC上場に直結することに気づけていないのか、できないのか。


、、、今回はガラにもなく批判的な内容になってしまいましたが、オカダマニラに対するポテンシャルの高さと将来性を誰よりも理解しているからこその提言です。

ユニバーサルエンタテインメント社はその名の通り「楽しい!」を提供してお金を稼ぐ総合エンターテインメント企業です。楽しくないことは誰だって知らせたくないですが、投資家とのやりとりを通じ透明性を図り企業価値を高く保つことが何より重要なのです。


5.本日のオカダマニラ


オカダマニラの全天候型エンターテインメントドーム、コーヴマニラでまたまたミスコン(ミスワールドフィリピン)のイベントが行われているようです。フィリピンではけっこういろんなミスコンが頻繁に開催されていますが、日本では大々的にミスコンが報じられることは少なくなったような気がします。ルッキズムとか女性品評に対する批判は一定の理解ができますが、うわべだけの平等や価値観の多様性を優先し競争を避ける社会は衰退をたどります。フィリピンのような勢いがある国は良いことも悪いことも飲み込みながら否が応でも成長していきます。羨望は経済の源泉です。




6.本日のFIRE


今夜は、社畜で遅くなったので神田にあるグレビーへ。注文したのは、今まで食べた中で一番うまいと評価しているダルバートです。チキンはちゃんとタンドリーしてるし、塩加減も絶妙、野菜も少しずつ色とりどりで実にバランスがよく、食べてて本当に楽しい一皿。
私の珠玉のインスタカレー投稿の中で唯一重複してるカレー屋で、それくらいハマってます。
いつも夜はがら空きなので足繁く通いたい。



当ブログでは全国の、特に東京の本当に美味しいカレー屋さんを感謝と応援の気持ちを込めて紹介していきます。社畜の私はカレーに救われて、癒されて毎日を生きています。あんまり難しいことは考えず、んまそう!と思ったら是非お店に足を運んでみてください。





当ブログに掲載されている事項は、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資は事故責任ですね。


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