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ストックホルムの夏至に、凍えながら日の入りと日の出を眺める
2022年の夏至は6月21日である。一年で最も昼間が長い日だ。
そんな日に友達が、「海に面した山の上から日の出と日の入りを眺める」という素敵なイベントに誘ってくれた。
夏至のストックホルムの日の入り時間は22時8分。余裕を持って、21時半くらいには着くよう家を出た。向かったのはSkinnerviksbergetという、Södelmalmの北西部にある小高い岩山。麓から5分も歩くと頂上に到着する。頂上付近では、夕陽に照らされたそこそこ急な岩肌に、たくさんの人が座って日の入りを待っていた。
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私たちもその間に座って、ワインやジュース、お菓子を食べながら日の入りを待った。わいわい話していると、あっという間に日はストックホルムの街に沈んでいった。
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日が沈むと一気に寒くなった。一応上着は持ってきていたが、基本的には昼間の陽気に合わせた服を着ていたため全然足りなかった。1組、また1組と人々が帰っていく。すっかり日が落ちても真っ暗になることはなく、紺・白・黄・オレンジのグラデーションが美しくストックホルムの街のシルエットを描いていた。街と空を眺めつつ、他愛無い話をしながら朝を待った。
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夜が更けるにつれすっかり周囲の人はいなくなり、代わりに野生のキツネやウサギが姿を現した。キツネは街中で出会う猫くらいの距離感で私たちの前を優雅に横切り、誰かが落とした食べ物か何かをしばらく物色した後、再び藪の中に消えていった。
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2時を過ぎると、周囲の光が少しずつ朝のそれになってきた。視界の左の方に沈んだ太陽が、ゆっくりと右の方に移動しているのが地平線の明るさの変化から感じとれた。
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タオルを首に巻いたり鞄を抱えたり、ありとあらゆる手を尽くして暖を取る。ずっと岩の上に座っていてお尻が痛くなってきたので周囲を散歩した。いつの間にか対岸のクラブの音楽も消えていた。かなり眠くて意識が朦朧としてきたのでしりとりをして耐え凌いだ。
そして3時。待ちに待った日の出である。右の方から強いオレンジ色の光が漏れ出してストックホルムの街を照らした。
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夕焼けよりも少し白っぽい光が辺りを包んで、見惚れているとあっという間に見慣れた朝になっていた。太陽が現れるとすぐに暖かさが戻ってきて、心から日の光の偉大さに感謝した。
ストックホルムでは、深夜であっても郊外に向けたバスが1時間に1本程度出ている。電車の始発を待つより早く帰りたかったので、4時に出る深夜バスを乗り継いで家に帰った。家に着くとすぐに温かいシャワーを浴び布団に入った。お昼まで夢も見ずにぐっすり寝たのだけど、目が覚めてもまだそこそこ疲れていて、こんなときに浴槽があればな〜、なんて思った。
もし今後行く人がいれば、お尻の下に敷くクッションと毛布、上着、魔法瓶に温かい飲み物などを持っていくのがおすすめです!ではまた、hejdå👋
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