歯科外来での成功は予防歯科だけな理由とその伸ばし方
開業前は俺の技術で患者様を幸せにするんだ!
開業したら今より収入が上がって幸せな未来が待っているはずだ!
しかし現実は2週間先の予約表が真っ白…。明日の患者様のことを考えて生活しないといけない。
こんなはずじゃなかった…。と思われている先生。
2ケ月先も予約表が埋まる成功方法は知りたくないですか?
この記事では歯科外来が成功する1パターンをお伝えします。
1 歯科外来で成功するのに必要な知識
【このブログを読んで得られる知識】
→歯科外来で収入に困らないための予防歯科の経営方法がわかる
【読んでほしい対象の先生】
→これから開業する・もしくは開業したての先生。2週間先のアポ帳が空白が多い歯科医院
この記事は現役歯科医:濱口が書いています。開業1年で医療法人化。開業4年で売上2億突破。現在開業7年目増収増益中。分院展開は一切せず、1医院のみで33名のスタッフを雇用している。自身は現場から離れスタッフ教育やマネジメントのノウハウを全国の歯科医院で教えています。
1-1 成功の4大原則
成功の4大原則は以下の4つです
①在庫を抱えない
②原価率が少ない(ほぼゼロ)
③毎月定額収入が見込める(定額料など)
④開始時に巨額の資金が要らない
これら4つ全て満たすと、ほっておいても大成功します。
3つ満たしてもかなり成功します。
2つでもそこそこ成功します。
なんと1つでも悪くない結果が得られます。
残念ながら一般歯科外来は1つも満たしていませんw
*ただし小児歯科専門や矯正歯科専門の医院はその限りではありませんが
なにも暗い話をしたいのではありません。
外来でも勝てる方法をお伝えするのが今回の魅力です。
時間のない院長先生のために早速結論いいます。
①②③を満たすのはメンテナンスのみ
④を満たすのは居抜き物件のみ
です。
①②③についてメンテナンス、つまり予防歯科です。
はあ…今更、予防歯科の話かよ…
「今更感」がありすぎて新鮮味がないなあ
って思ったら早合点です^_^
なぜか?
外来で勝つには予防歯科を徹底的に光らせるしかないにもかかわらず、真剣に取り入れていない医院が多いからです。
何を!失礼な!
うちの医院だって衛生士にリコール対策や、メンテナンスさせているぞ!
予防歯科とっくに取り入れていますよ!
本当にそうでしょうか?
1-2 歯科が安定する正しい予防歯科の割合
徹底的に予防歯科を取り入れるとは、
全レセプトのうち8割がメンテナンス患者という意味です。
現在、院長先生の医院が患者様8割がメンテナンスもしくは検診なら大変失礼なことを申し上げました。
もしそうでないなら未だに自費ゴリ押しのパワープレーをされていると思います。
誤解のないようにいうと、自費メインの医院が悪いわけではありません。
自費が経営の安定に繋がるのは先ほどの②原価率が低いを満たしているからです。
ただそれ以外は満たしていませんが…。
勘のいい先生はもうお分かりですね。
自費ゴリ押しのスタイルでも「成功原則の②のみ」でも経営安定するのに、今回のご提案は①②③を満たすというもはや成功しない方が難しいというくらいのものです。
逆にいうと①②③すべて満たす歯科外来の成功モデルはメンテナンスしかないと言っても過言ではありません。
特に③の毎月定額収入が見込めるが非常に大きいのです。
例えば500枚レセプトがメンテナンスの患者だと、来月のレセプト数も最低500枚からスタートです。
そこに1割程度自費を入れるだけでも「内科並みの利益率」で安定した経営ができます。
何より1〜2ケ月先のアポ帳が埋まっていたら先生はイライラしないでしょ^_^
スタッフにも冷たく当たりません。結果スタッフも辞めませんw。
これが自費ゴリ押しのスタイルとは決定的に違う仕組みなのです。
2 メンテナンス数を増やす戦略
なるほど!
よく分かった!予防歯科メイン、最高じゃないか!
