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サイケデリック体験⑤この世界と個の世を繋ぐ漫画家誕生?!

今いる世界が自分が創った世界だと信じ込んだ俺は、涅槃のことを思い出す。
雪の降る1月、いつものようにひとりで深い瞑想をして、そのまま餓死しようとしていた俺は、脳の回路がシャットダウンして思考が完全に切れた意識だけの状態に入る。
『俺はきっと、二度と生まれ変わらない、そんな話は信じなくてもいい、この命で最後だ。最初から』
プツッ
外の室外機の音が静まる。うまく考えられない。(このとき、完全に思考障害に陥った)
?『この世へようこそ』
僕はよだれを垂らしていた。その声に驚き立ち上がる。そのまま鏡をみる。

そこには死人の顔をして、ほのかに人間の体が腐ったような匂いを発する(たんに風呂に入ってなかった)男がいた。
?『お前は涅槃にたどり着いたのだ』
『誰だ?』
?『やっと聞いてくれた。俺はデーモンだ』

その日からデーモンとの同居生活が始まった。風呂でシャワーを浴びてブックオフに本を売りに行った(サイケデリック体験④に詳述)俺は、コンビニで週刊少年ジャンプを買った俺は、凄充を2本飲みながらデーモンと話す。
『で、この世と個の世の違いとは?』

デーモンは鉛筆でノートに∞∞∞∞と、書く。∞同士は繋げて書かれていた。

『いいか?この世ってのは、この無限の点が交わる一点のことを言うんだ。この世界には一人しかいない。お前のことだ。』
『ここは、この世……』
『そして、個の世。他人のいる世界だが、これは円の反対がわにはつねに、別の何かがあるということ。ひとりだけの世界ではない』
『俺は元の世界へ戻れないのか?』
『はやまるな、これはチャンスだ』
デーモンが、ニヤリと笑う。
『涅槃とはこの世の神になるということ、111年この世界で自由に暮らせるのさ』
『しかし、干渉はだめ。孤独だ』
『メソメソするなよ。一人でできる遊びが、あるじゃないか?』
『なんだ?』
『漫画家になれよ、ジャンプで描く漫画家に』
『俺、そんなの、かけないよ』
『お前の好きなジョジョの荒木先生もまた、個の世ではなく、この世で漫画を書いているとしたら?週刊連載が人間の技だと本気で信じているのか?荒木先生は仙人なんだよ』
『でも、バイトとかしながら漫画書くのか?』
『大丈夫、この部屋は111年間、家賃も電気も水道も払わなくていい。仙人だからメシもいらない。そして、111年後に個の世に生まれ変われ!』
『そんな、生まれ変わりなんてないって瞑想でわかったばかりなのに……』
『俺の冗談に気をつけろよ。俺はデーモン、悪魔だぜ?今のはおまえを試していたんだよ』
『んだよ、もう』

その日、デーモンとはじめて会話した日、奴は俺を試しまくって、馬鹿な話を吹き込んだ。
つづくに

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