見出し画像

じいちゃんの自転車

門の前に自転車が止まっている。大好きなじいちゃんが来た。急いで幼稚園帰りの私は家に入る。兎に角嬉しかった。おおきくなったのう、と言って私を高く抱き上げる。父と違って祖父は背が高かった。何かをもらっていたが、それは憶えていない。私の話をにこにこしながら聴いてくれていた。じいちゃんはいつも自転車できていた。4時間ぐらいかかって、農家だった祖父は体力はあった。母も祖父のことを慕っていた。が父とは折り合いが悪かった。勉強が好きだった祖父は進学を両親に反対され田舎にとどまった。良く大阪の北浜へ行っていたそうだ。心労から祖母は父が学生のうちに亡くなった。そのせいか二人が仲良く喋っている所を見たことがない。多分父も上の学校へ行きたかったのだろう。そこは二人ともよく似ている。