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【連載小説】0n1y ~生物失格と呪われた人間~

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人間というのは随分と身勝手だ。 自己中心的で自己満足的で自己保身的で自己保存的だ。 自分が一番可愛くて、そんな自分を穢されるのが許されなくて、他人を貶して貶める。 その貶し貶めが…
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2021年9月の記事一覧

小説『生物失格』 1章、英雄不在の吸血鬼。(Epilogue)

小説『生物失格』 1章、英雄不在の吸血鬼。(Epilogue)

1話目はこちらから。

Epilogue:目が覚めるとそこは。「……おおぅ」
 白い天井、白い蛍光灯。
 見慣れているが、見慣れるべきでない光景だった。隣にはカルテのようなものを持っている医者と看護師が立っている。
「なんだ、もう目が覚めたのかね」
 医者が口を開いた――名前は確か、天荒良辞だったか。名前であまり呼んでないからうろ覚えだが、多分そうだった筈だ。
 しかし、だ。
「……まるで目覚めて

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