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キッズキッチンレター11月号

10月のキッズキッチンは宮城県でした。今月ははらこ飯、しそ巻き、はっと汁、ずんだもちを作りました。関西にも普通に売っている食材ばかりで、少し調理方法を変えると、懐かしい味ながらもいつもとはひと味変わった味になるのが驚きでした。
 関西ではほぼ見かけない変わった食材といえば、ホヤ。私は神戸に生まれ、神戸に育ち、学校も近畿圏だったので、大人になるまで東北地方には行く機会に恵まれませんでした。ただ料理を食べたことはありました。中学生の頃、お隣に住んでおられた方が宮城出身の方で「はらこめし」をいただいたり、夏にはホヤをいただきました。
 初めて見たホヤは謎の物体でした。硬式野球のボールのような手触りで、真っ赤やオレンジの派手な色でした。神戸では全く見たことがなく、どう調理するかもわかりませんでした。調理法を尋ねると「中身出して洗えばいいよ!」と言われ、また困惑しました。そもそも包丁が入るのか?どこから切るのか?洗うってどこを?凸凹のあるところを切り落とし、中から出てくる汁を出して、半分に切り身をかき出して、黒いところ取って洗って切ったらもう食べられる、とのことでやってみました。母が「私は見守るね!」と後ろに引く中、1人で大騒ぎしながら作ったのを覚えています。きゅうりの酢の物にして食べました。初めて食べる、海の味がしました。磯臭いのとも、生臭いのとも違う独特の香りで、海としか表現できないような味です。お隣さんは生のまま刺身や酢の物がおすすめとのことでしたが、その後、火を通しても美味しいことも知りました。それからホヤを食べた後に水を飲むと、なんだか甘い味がします。ホヤの旨みが、感じ方を変えるのだそう。大人になってからは日本酒と焼きホヤを楽しむようになりました。身は貝っぽい、見た目の柔らかいものですが、貝でも魚でもない、どちらかというと脊椎動物の仲間です。最近では神戸でもたまに夏に生のホヤを見かけることがあります。もしも出会ったらラッキー!見た目にびっくりしますが是非試してみてください。

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