見出し画像

キッズキッチンレター3月号

写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟

鹿児島に行く機会には残念ながら恵まれていないのですが、鹿児島からは美味しいものがたくさん来ていました。特に選んで買っていた鹿児島のものは、芋焼酎と豚肉です。昔、子供の頃、豚肉は肉屋さんで鹿児島のもち豚を買っていました。生活圏内にスーパーマーケットが何件も建って、便利になっても、そこのお肉屋さんに行っていました。残念ながら地震で潰れてしまいました。焼き豚やとんかつ、しゃぶしゃぶ、豚まん(肉まんのことです)、いつものご飯には豚肉が共にありました。肉はクリスマスなどの特別の時の食べ物でした。豚肉も肉やん、いわれるのですが、関西人にとって肉といえば牛肉です。今はもちろんそんなことがありませんが、父母世代(現在70代後半)以上にとっては、単純に「肉」といえば牛肉以外ありません。鶏肉は「かしわ」でしたし、豚肉は豚肉です。そして豚肉はも鹿児島県産の黒豚に限ると言われていました。さつまいもを食べているので脂肪に甘味と旨味があって美味しい、ということでした。塊で買ってきたものを1cm〜1.5cmぐらいに分厚く切って揚げるとんかつは、思春期によく作った味です。(とんかつの作り方)そして脂たっぷりの肉を炊くとき、焼酎は欠かせない調味料でした。鹿児島の豚肉には、鹿児島の焼酎が1番。皮付きの豚肉の時は、焼酎をちょっと入れた湯で茹でてから、焼酎と醤油と黒砂糖、生姜とネギと水を入れて煮込みます。トンカツに比べると煮る時間がかなりかかるので特別な時に作るおかずでした。ちなみに、さつまいも自体は、近所に鳴門(徳島県)という産地があったせいか、芋自体はあまり入ってきませんでした。
 もう一つの食べ物はへちま汁です。へちまの味噌汁で、素麺と合わせて食べていました。これも祖母がへちま水を取るためにへちまを育てていました。最初の頃はなりっぱなしなので、九州では食べるんだって、と言いながらへちまをくれました。ツルッとした食感と味が美味しいさっぱりとした夏の味です。

そしてもう、うちでは誰も吸っていませんが、たばこも有名な産業でした。祖父は煙管を吸っていて、国府のたばこが好きでした。たばこは今でこそ健康被害がはっきりしており販売が縮小傾向にあります。そもそも、たばこはタバコというナス科の植物からできています。乾かしてから、選別・熟成を経て、刻みんで、私たちが知る「たばこ」となります。植物ですので、日当たり、水の量、肥料、そんなところで匂いが変わります。香りが良いと評判だったそうです。

鹿児島には行ったことがないものの、鹿児島のものを想うと、祖父母や父母と暮らした日のことを懐かしく思い出します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?