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ねね@ライター_作家
2022年9月5日 16:56
プールの次の授業が古文というのは、どうかしている。案の定、クラスの半数は寝こけていて、その他の人も普段ほどは集中できず、ゆるんだ空気が流れている。初夏は好きだ。まださほど蒸し暑くなく、風が心地よい。ほんの少し湿った、新緑の空気をはこんでくる。木陰にすわって、本を読みながらまどろむのなんて、最高に違いない。朱里はふと窓辺に目をやった。学は窓ぎわの、前から三番目の席。頬づえをついて、窓のそとを