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山火事よりも熱い男たちの物語「オンリー・ザ・ブレイブ」

 ノンフィクション作品で五本の指に入る最高の映画です。消防士の映画じたいあまり観ませんが、それ以上にこんなにもカッコいい男たちが同じ世界にいたのかと思うと鳥肌が立ちます。
人を守るために炎と戦ったヒーロー映画紹介できればなと思います。

 もしかしたら、ネタバレが含まれているかもしれませんが、そこは許していただけたら幸いです。

予告

あらすじ

 猛烈な勢いで山を焼き尽くす炎。近隣住民も森に住む動物たちも一斉に逃げ出す中、炎に突入しチェーンソーで次々と木を切り倒す男たちがいる。アリゾナ州プレスコット市の森林消防隊員たち。
 そんな街に麻薬にセックスと堕落した日々を過ごしていたマクドナウは、ある日、別れた恋人が妊娠している事を知る。動揺し彼女に会いに行くが、拒絶され、むしゃくしゃした勢いで窃盗、その場で逮捕される。仮釈放されるも、家からも追い出され、居場所が無くなったマクドナウが向かったのは、新人募集の案内を出していたマーシュ率いる森林消防隊だった。
 隊員が猛反対する中、マーシュは窃盗罪で保護観察中の彼を採用する。「生まれたばかりの娘を幸せにしたい」という決意を買ったのだった。
 新しいメンバーも増え、またいつも通りの訓練を始める消防員たち。マクドナウを信じていなかった隊員たちとも、命を預け合う現場を通して次第に絆が深まっていく。そんな隊員たちを誇りに思い、自分たちも“ホットショット”になりたいという夢を捨てきれないマーシュは、妻のアマンダに勧められ、市の消防署長で親友でもあるデュエインに、自分たちのチームを“ホットショット”に認定してほしいと相談する。地方自治体の消防隊が“ホットショット”に昇格した前例はなかったが、彼らの実力に惚れ込むデュエインに説得された市長は、審査を受けられるよう手配するのだった。
 そんなある日、チリカウア山脈で発生した火災へ駆けつけ、まさに本番で認定審査を受けることになるマーシュたち。強風にあおられる火災を食い止めるために、マーシュは炎の“燃料”となる木々を焼くという判断を下すが、審査官から迎え火で火事がさらに勢いを増すと静止される。二人は激しい口論となり、マーシュは審査官に「あんたは黙ってろ!」と怒鳴ってしまう。
結果は、マーシュの勝利だった。マーシュを心から敬愛する副官ジェシーは、「審査がダメでも俺たちは森を救った」と誇らしげに胸を張り、隊員たちも深くうなずくのだった。
 審査発表の日、審査官に“ホットショット”への昇格が告げられる。だが、隊員たちの歓喜も束の間、愛する家族を残して火災に立ち向かう彼らを、
アメリカ史上最も恐ろしい、山を飲み込むような巨大山火事が待ち受けていた──。

公式サイトのあらすじを引用させていただきました。

観て欲しいポイント

一つ目「二つの物語」

 主人公の物語のもちろんですが、指揮官の物語も同時並行で進んでいるように感じました。と言うのも、この映画の始まりとして、指揮官の朝から始まり、主人公との出会いとして描かれているんです。
 その後も、主人公と指揮官は同じ問題を抱え、その対処法もそれぞれあり二人の問題の解決の仕方などは面白かったです。
 今書いた通り、二人は似ており、本作でも「あなたは夫(指揮官)に似ているわ」と妻から言われたり、指揮官自身からも「お前は俺に似ている」などのセリフがありました。
 個人的にですが、この映画は主人公と指揮官(隊)としても物語があり、主人公の結末と、指揮官の結末。これがこの映画の面白さを引き出していると思います。

二つ目「連絡後(ネタバレ)」

 この映画で最も心を動かされたシーンです。観た方ならわかるかもしれませんが、家族や主人公すべてを巻き込んだ最高シーンです。このシーンを最高と言うのは少し引けるのですが、やはりこれだけは外せません。
 特に体育館と主人公が席を殴るシーンは数日頭に残っていました。
 まずは、席を殴るシーンですが、ここまで絶望を表現した演技はあまりないと思います。そして、座っている席がいつも座っている主人公の席で、そこ意外誰も座っていないという描写は完璧で、観るという映画としての機能を堪能できると思いました。
 二つ目に体育館。視聴者という立場で結果を分かって状況の中、答えを知らない家族の不安や、主人公の登場でもしかしたらと言う希望が潰えた時の絶望はノンフィクションだからこそ映えていたと思いました。
 そんな中で、主人公のそばに駆け寄った指揮官の奥さんは流石だなと胸が熱くなります。

三つ目「エンディング」

 本編が終わった後の実際の人物の写真や年齢が出てくるのは、ノンフィクションの一番の特徴だと思います。
 そんな中でも、ノンフィクション映画のエンディングで一番感動しました。
 特に観て欲しいので言えませんが、主人公の成長が分かる文や、木の前での写真は保存したいぐらい最高。

最後に

 映画としてのストーリーや成長はさておき、まずこの内容がノンフィクションと言うことに驚きが隠せませんでした。これが本当にあったのかと観終わってパッケージを見てノンフィクションだったと再認識させられました。
 最後に生き残った主人公の成長を感じられたのは、エンディングでの視聴者へ向けたメッセージでした。それを観た僕は映画に出ていた主人公ではなく指揮官のように成長したんだ感じました。

U-NEXTにて配信中なので気になった方はぜひ観て欲しいです。

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