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男鹿「わたしたちのまちづくりサミット」訪問記(前編)

秋田県男鹿市は、国の重要無形民俗文化財に指定されている「男鹿のナマハゲ」で広く知られています。
日本海に面した男鹿半島に位置し、三方を海に囲まれた漁業の盛んな場所です。秋田県は人口減少率がNo1の都道府県であり、男鹿市は県内トップクラスの減少率に直面しています。その様な地域課題の存在する男鹿で、移住者と地元出身者が協力し合い、食を切り口に、新しい地域活性化の動きが生まれています。2023年3月13日には、「稲とアガベ」岡住修兵氏が実行委員長となり、国内のさまざまな地域の活性化を目指しまちづくりに取り組むプレイヤーが集結し、日本全国の各地域におけるチャレンジを発信・共有するイベント「わたしたちのまちづくりサミット -BEYOND LOCAL-(以降、わたまちサミット)」が開催されました。
前編では、「わたまちサミット」のセッションをご紹介いたします。

図1: 水色に塗られたところが男鹿市。秋田県の日本海側に位置する
写真1:オープニング 三菱地所・広瀬氏、三菱地所設計・三好氏、稲とアガベ・岡住氏

オープニングでは、わたまちサミット・企画、めぐるめくプロジェクト・発起人である三菱地所・広瀬拓哉氏より、めぐるめくプロジェクトの紹介がありました。めぐるめくプロジェクトは、地域における食の生産・加工チャレンジ、多様なプレイヤーの関わりを通じて、地域の活性化に貢献していきたいと意欲を示しました。


写真2:オープニング 男鹿市長・菅原氏

男鹿市長の菅原広二氏も会場に駆けつけ、若手による様々なチャレンジや地域と都市部の連携への期待が語られました。

写真3:基調講演 一平ホールディングス・村岡氏

最初の基調講演には、一平ホールディングス・村岡浩司氏が登壇し、「One Kyushu」をキーワードに九州の様々なプレイヤーと推進する九州アイランドプロジェクトや宮崎県宮崎市の廃校を活用したMUKASA HUB等の紹介がなされました。スーパーローカル=「そこに行かないと体験出来ない絶対的な価値」の重要性が示されました。

写真4:基調講演 稲とアガベ・岡住氏

次の基調講演には岡住氏より、クラフトサケを始めとした稲とアガベの地域コンテンツ作りや、男鹿サケシティ構想、鵜ノ崎海岸のブランディングなど広く男鹿を巻込んだ大きな取組みの現在地と、地域メディアとしてのお酒の可能性が語られました。これらを「創業3年でやり遂げる、時間を掛けたら男鹿がなくなる」と岡住氏。強烈な危機感と確固たる決意が示されました。

その他、See Visions/Spiral-A・東海林諭宣氏による基調講演、チャウス・宮本吾一氏、ファーマン・井上能孝氏、NewLocal/Staple・石田遼氏、H.O.C・濱久貴氏によるピッチが開催されました。いずれのセッションにおいても、地域活性化に向けて、男鹿やそれぞれの地域で実践されている方々の説得力のある言葉が印象的でした。

写真5:パネルディスカッション 会場から集まった意見

パネルディスカッションでは、地域や地域外の関わり代(かかわりしろ)や巻込み作りについて熱心な議論が交わされました。パネリストからは、自分の弱みを伝え頼ることで自分事化が進む、相手がピンチの時は本音や問題点が分かる時であり何を置いても駆けつける、定期的に悩み相談を受け付ける時間を設ける、など、実体験に基づいたリアリティある意見が交わされました。また、これからの男鹿の街づくりについて会場からもリアルな意見を集め、男鹿地域内外の関係者みんなで作る開かれた街づくりの一端を感じさせる場となりました。

地域内外のプレイヤーが連携し、人口減少へ向かうこれからの街づくりにチャレンジし続ける街・男鹿。これからも男鹿の進化に要注目です。

今回訪れたイベントはこちら:
わたしたちのまちづくりサミット-BEYOND LOCAL-

l  日時  3月13日(月) 10:30-17:30
l  場所  男鹿市民ふれあいプラザ(ハートピア)
l  主催・後援・協力
○      実行委員長 稲とアガベ株式会社 岡住 修兵
○      企画 三菱地所株式会社 広瀬 拓哉
○      事務局 株式会社三菱地所設計 三好 史晃
l  アジェンダ
○      オープニングトーク
○      基調講演
○      わたまちピッチ
○      わたまちトーク(パネルディスカッション)
○      協賛企業ご紹介
○      基調講演
○      おがまちトーク(パネルディスカッション)
○      クロージングトーク
○      閉会

(Written by Akiko Fukuyo)