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全自動衣類折り畳み機「ランドロイド」開発元破綻について思うこと

今朝、洗濯乾燥機から取り出した洋服を畳んでていた。様々な形のものがある。靴下はひっくり返っているので逆向きに。Tシャツも裏返しのままである。2歳の子供もいるのでよだれかけも大量にある。5人家族ということもあり、たった1日分の洋服を畳むだけでも15分〜20分はどうしてもかかってしまう。

私が子供の頃は、二層式の洗濯機であり、洗濯が終わってから脱水、角ハンガーへぶら下げてからベランダへ干していた。そして、日が暮れたら取り込むといった事が当たり前であった。うっかり雨に濡れたり、干すのが遅れて匂いがついてしまったら洗い直しである。それが今や全自動で洗濯から乾燥までやってくれる。なんて便利な時代になったのだろう!

世界最初の洗濯機は、1908年にアメリカ人によって発明された。我が国の洗濯機の歴史を見ると最初に国内で開発された洗濯機は昭和5年だが、普及が始まったのは昭和27年以降である。海外で開発された洗濯機の技術をコピー(真似?)しどんどん良いものを作った。結果、高度成長期とあいまって一般家庭へ普及していった。最初の頃は大したものではなかった。

洗濯機が普及したことにより、春夏秋冬、来る日も来る日も木製の桶と洗濯板を使ってあくせく洗濯する日々から解放された。それが今や全自動洗濯乾燥である。1950年以前と比べてどれだけ多くの時間を手にすることができたのだろう。一日数時間もの時間を他のことのために使えるようになったと考えて間違いないだろう。

こうした技術は歴史を見ても最初から完璧を目指すものではない。こうした観点から、ランドロイドはできる事を相当制限したとしても発売するべきであったと思う。値段も最初は高くてもよいだろう。昭和5年に発売された洗濯機は銀行の初任給の5倍以上の価格であった。そこからどんどん改良を重ねていけば良いのだ。

今回、本当に残念でならないのは、一度も発売する事なく清算しなくてはならなくなっている事だ。発売していたら何らかの反応があったと思う。例えばTシャツとタオルしか畳めないとかそのくらいでも出していた方が良かっただろう。ハードウェアへ手を加えることなく、ソフトウェアをネット経由でアップデートすることにより機能を向上させることもできただろう。

裏側の実態はわからないからたらればになってしまうが、やはり洗濯物を畳むという労力と時間は存在している。これを変えることができたら、より違うことへ時間を使うことができるようになる。それは誰かと、例えば子供と触れ合う時間かもしれないし、より手の込んだ夕食を準備することへ使われるかもしれない。

新たなスタートアップが大掛かりな資金調達を行いながら進めることはとてもじゃないが容易な事ではないので、この領域も誰かが勇気を持って手をあげなければ海外勢に先を越されてしまう。パナソニック、東芝、NECなどどこでも良い。同社の研究、事業を引き取って実現してくれる会社が現れる事を祈ってやまない。



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