無垢だったあの頃
年齢を重ねるごとにどんどん頑固になっている気がする。
「頑固」と聞くととても悪いことのように思えるけれど、良く言えば意志が固いとか、芯があるとか、そう言い換えることもできるんだろう。
柔らかい素直さが取り柄だったはずの自分が頑固になっていく様が悲しくて、先日夫にぼやいてしまった。夫は、責任が出てくる年齢なんだから悪いことじゃないんじゃない?と言った。もっといろんな答えが欲しくて、グーグルさんにも漏れなく聞いてみた。
なぜ人は年を重ねるほどに頑固になるんですか、って。
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グーグルさんの答えは要するにこうだった。
年齢を重ねるほどに経験値が上がり、知識量も増えて、自分の中に一定の解答や判断基準ができるからだって。人は自分の経験や体験に当てはめて物事を考えるもの、なのだそう。
20代前半の頃、勤めていた会社の取引先の男性からおふざけ半分で言われたことがあった。
「なんだかねえ、君は真っ白なんだよね」
言われた時、少しイライラしたのを覚えている。チャラいお兄さん気取りが何を言っちゃって!と気分を悪くした。白いってどういうこと?むしろ白は好きな色ですけどって。
でも、今ならその意味が分かるような気がする。
理解できるようになったのは、私が恐らく当時のお兄さんと同じくらいの年齢になり、言われた時よりも人生経験を積んできたからだろう。そして今や、彼が言う「白さ」が無くなってきているからだとも思う。
簡単に言うと、YESマンだったということでしょう。なんでもかんでもYES、YES、YES。頑固さに喩えられる、明瞭な意志や意見は持てていなかった。ただ素直でいることが正義だった。というか、素直であれさえすれば生きていけた。
でもだんだん世の中や身の回りのことに対して、「白い」対応が出来なくなってきた。
出来なくなってきたし、たぶん今後は求められなくなっていくだろう。素直でさえあればいいのはせいぜい若いと言われる20代の時だけ。いい大人は「白さが無い」くらいが面白いのかもしれない。
そうやって自分が頑固になっていく様子をなだめながら、実はとっても寂しく思っているのだ。
たまには無垢な笑顔で、なんの疑問も持たずに「はあい」ってお返事ができたらいいのに。もうそんな時間は来ないのかな。
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ちなみに我が家では双子のヤギを飼っているのだけど、ヤギも年を取るほどに頑固になっていくのだそう(特にメス)。
これにはとても納得。いま2歳でもうすぐ3歳になるメスがいるけど、どんどん頑固さが出てきた。このメスちゃんと一緒にしばらく「白くない」山を登っていくのか。
そのとき必要なことに必要な分だけ、ありがたく使わせていただきます。