教育プログラム

 いよいよ、DXのHowの部分の本丸に入ってくる。Why DXとかDXをするポイントのWhatは概ねおつたえできたと思う。これからはHowについてふれてみたい。

 今回は、DXの本質である人の改革をするための教育プログラムである。DXっていうと、Digitalや技術のスキルをつければOK!みたいに勘違いしている人が多いけれど、それはそれで必要ながら、9割くらいが仕事のやり方を変えるためのチェンジをするスキルをつけること。教育プログラムは、飴と鞭の視点からみると、飴で使うのがBetter。何故なら、変わりたいという人に対して変わるチャンスを提供し、その人が会社の軸となる人材になれるからである。

対象者

 原則、自ら変わりたいと考えているひとを対象にする。こんな風に切って対象者を決めると良い。変わりたい人/変わりたくない人仕組みを作る人/仕組み上で動く人、この2軸で考えた場合、変わりたい×仕組みを作る人をメインに、変わりたい/仕組み上で動く人を加えてStartする。ココが終わるか終わらないくらいに、変わりたくない×仕組みを作る人 が登場してくると良い。DXは企業アーキテクチャの変更であるため、今までの仕組みを作って来た人で変われていない人が、対象者になる状況になれば、皆さんのDXは相当進んでいると思う。不器用で仕組みを作るタイプではないんだけれど、変わりたいという人を、置いていかないように。ヒーロー系アニメでも必ずいるキャラ、活躍をするときが必ずきます。

ロール

 教育をするということは、Before/Afterが必要である。ここで重要なのはafterの型、ロールである。骨太のロールアサインリストを作成し、ロール毎に必要なスキルを明確にし、アーキテクト向けに、ドメインスキル(営業、技術、マーケティング、人事等)を追加していくことが重要である。キーとなるのは、スクラムマスターサービスオーナーになるためのスキル定義である。これから今と比較するとギャップがわかる。ここをしっかり行うことなくして、DXを加速させる教育の仕組みは動かない。

ギャップの埋め方

例えば、上記のロールに必要な条件を、マネージメントスキルと定義し下記のように分割をすると、それを埋めるにはどうすれば良いかが明確になる。

マネージャーに必要なスキル 2

私のチームでは、スクラムマスター研修と、サービスオーナー研修を実施してきた。スクラムマスターは主にProject Managementスキル、サービスオーナーはService Managementスキル。People Managementスキルは別であると完全に切り離している。これはDX共通な事で説明をしたマトリックス組織を作る上で必須の分離であることは皆さんは既にご存じだと思う。 

継続性Up

 継続されるためには、このロールアサインと、スキル定義と、ギャップ埋めを根付かせる必要がある。DX UniversityのようにPDCAが回っていると最高。ここで重要な事は、この仕組みが人事制度と連動していることである。私が改革を進めた会社やチームでは、これが深く浸透している。その結果、人事評価やキャリア作りに曇りがなくなっていき、社員が自信を持って仕事をできるようになってきている。つまり、基準が明確になることで、出来る人は伸びて、そうでない人は安心をするという難しい事を同時に実現できる。加えて、そうでない人を置いてきぼりにしないために、不器用な人でもやりきれるような「モダンな」仕組みを出来る人が設計し、作り、体験させることを忘れてはいけない。

次回は、自分らしく活きるための指標となる「自分ファイナンス」の考え方を紹介したい。これをベースにすると、自分を深く理解でき、何をしていくのが自分にとって楽しいのか、見えてくる。

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