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大多数の経営者は実は分かってる。“高還元 SES” のビジネスモデルは残念ながらそう長くはない。

「高還元 SES」の破綻はすぐそこに。

「高還元 SES」の先駆けとして2014年に創業したリベロエンジニア(旧リベラルエンジニアズ)。
僕らを筆頭としてビジネスモデルを追随する企業も多く生まれ、高還元SESは当たり前となりました。

ただし、今後そう遠くない未来に「高還元 SES」というビジネスモデルは終焉を迎えると考えています。

高還元 SES の終焉はこのビジネスに携わるすべての人にとって等しく訪れます。
僕は 現在SES で活躍するエンジニアにも危機感を持ってほしいという思いで、この note を書いています。

なぜ「高還元 SES」が終焉を迎えるのか?

①SES ビジネスモデルの限界
②“高還元率勝負” がもたらすSES 企業のお財布事情

2つの切り口からお話していきます。

① SES ビジネスモデルの限界
実際のところ僕は高還元に限らず、SES のビジネスモデルそのものが存続の危機に直面していると考えています。

その一番の理由は AI の台頭。その進化のスピードは想像を遥かに超えて進化しています。

もう既に画像や動画、広告などのクリエーター分野やホームページ制作等に生成AIが導入されており、間も無くシステムエンジニアリングの分野へも実用可能レベルでやってきます。

SES は他者支援型のビジネスです。

しっかり支援できる専門知識を持つ高いレベルのエンジニアは一定期間はニーズがあるでしょう。AIをコントロールするのも幅広い知見をもったエンジニアが必要となるはずなので、当面の活躍余地はあります。

しかし、AIで代替できるとわかった途端、簡単に外注エンジニア → AI に置き換えられてしまうわけです。

経験の浅いエンジニアの採用が業界全体でほぼ止まったのも、今後、若手を教育するよりAIを導入するコストが安くなる事が容易に想定できるためです。

海外のビッグテックも生成AIへの投資を加速させており、この流れに抗うのは一企業ではもはや不可能です。

この事からSES 事業者は、早急にビジネスモデルを変えない限り生き残っていけません。

事態が急を要してもすぐにビジネスは立ち上がらず長い時間を要します。
状況が具現化してからの対応では間に合わず、企業は顕在リスクの間に対応する必要があるのです。

具体的にはAI に簡単には代替されない「人間的でエモーショナル」な事業への投資を推進し、SES単体ではなく多角的なビジネス展開や自社内でのコンテンツ制作ができる企業への事業転換を経営者は判断しなければなりません。

② 「高還元率勝負」がもたらすSES 企業のお財布事情
高還元 SES のビジネスモデルは利益の多くをエンジニアに還元する分、企業に資金が蓄積されづらい状態になります。特に後続企業が増えた結果、各企業がマーケティングインパクトを追い出したため、過剰な還元率勝負になったり、見せかけの数字で求職者に騙し行為をしたり収集がつかない状況になっています。

また、社会保険料が今後継続して上がっていく事は間違いないため、会社負担額は上昇し高還元SES 企業の余剰利益はさらに減っていくものと予想されます。

では今後どうなっていくのか?

繰り返しますが、SES 企業はビジネスモデルの事業転換が必須です。
そして転換して持続可能とするためには一定の “投資” が必要です。
つまり投資資金を保有している必要があります。

このような観点で考えたときに、高還元 SES 企業はどうなのか?というと、ここに僕の論点があります。

高還元 SES のビジネスモデルは利益の多くをエンジニアに還元する分、企業に資金が蓄積されづらい状態になる事は先ほど説明した通りです。

また、後続企業が増えた結果、差別化することが困難になっている状況の中、還元率競争を続ける企業の中には自転車操業に陥ることも多く、高還元 SES の増加とともに、一層その傾向に拍車がかかっており、次のステージの進むことはおろか、現状維持すら厳しいような状況に追い込まれつつあります。

これが、「高還元SES の終焉」です。

一言で言うと、既にある程度の資金や利益を確保済みの企業でない限り、この流れを解決できる術がないのです。

そしてSES 単体ではなく多角的なビジネス展開や自社内でのコンテンツ制作ができる企業への事業転換は、すなわちSES 企業から総合IT企業への脱却を意味するのでSES 企業自体が今後消滅する事になります。

リベロエンジニアは業界のリーディングカンパニーとして、未来を見据えまさにこうした事業転換を進めているフェーズにいます。
僕はここが企業として生き残れるかどうかの勝負どころだと捉えています。

今後SES の売り上げ比率を90%→50%まで減らし、コンサル事業、受託開発、自社サービス、自社コンテンツ制作などの事業を複合的に経営ポートフォリオに組み込み、各事業を子会社に切り出しホールディングス化する方針です。

僕が以前に高還元 SESの次なるステージについてお話した記事がありますので、こちらも宜しければご覧ください!

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