でもどうやったら患者さんがメンテナンスに来てくれるかわからないよ…
っておっしゃる先生が多いと思います。
同時にこんな先生もいらっしゃると思います。
いやいやそんなことしなくても、オレの医院では自費だけでも安定して10年やってるよ
衛生士が獲得難しいのに、メンテナンスって言われてもね…
予防歯科って経営が難しいって聞くし、オレの医院では合わないよ
色んなご意見があると思います。
私も各院が色んなスタイルで経営することに異論はありません。
ステキなことだと思います。
ただ、申し上げたいのは
外来で成功とは売上だけではなく、人間関係、マネジメント、院長の自由時間確保、なんなら院長不在でも回る仕組みができるという意味で成功なのです。
2-1 メンテナンス数が少ない歯科医院の特徴
振り返ってみて下さい。
<8割メンテナンスではない医院>
院長先生が4番でピッチャーでエースではないですか?
院長先生ばかり治療して生産性が高くないですか?
院長先生ばかり勉強会に出て、常に「技術」という商品開発していませんか?
勤務医の治療の遅さにイライラして、結局院長がやり直ししてませんか?
第一線でお一人でされるのがお好きな先生は、是非今のスタイルを貫いて下さい。
そうではなく、そろそろ2週間先のアポ帳が空白なのがストレスで辛いと思っている先生のみ私のいう戦略を試してみて下さい。
本当に経営が楽しくなります。
院長として空いた時間が増えます。
心の余裕が増えます。
スタッフのことを可愛く思えますw
これからは予防歯科です!なんてどこかで聞く中身のない話ではありません。
もう一度言います。
歯科外来で売上、マネジメント、院長人生、健康、引退、全てにおいて成功するモデルは1つしか存在しません。
成功の4大原則のうち3つを満たしている「メンテナンス」のみです。
海外では歯科のメンテナンスをすることがステータスであったり、仕事ができる人の条件が「歯がきれいなこと」と言われるように、日本でもそろそろ「歯が痛い時に行くところ」なんて風習変えるのにご協力いただきたいと思っています。
先生ところではメンテナンスしてくれるんですか?
ではなく先生ところではメンテナンスしてないんですか?
が普通の世界にすることです。
本気で歯科業界を変えるためにお伝えする内容です。
2-2 メンテナンス数を増やす具体的な方法
歯科外来の唯一の成功モデルである「患者様がメンテナンスや検診を選ぶようになる重要なこと」
それは
クロージングです。
はあ?散々引っ張っておいてクロージング?
そんなのとっくにやってるわ!!
マジで期待して損した!
って思ったらここから聞く価値十分ですw
なぜなら、8割の歯科医師が「クロージングの意味」を全く勘違いしているからです。
先生方にご質問します。
クロージングって何ですか?
そんなの最後に患者さんを説得して、買ってもらう場でしょ!
最後に納得して購入してもらうお話の機会でしょ!
はい、それがそもそもの間違いです。
え?どういうこと?
先生方はメンテナンスに移行したいとき患者様になんて声かけていますか?
・治療お疲れさまでした。ですがこれで終了ではありません。今は治療するより予防の時代です。歯周病対策に定期的にメンテナンスしていきましょう。
・うちの衛生士のメンテナンスは評判なんですよ。ガムマッサージといって歯茎の血行がよくなります。歯周病対策にもつながるので一度試してくださいね。
・人によりますが歯石は3ケ月くらいでつく方が多いです。こちらからお葉書を送りますので届いたら検診にいらしてくださいね。
・70歳のとき日本人の歯は何本平均して残っているか知っていますか?8.8本です。虫歯より恐ろしい歯周病が原因です。海外では歯のメンテナンスをすることが一般的です。スウェーデンでは20本です。来月からやっていきましょうね。
この他にも位相差顕微鏡や唾液検査で見える化したり、リコールハガキのあて名を患者様に書かせたりあの手この手でやりますよね。
視点を変えます
歯が痛くて来ている人(日本の場合ほとんどはこの主訴)は歯を治しに来ています。
その方は歯を治療する提案はすぐに受け入れてくれますよね。
レントゲン撮って、CR、抜髄、抜歯…。なんでも説明さえすればほとんど治療を受け入れてくれます。
歯医者にいけば、歯が痛いのは治ると思っている人が来るわけですから、当然ですよね。
では「メンテナンス」をなぜ歯周病の自覚症状ない方に、「歯周病押し」でクロージングかけているのですか?
たとえ話をします。
会っていきなり「付き合ってください」っていったら付き合ってくれますか?
