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【推し活】伝えたい想いは溢れるのに

1ヶ月ぶりに公開練習に行ってきた。いつもより少し遅めの電車に乗り、グラウンドへ向かう。駅に着いて、風が強い中歩いていく。
グラウンドについて、練習を見るが内容については割愛。書いてしまうとルール違反なので、そのうちアップされる公式のyoutubeなどを待っておいて。

代表ウィークということで、しばらく試合がないので先週末の試合の後は3日間のオフだった。そのオフ明けのトレーニングは、いつもどおりの明るさだった。選手たちはこの前の敗戦から切り替えているから、来週末のクラシコ(vsFC東京戦)が楽しみだ。

練習も終盤になる頃、上の坂道に人が集まり始めた。ファンサービスを受けるべく、列になっているのだ。間もなく、スタッフさんから今日のファンサービスについてのお知らせが出される。
この日は『サインか写真、どれか1点』だった。

スタッフさんがうつりこんでて、ごめんなさい

同時に『私物を選手やスタッフなどに持たせないでください』という張り紙があった。そういや、前回見に行った時に、選手と自撮りしたい人たちがスマホをもたせてた例を多くいたよなって。壊れたときの保証など出来ないということなんだろうかね。

選手たちが続々クラブハウスに戻ろうとして、ファンサービスをしていく。アイドルの握手会みたいにレーンが組まれている感じで、人の列に沿って選手たちがサインや写真に応じていく。私は殆ど持ってきてないので、スマホで写真撮影をお願いすることが多い。

遠くで、推しがいるのに気づいた――

自分の番になって、ファンサとして写真撮影をお願いした。
シャッターボタンが震える。緊張する。
「ありがとうございました」
それをいうだけで精いっぱいだった。頭の中で「あれを話そう」と思っても、ほとんど喋れずに終わってしまう。何も出来ない状態に等しい。

ファンサが終わって、グラウンドをあとにする。坂道を降りて、駅に戻る。そして、駅から電車に乗ってメールを見る。推しつながりの友達からで、返信する。

その後、自宅に戻ってちょっとだけ考え込んだ。ファンサを受けてるのに、上手に返せない。「お願いします」「ありがとうございます」ぐらいしかいえない。そこから先が進めないのだ。
もっと話せたらよかった。オンラインつながりの●●さんはフランクに喋れるのに、と――そんな感情がわいて、自己嫌悪に陥る。
モンモンとして、不安になって、自信がなくなって……何も出来なくなっていた。単なるヤキモチなんだろうけど、このモヤモヤはなんだろう。

そんなもやもやを抱えながらぼんやりと時間を過ごしていると、推しがSNSを更新していた。
『会いに来てくれた方、ありがとうございました』
昔の写真に添えて、そう書いてあった。
思わず「今日はありがとうございました。なかなか喋れなくて」とコメントを残す。思うように話せない感情をちらりと残す。
可愛くない。最低。
同時に、何かがこみあがってきた。

それは悔しいという感情なのかもしれない。
自分の自信のなさかもしれない。

ちゃんと話せるようになるのっていつになるんだろう……?

――自分がますますイタイ人になるんじゃないかって、不安だけが強くなっていった。

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