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インプットしながらアウトプットさせてさらにインプットしてもらう教え方の本

同僚が社内向けにこれの内容のトレーニングをまさにこの本の考え方をベースにやってくれたので、今興味を持って読んでいます。
研修とかワークショップとか教育とかの領域の方におすすめです。

この本がいいと思ったのは、学ぶ人がインプットをしながらアウトプットをしながらさらにインプットをする仕組みだからです。

面白いもので、インプットしたものってアウトプットするとさらにインプットが増えるんですよ。
アウトプットすると言語化しきれないところで疑問が湧いてくるので、アウトプットするために調べるんです。
だからインプットがさらに増える。

自分がここでアウトプットをしている理由も、人に説明するつもりでアウトプットをすることにより、自分がまだ不明確なままにしている部分を洗い出して調べるためです。

この本はそれを研修の仕組みとして取り入れるための教え方です。

英語で読みたい方は上記リンクをどうぞ。O'Reillyのサブスクリプション (英語) を持っている方はそちらで読めます。
日本語版ご希望の方はクラウドファンディングやってるそうです。

これに教える側として感動した話を自分語りさせてください。

なんでソフトウェア会社の社員がベストプラクティスなんぞを教え始めたのか

最終的にプロジェクトに入った時のリスクを削減したいからです。

ここ10年くらいソフトウェア会社のコンサルティング部隊にいて自社製品の導入の支援とかやってたんですが、意外と皆さん魔改造されるので、魔改造によるトラブルが発生するんです。

  • この製品はそういう設計思想じゃないよ!

  • この機能は別の問題を扱うためのものだよ!流用はできるけどあくまで流用だから今言ったユースケースに対応してなくても不思議じゃないよ!

とかでもめるわけです。
でもそれを教えて納得してくれたところで、すでにお客様に説明してしまっているので動かせないってよく言われるんです。

上流がもっときれいなら、お客様もプロジェクトリスクがなくなってハッピーだし、我々も揉めなくてハッピー。

では案件化する前からベストプラクティスや考え方を教えればいいじゃないか!
と7年くらい前からAPIやマイクロサービスなどにまつわるワークショップやトレーニングを始めました。

教える方の限界を感じて演習中心にしてみた

最初は座学中心で教えてたんですが、

  • 終わった後実プロジェクトに入ったときに教えた内容ができてない

  • そもそも教えてる最中反応がなくて自分が飽きる

教え方に試行錯誤してみたりしたんですがそれも限界を迎えてどうしようか悩んでたんです。

それで同じ内容を演習中心に切り替えてみました。

演習中心に切り替えるとよくわかるんですが、反応がないのはやっぱり記憶にとどまってないから反応のしようがないんですよね。
上手い方は自分の過去の困り事などを思い出しながら聞いてくださるので質問してくださるのですが、それは受講の仕方が上手い方だったんだな、と気がつきました。

演習中心にすることで質問が一気に増えました。

さらに演習を中心、座学をおまけにしてみる (現在進行形)

先日この "Training from the Back of the Room!" の社内の研修を受けてちょうど作っていた自分のワークショップに適用してみました。

このワークショップは座学でやるとデモつきであっても2/3が「ついていけなかった」という類のワークショップで環境を構築するハンズオン付きにするにあたり苦労してたんですが、ハンズオンにしたと同時にMiroに情報を散りばめてみたり、情報を整理する仕組みを一緒に準備してみたりしました。

ハンズオンして所定の動作はしたんだけど、でも自分が一体何を実現したのかがわからない!を避けたかったんです。
ハンズオンはこれがよく起こるので。

残念ながらやっぱり深い理解を全員が得られたわけではないですが、「さっぱりわからなかった」とはならなかったので一安心。
またブレークアウトチームではお互いにわかった内容を持ち寄りながら、誰かが疑問を出して全員で調べるようなやり方をしていました。中には私も調べたことがないような内容を出してきたチームもあり、私にも勉強になりました。

教える側は教えたら実践して欲しい!

教える側は教えたら実践して欲しいのであって、教えたいわけじゃないんだと思ってるんです。
さらに質問してもらうことで教える側自身が知見を深めることができると思ってます。

教えるの飽きちゃったよ!という演習やワークショップをお持ちの方、この本を読んで作り変えてみてはいかがでしょうか!

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