あ、いや、ちょっとごめんなさい。が普通です。
たとえイケメンで爽やか青年でも「きもち悪い」って思われますよw
にも関わらず、そこから解説が続きます。
あなたに告白したのは目が好きで(きれいな歯が好きで)、笑顔が素敵で(白い歯が素敵で)、スウェーデンではあなたのような方は女神で(スウェーデンではエビデンスがあって)、オレ、マッサージがうまくて(歯肉マッサージをとりいれました)。だから付き合ってください(だからまた医院に来てください)。今度あなたのこと思って手紙送ります(リコールハガキ送ります)
あーもう怖いですねw
さっきのメンテナンスに誘導するときの口説き文句とまったく一緒です。
なぜメンテナンス=歯周病対策なんですか?
むし歯で来院されている患者様に歯周病対策の必要性を説くのですか?
こどもにも歯周病の内容でメンテナンス(検診)の重要性を説くのですか?
クロージングが「患者さんを説得して、買ってもらう場」だとするなら、興味のない人にごり押ししているのと同じではないですか?
歯科の先生には患者さんは当然、「いや結構です」とは言いませんよ。
わかりました。時間が合えばまた来ます。
ハガキが来たら来ます。
次回からは定期的に通おうと思います
といって予約とらずに帰りますってw
2-3 予防歯科増える実例
じゃあ、どうすればいいんだよ!
院長、大丈夫です^^
しっかりと説明します。
それは
クロージングを正しく理解することです。
クロージングとは「もうすでに買う気になっている人に確認する場」です。
この場合、もうすでにメンテナンスする気になっている状態の患者様に確認することです。
何をバカな!みんながはじめからメンテナンスする気になってるわけないだろ!
そうですね。もっと正確にいいます。
クロージングとは前もって買いたい人にほしい情報をお渡しし、すでにほしい状態になっているかを確認する一連の最終確認の場です。
説得する場ではありません。
実は多くの先生方が間違ってしまっているのです。
とはいえ、???ですねw
メンテナンス数が伸びない医院はすべて「歯周病対策」が原因です。
・乳歯列期、交換期、永久歯期
・妊婦期、産後期
・青年期、40~50歳
・男性、女性
・前期高齢者、後期高齢者
いろいろなライフステージがありますが、どの方も「歯周病」を気にしているのですか?
違いますよね。
・妊婦さんならお口の環境が赤ちゃんにどんな影響があるか気になります。
・2から3歳でDEが生えるときはFSという予防法をご存知ない保護者も当然います。
・青年期は白い歯に憧れます。
・前期高齢者は自分の歯で長く食べたいと思っています。
・後期高齢者はいつまでも健康でお口から食べたいと思っています。
全然ニーズが違うんですね。
上記は一例ですが徹底的に研究して、細分化してその方がはじめからメンテナンスしたい状態を作ってあげる。
いってみれば「悩みのトリガー」をひいてあげる準備を医院全体で取り組む必要があります。
それは何か?
各ステージ別の悩み解決の情報が書かれたリーフレットの作成です。
・妊婦さんには歯周病が低体重児出産につながる恐れがあるのでメンテナンスが必要。
・1歳の子には細菌叢の獲得時期が1.5~3歳なので全力で悪玉菌を環境下に置かないメンテナンスが必要。
・青年期の白い歯はエアーフローとPMTCで永続的に持続することができるためメンテナンスが必要。
・前期高齢者は歯が抜けないだけじゃなく、脳梗塞や心内膜炎、糖尿病を悪化させる原因もなるので歯周病対策としてメンテナンスが必要
・後期高齢者は口腔低下症も考慮したリハビリとメンテナンスが必要。
こういった意識付けを促すためのリーフレットです。
初診時、再初診時、お会計時などお渡しするチャンスはアイディア次第です。
すでにメンテナンスしなくては!っと思われている患者様にクロージングとして確認する。
大きな確率でご成約しますよね^^
ぜひリーフレットとクロージングに取り組んでみて下さい。
歯科外来の唯一の成功モデル獲得になりますから。
<今日のまとめ>
・成功の4大原則の通じていないので、歯科経営が厳しくなる
・メンテナンスを伸ばすのはクロージング
・クロージングは説得する最後の場ではない。最後に意思を確認する場である。