【私の感想 #16】『その怪文書を読みましたか』イベント感想!
ドーモ、透々実生です。
ということで今回は、イベントレポです。
題は、『その怪文書を読みましたか』。ホラークリエイターの梨さんと、株式会社闇さんの共同プロジェクトによる、怪文書展示イベントです。
もう一度言います。
怪文書展示イベントです。
こんな日本語見たことない。
ということで、早速感想を書いてゆきます!
※注:この記事には、イベントに関するネタバレと、ちょっとした私の考察があります。
事前情報なしで楽しみたい方、「その前に自分でも考察したいからちょっと待って」という方、平和に日々を暮らしたい方は、ここから先をご覧頂くのはご遠慮下さい。「そんなの関係ないぜ!」「お前の考察が気になるぜ!」という方はこのまま読み進めて下さい。
※↑よく読みましたか?
では、続きをどうぞ。
怪文書とは?
まずこのイベントにおいて、『怪文書』は、次のとおり定義されています。
まあ、いわゆる「電波」を感じる文章、ということです。例えば秋葉原にある、『怪文書自販機』の文章が良い例でしょう。詳しくは下記の記事を参照下さい。
こちらのイベントでは、主催であるホラー作家・梨さんが収集した、いわゆる「電波」な文章がたくさん貼られています。撮影した画像を貼りますので、どうぞごゆるりとご覧あれ!
(ちなみにこちらのイベントは、撮影は基本OK、一部を除いてSNSなどへのアップロードOKの、非常に寛容なイベントになっています。)
「妖精さん」を媒介とした『怪文書』の再定義
こちらのイベントの醍醐味は、こういう非日常的な文章を目にし、他では得られない、得体の知れなさに対する恐怖心や好奇心を得ることにもあります。
しかしこのイベントには、もうひとつ、醍醐味があります。
実はイベントホームページには、先に引用した定義に続けて、こう書いてあるのです。
こう書かれている通り、怪文書には一定の共通点があります。如実に分かるキーワードが、「妖精さん」です。
怪文書の断片、断片に、「妖精さん」が登場します。それを纏めるとおおよそ次のような存在だとされています。
そしてこのイベントでは、上記画像「妖精さんの特徴①」にもある通り、「この『直截的な理解が不能な妖精さんの言語、思想』を、一般の人(つまり、私たち)が理解できるように、ある特定の人々が言語化を試みたもの」を『怪文書』と再定義しています。
そして、直截的な理解が不能な言語を無理やり言語化しているために、既存の文法や論理性を超越してしまい、結果的に「一見すると意味の分からない文章」=怪文書になってしまっている、と定義を補強さえしているのです。
これは非常に面白い試みであり、考察が捗る上手い仕組みだと思います。イベントとしては結構小さいブースなのですが、ものすごく満足感が高かったです。
「妖精ともの会」という存在
ところで、何故このように、共通項の見出せる怪文書がものすごい量集まっているのか? ここもきちんと随所随所で匂わせてきています。
私が考えるに、その理由は、『妖精ともの会』という謎の組織が大きく関わってきています。
特に、2枚目画像の関係図が1番理解の助けになります。
関係図を元にすると、元々、妖精さん(という上位存在)がいて、その言葉を聞いたりした人が何とかその意思を言語化しよう(何故なら、妖精さんは人々を導く存在であるからである)と怪文書を書き、そして一般の人々に広めようとする――こういう構造であったと思われます。
しかしこれでは、この「ありがたいお導き」に触れられる人が限られてしまいます。
「それはなんと勿体ない!」ということで、妖精さんのお導きをよりスピード感をもって広められるよう、この『妖精ともの会』があると推察します(パンフレットにある「意思疎通のできない日々にさようなら」とは、そういう意味だと思います)。
また、恐らくこの会の人々も、いわゆる怪文書作成者(=妖精さんのご意志を感じられる人々)であり、その取りまとめをしているのでしょう。だから、あの図の中で、妖精さんと怪文書作成者の間を取り持つような立ち位置にいるのです。
そして『妖精ともの会』は、「ありがたいお導き」に触れられる人を増やすことを目的に、一般の人々に「当選通知」を送り始めています(と、私は推察します)。
それがこちら↓
まあ、これだけであれば何らの害はないように見えますが、この認知をした時点で、妖精さんの姿が徐々に認識でき始めるのでしょう。そしていつの間にか、自身も怪文書作成者となってしまう。
それが如実に分かるのが、このYahoo知恵袋と思しきサイトに投稿されたこの質問です。
きっとこの人には、「妖精さん」が『見えてしまった』のでしょうね。
そして、当怪文書展に怪文書が沢山展示されていることから察するに、『妖精ともの会』による「妖精さん」認識の拡散スピードは凄まじいと思われます。もしかすると今日もどこかでせっせと当選通知を送りつけ、「妖精さん」認知を増やしているのでしょう。
……あれ?
ということは。
このイベントで「妖精さん」を認識した私も、ヤバイのでは……???
ま、いいか!
ということで、考察はここら辺で終えようと思います。
他にも、怪文書を堪能できる仕掛けがたくさん!
さて、このイベントには他にも色んな面白い仕掛けがありまして。
例えば「交感ノート」(誤字ではありません。いわゆる「交換ノート」)が置いてあって、感じたことや考察を参加者が書けたり(しかも結構レベルの高い怪文書が書かれていたり)。
例えば「怪文書ガチャ」が置いてあったり(怪文書ガチャって何だよ……)。展示されている怪文書(と、梨さん直筆怪文書というシークレット)が手に入れられるガチャです。私は無事シークレットを手に入れました! いえい!
例えば、「怪文書フォーチュンクッキー」が売ってたり(だから怪文書フォーチュンクッキーって以下略)。私は買いませんでしたが、フォーチュンクッキーのようにクッキーの中に怪文書が入ってます。……それ、本当に「フォーチュン」ですか???
そして何より、怪文書を作れる! 初めての人でも安心できるように、穴埋め形式になっており、更に穴埋め部分に選択肢が提示されてるので、選択肢を選んで書くだけで、あら不思議、お手軽怪文書の完成! これであなたも怪文書作成者の仲間入りです。(ちなみに選択肢に沿わなくても勝手に造語して問題なし。)
折角なので私も作成してきました。怪文書。難しいですね。初心者なので大目に見て下さいな。
そして土日なので、混雑緩和のため1時間の時間制となっており、色々見てたらあっという間に退出時間に。最後に「交感ノート」に一筆して帰りました。楽しかったです。
以上で、イベントの感想は終わりです。
総論として、めちゃくちゃ楽しかったです! こういうホラー系のイベントはワクワクするのでとっても良いですね……!
またこういうイベントがあれば、参加したいものです!
……ところで。
こちらの怪文書、電話番号が途切れているのですが。
なんと会場には、電話番号が書いてある完全体が掲示されていたのです(アップロードNGのため、気になる方はイベントへおいで下さい!)。
ということで。
電話するしか、ないですよね!!
で、電話してみました。
自動音声が、聞こえてきました。
…………………。
あーあ。
(おわりです)
(ちょっと怖がらせちゃいましたが、とっても楽しいイベントです! 横浜で開催されてるので、首都圏近辺にお住まいの方はぜひ来てください! ぜひ)
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