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MARIA

あなたのことを忘れてから もうどれくらいが経ったんだろうね そして過ぎた月日で僕らは どれだけ強くなったんだろうね きっと世界の勇気の量は決まっていて あなたから分けてもらった分で生きている なくなればその証を探して旅をする クレーターみたいな穴なんてどこにもなくて 世界の裏側をもうちょっと覗きたいんだ あなたがそうして見つけていったように あなたの体と心の全てが 砕けて散らばって世界の栄養になったよ まるで燦々と光を受けたその花のように 僕ら今進む一歩の為の力になる

    • Colorful world

      煌めいて近づいて 誓った唄の続きの続き 白黒を飛び出した 彩りの行方を追う 色々な色に出会ったけれど 誰も僕に似合わないと思い込んだ さよならは簡単だ だからこそ二度と出会えないものばかり 嫌になって離れたとしても 脳裏にいつだってあなたがいる 消したって拭えない汚れた白が いまだに僕の心を揺さぶってる 何回も何回もお別れしたってついてくる 見えないもので形作られた 知らない物語のその向こうの 五感の外の色だけがこびりついた あなたをずっと探してる 初めて色をもらった

      • あなたと少し離れたくて

        あなたと少し離れたくて あなたの顔をまじまじと見つめたくて その幸せをもっと感じたくて つれない表情 そっぽむく仕草 言いづらそうな言葉の羅列 もうわかってるよ 私の方もおんなじと思いたくない 磁石が惹かれ合うように 出会ったのは運命なんかじゃなく この手のひらでつかまえたくて 私の心が自らそうしたと ただ自分を納得させたくて あなたと少し離れたくて もう一度きらめくその笑顔に触れたくて 初めての頃のワクワクをそのままに もう二度と会えないと思

        • 前を歩いている女が やけにぎこちなく歩く きしきしと音を立てながら 電気か何かで動いているようだ まるで機械みたいに 後ろ姿をぼんやりと眺めながら あと百年も経ってしまえば 機械と人間の違いすらも 僕らにはわからなくなるんだろう それさえ興味のきっと外側で 古ぼけたこの眼鏡から 世界を覗くのだろう 女が道を曲がるとき ふいに見えた横顔には 黒い液晶が張り付いていて ぎこちない動きのわけがわかった まるごと機械と何か 違いがあったのだろうか

          さえずり

          あなたがいたこの場所で 今もさえずりを聞いている 思い出せないくらいの愛を もらったことを忘れないように そんなに僕を助けなくても あなたは生きてゆけただろう 言葉にも仕草にも表れないけど 確かに僕は受け取ってる 悲しみを振りまきながら 苦難をかき消そうとする強い声 でも裏側で膝をついて 涙を流す僕を知っているのに それでいいと言ってくれた 囁きにも似た音のない声を聞いた たとえあなたがそう思っていなくても 僕にとってそれこそが救いだった あなたがいたこの場

          さえずり