コロナ禍で万策尽きた!?エストニア企業社長の渡欧事業計画、死す!!
コロナ禍で「Stay home!」が世界的に叫ばれる中、世界にも日本にも、辛抱と変革が求められています。皆様は、この状況のなかいかがお過ごしでしょうか?私自身は健康そのものです。
ただ、ヒトだけでなく犬などの動物にも感染する今回の新型コロナウイルスは、時にその牙を法人にも向けてきます。そして、私が代表取締役を務める法人にも襲いかかり、結果、無事に事業計画が虚空へと霧散しました。
この記事は2020/5/1現在noteが募集している「#自己紹介」がお題の近況報告ポエムです。また、当記事は私のマガジン「エストニアに法人たててみた」にも掲載されます。こちらのマガジンには過去の北欧記事もまとめておりますので、是非にご一読いただければと思います。
「お前は誰だ?」
私R.D.Sakamotoは現在、日本ではフリーランスのWebフロントエンジニアとして日銭を稼がせていただきながら、時折講師だったりICTコンサルタントだったりをして生きています。先日にはアンドエンジニアというエンジニア向けのWebメディアにおいてライターとしてのデビューも飾り、いよいよ自分の肩書がわからなくなってきた次第です。
これらの活動に加えて、2020年1月9日(木)には、北欧エストニアに法人OmusBridge OÜをたて、私がその代表取締役に就任しました。エストニアで創業した私的な理由はこれまでの記事に譲るとして、ビジネス観点の理由には、エストニアが「欧州・北米東海岸・アフリカなどへのアクセスが日本と比較して容易であり、日本と比較して地理的に有利であること」や「法人税が配当に対して20%と税制的に有利であること」、そして「e-Govermentが進み、行政のIT化の面で有利であること」があげられます。この会社では、エストニアを拠点とした上記の業務に勤しみながら、自社アプリケーション開発する予定でした。以下の通り、公式ホームページやTwitterアカウントは既につくってあります。
因みに、法人設立の際にはSetGoというサービスを利用し、ものの30分足らずで私は社長になることができました。このサービスを利用しながら社長を継続するには月額6000円ほどかかるのですが、爵位をサブスクリプションしているようなものと思っています。日本語でのサポートを提供してくれるので、ありがたい限りです。
50日後に死ぬ事業(ワニ)
さて、OmusBridge OÜの事業を創業していくにあたり、なにより必要なものはVisaです。シェンゲン協定期限内の入出国ループしたりEU圏のVisaを使ってエストニアで働くという裏技はなくもないのですが、常識の範疇から解脱しない限り、基本的にはVisaをなくしてエストニア居住でビジネスはできません。エストニアにはいくつか種類があるのですが、私が最初に取得を目指したのはD-type VisaのStart-up Visaとなります。
このVisaを取得するための審査については友人の事業主からはハードルが低いと聞いていました。しかし、実際受けてみると一人でほそぼそと事業を始めた私にとってはめちゃくちゃハードルが高いものでした。なんせ自分の事業について30いくつもの多角的な質問に答えねばなりません。「そんなん考えなくてもやっていけるやろ」と高をくくっていた零細企業の経営者である私にとっては、日本語で答えるだけでもしんどい質問です。それを英語で答えるのはとてもしんどかったです。D-type VisaのStartup Visaの取得を検討している方は、自分の法人の事業計画をしっかり練っておく必要があります。あと、MVPを作らないと問答無用で落ちます!しんどい質問に答えた後のページに以下の文章が書いてあったときの絶望感は半端なかったです。
We do not assess products/companies in Idea stage - to be eligible for assessment you need to have at least an MVP or a prototype to show us. Idea phase applications will be rejected without being rewieved.
