KOBAYASHI, Shinji
医療分野でのDXについて、これまでの研究を元に実施してきたセミナーの内容を書き出しています。医療分野だけではなく、他分野のDXにも役に立つ内容としています。 現在のところ不定期刊行の予定。
名前 小林慎治 SNSアカウント twitter: skoba 趣味、好きなこと プログラミング、ゲーム、園芸など 今の仕事、今取り組んでいること 1970年生まれ。1980年代のマイコンブームにも乗ってコンピュータやプログラミングに興味を持って育ちました。1995年九州大学医学部卒業し、医師免許取得しました。内科医として、血液内科医として修練している間にインターネットが普及し、医療にITが入ってきました。ただ、当時は(今も?)あまりうまく進んでいないので自分
TL;DR失敗とは断定できない。それ故により根深い問題といえる。 接触確認アプリ(Contact tracing application)とは 接触確認アプリはスマートフォンの近接通信機能(Bluetooth)を用いてウイルス感染者と一定の距離以内に一定の時間以上接近したことを検出し、ユーザーに知らせるアプリで、2018年のブラジルでジカウイルス感染症対策として実用化されました。 新型コロナウイルス感染症対策としても期待されたことから、2020年のパンデミック初期からGo
はじめに 2000年代より機械学習をベースとした人工知能(AI; Artificial Intelligence)が大きく発展し、人間の知能を上回る成果を示したことから医療応用への期待が高まっています。最近ではChatGPTに代表される生成系AIが注目を集めており、医療分野でも医師国家試験に合格するなどの実力が示されました[1]。 医療においてAIが期待される背景は2つあります。医療の高度化に伴い安全で効率の良い医療が求められ、AIがそれに資するだろうとう期待が1つ。もう一
1. GAPS Frameworkとは GAPS Frameworkでは医療DXを行うための課題を、Governance、 Architecture、People and Program management、Standard and interoperability の4つに分けて取り組みます。GAPS Frameworkはアジア地域のデジタルヘルス推進のためにAsia eHealth Information Network (AeHIN) で開発されました[1](図1)
本を読み始めたきっかけ 国の行政におけるDXについて諸外国の実情とそれに対する評価をこの2年間研究してきました。比較対象として日本の状況について書籍を含めて文献にあたりました。この本はその一つです。 この本は新型コロナウイルス(COVID-19)の対策として日本で行われた行政サービスでデジタル化が遅れていたという社会的にも騒がれた問題から始まります。 日本で行政サービスのデジタル改革(DX)が進まない要因としてはさまざまな論考がなされています。日経コンピュータから出てい
1. はじめに 医療とは患者さんから直接・間接に情報を得て、それを医学的知識や経験とあわせて評価し、よりよい状態へと介入していく営みのことです。医療という情報処理プロセスにに近年進歩した情報通信技術(ICT; Infomation and Communication Technology)を取り入れることに、以下のような期待があります(図1)。 業務改善 業務効率を向上させ医療安全をサポートする 情報共有 患者に対して包括的な医療サービスを実現するため、院内、院外を