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キッズキッチンレター7月号

 今月のキッズキッチンのテーマは「かいそう」です。恥ずかしながら、ずっと「海の草でしょ!」と思っていましたが、なんとかいそうは海草ではありません。海草も存在しますが人間はほぼ利用しておらず、人間が食べるのは海藻、海のモ、なんです。藻は胞子で増えて、種はありません。根っこもなく茎もない。その形は様々で「藻」という存在であり、光合成するいきものと言うのが共通点であり、今後未来ではまた名前が変わってくるのかも知れません。

そんな不思議な分類の藻、日本人はよく食べます。のり、わかめ、コンブというおなじみのものから、もずく、アカモク、ふのり、あおさ、ひじきと、「海藻?そんな食べないよねえ」という人も意外と食べています。

 中国で暮らしていた時に、ヨウ素不足が問題になる地域があることを知りました。ヨウ素は甲状腺ホルモンを作るのに必要な微量栄養素で、日本ではまず問題になることがありません。海藻や魚介類に含まれているので、普通の食事をしていると気にする必要がありません。海から遠い場所では、山から採れる塩と、放牧の羊などの肉、そして淡水に生きる生き物が食材です。山から採れる塩、岩塩には海塩のようにヨウ素が含まれていません。現地では、わざわざヨウ素が添加されたものが健康的な塩として売られています。

 そんな中国の奥地の方では、海藻といえば昆布、昆布と言えばサラダで食べるのが普通です。海の帯と書いて海帯(ハイダイ)と呼び、出汁昆布ではなくて薄いペラペラの昆布を切って、ドレッシングで和えて、スーパーや市場のお惣菜売り場でよく売られています。出汁昆布では分厚すぎて作るのが難しいので、耳昆布と呼ばれる昆布の切れ端の部分が売られていれば、それを使って作るとシャキシャキとした食感の美味しいサラダができます。もっとも、日本でわざわざ珍しい昆布を探さなくても、ワカメでも良いですし、海藻サラダとして売られているものでも構わないですね。

もちろん海藻だけをたくさん食べるとよくないのですが、日本の人が普通のご飯で適度に摂る分には大丈夫。「たくさん食べ過ぎるのがどのぐらいの量か」というと、わかめなら200g以上、海苔なら47枚以上など海藻によっても違います。ヨウ素を摂らないで生活する方が日本では難しいのです。特に昆布は桁違いにヨウ素が多く、昆布出汁だけでも1日に摂らなければならないヨウ素成分を超えてしまうとか。食の違いが面白いですね。

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