質問に答えさせる前に書いといてくれ。いいですか?事業計画とMVPです。これがないとこのVisaをとることができません。この文章が後世の申請者に送る、このポエムのなかでもっとも価値のある情報だと思っています。
蛇足ですが、今回の有料部にはStartup VIsaの申請で聞かれた全質問のメモを添付しようと思います。2020/02時点のものなので、閲覧いただいた日時のものと必ずしも同様のものでないことはご承知おきください。ただ、こちらの質問については、国問わず、起業家なら答えられるようにしておくべきだと考えています。少しでも皆様のお力になれば幸甚です。
でも、実はこの絶望感からはわりとサクッと立ち直ることが出来ました。と、いうのも実はこのVisa以外にも当てとなるVisaがあったからです。それが2020年3月より日本-エストニア間ではじまったWorking Holiday Visaとなります。ワーホリVisaは年齢さえクリアしていればほぼOKなので、この申請の準備をしながら、事業計画を練りはじめ、Adobe XDでMVPを作り始めました。また、2月からはお仕事はリモートで受注することにし、エストニアに渡欧した際に、最悪日本からも継続的にお仕事をいただくことで、どうにか生きていくことができる体制を築きはじめられました。
第壱話 使徒、襲来
2020/3/17、エストニアが外国人の入国禁止措置に踏み出します。
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんん???????あれ!?!?!?これ!!!弊社!!!死んだ!?!?!?」
その後、世界中で急速に拡大し、日本の状況は皆様の知るところです。
Visaもクソもなくそもそも入国できない事態となりました。こうなると、エストニアに居住してのビジネスなんて到底出来ません。収束の見通しに諸説あり、いつから開始できるかも読み切れません。日本から弊社を操業することもできなくはないのですが、租税の都合上、日本のフリーランサーとしてこれまで通り仕事をするほうが有利です。海外送金や確定申告の手間とコストが増えること必至なのは語るまでもありません。。。
29歳で良かった・・・30歳だったらもうだめだった・・・頼む。今年中には収束してくれ。
私は、祈りを込めて、事業計画を火葬しました。
STAGE13 きっとまた旅に出る
我らが神奈川県知事黒岩氏がGWをがまんウィークと称したとおり、世界的な辛抱が続く今日この頃。一方で、ZoomにはじまるWeb会議が浸透したり、一生無料の電子契約サービスが始まったりと変革が起きたりと、この機を生かしたビジネスが加速していくのは非常に面白く感じております。
今回の新型コロナウイルスは、多方面に様々な影響を与えています。私にとっても、自粛はもちろん、事業計画が潰えてしまい、少なからず影響を受けたひとりです。余談ですが、開発の仕事も減りました。
減ったおかげで週3労働になったので、その点は前向きに評価したいのですが、なんだかんだ週5以上働いている気がしています。
エストニアで使える銀行口座作ったり、英会話を勉強しはじめようと思うことを検討したり、VRやグラフィックコーディングをやろうと妄想したりと、小さいことながら、自己変革を起こしている最中でもあります。事業計画とMVPで同じ轍を踏まないように、こっちも少しずつ準備しています。
辛抱と変革の先に、きっとまた旅に出れることを信じて、今日もなすべきをなす。いつか、ちゃんとした社長になります。
以上。ポエムでした。文中にも書きました通り、こちらと過去記事は私のマガジン「エストニアに法人たててみた」にもまとめられていますのでもしよろしければ併せてご確認いただけますと幸いです。
末筆ながら、OmusBridge OÜとしてもフリーランサーとしてもお仕事は年中適宜募集しております。ご相談からでも結構ですので、ご用命がございましたらTwitterやFacebookといった各種ソーシャルメディアからご連絡いただけますと幸甚です🙏
今回の有料部は上述の通り、Startup VIsaの申請で聞かれた全質問のメモをそのまま貼り付けてあります。2020/02時点のものなので、閲覧いただいた日時のものと必ずしも同様のものでないことはご承知おきください。あと、全編英語です。>からはじまる行は、私の回答となっています。「ほーん」と思いながら一読いただければと思います。
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元ITコンサルタントのフリーランスエンジニアによる雑記を書いています。いただきましたサポートは北欧移住および某計画の資金とさせていただきます。何卒よろしくお願いします。