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その目に映らないものは何か?画像認識技術の進化(第12回情報リテラシー論)


あなたは今窓辺にとまっている一匹の虫を見つめています。

その虫は大きな目を持ち、体は細長く長い羽根をピタリと止めて夕陽に照らされています。

あなたはその虫の特徴から「これはトンボだ」と認識します。
しかしトンボという虫を知らない、見たことの無い人はただの虫ということしか分かりません。どうやってそれ以上の情報を得るでしょう?

一昔前では図鑑、或いはネットにその特徴を打ち込んで調べていたでしょう

しかし今ではスマートフォンのカメラ一つでそれが何か分かってしまう時代になりました。これが今回書く画像認識技術の進化です。

その技術が技術史に何をもたらすのか?


Pinterestの登場、画期的な機能

まずピンタレストというサービスをご存知でしょうか?2010年に始まった画像共有サービスなのですが画像認識技術を用いた便利な機能があります。

こちらがその機能なのですが言わば画像の中で画像検索ができるというもの
つまり一枚の写真の中から膨大な情報が得られるということです。
またPinterestレンズという機能もあり

写真を撮る感覚で目の前の物を知ることができるのです。「これってGoogleレンズのパクりでは?」と思う人もいるでしょう。しかしPinterestの方が実装は早く、時代の先取りをしていたのです。

もし人体改造が当たり前になった時代が訪れた場合、私達の瞳には見たものすべての情報が映る、そんな未来を想像してしまいます。

様々な認識技術

画像検索、レンズでの検索は今や身近なものになりましたが人の手によって描かれた文字や絵も最近ではかなりの精度で認識できるようになりました。

人が描いた絵を認識し、AIが当てるというサービス
しかしその実態はAIが絵を認識する精度を高めるための研究であった。
AIが画像認識により文字起こしをしてくれるというLINE上のサービス
最早動画さえも認識可能な時代に。

これらの技術はAIによって近年急激な進化を遂げ、AI自身も私達が日々ネット上に様々なデータを上げることで成長しているのです。
シンギュラリティという言葉を耳にしたことはないでしょうか?シンギュラリティとは特異日を表す言葉、昨今ではAIが人間の能力を超越する日を指して用いられる言葉です。認識技術が進化するとAIが獲得できる情報量は増え、AIはそれをもとに学習していきます。このままいけば2045年にはシンギュラリティが訪れるとか…

画像検索は著作権に違反しているのか? 

これまでのレポートにも書いてきたのですが、Googleには画像検索技術という物があります。その機能を使って何かを検索すると検索結果はこのように表示されます。

このようにWEBページ上にある画像がサムネイルとして表示されます。これが著作権を無視した使用でありGoogleがこれによって収益を得ているのは違反だという意見があります。

結論から言うとこれは違反ではなく、サムネイルとしての使用は問題ないと言う判決が出ました。しかし…

右側のテキストを見て欲しいのですがネット上にある画像の85%は不正コピーとのことですがその不正をGoogle検索が広めているという内容です。
何気なく見ているその画像も不正コピーである可能性が非常に高いということですね。

NFTという新たな概念

画像認識 画像検索 AIの恩恵など私達の技術発展にはある必要要素があります。それは複製技術です。

複製は今や簡単なことになってしまいました。特にデータに関しては無限に複製することが可能であり、インターネットの発展によりいつどこにいても手に入ります。このデータに価値を見いだせないか?という発想からNFTは生まれました。

少々難しいですが言ってしまえば唯一無二のデータです。改竄や複製ができないようになっていることでデータ自体に価値がつくのです。説明にもある通りNFTの取引には仮想通貨が使われ、市場はネットが主流になる日は近いかもしれませんね。


最後に

カメラをかざすだけでなんでも知ることができるのは素晴らしいと思います。しかし目を凝らして観察する、気づいたことを元に仮説を立てる。こういった思考の段階が簡単に省けてしまうのは如何なものかと思いますね。



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