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女装と謂う呪。

LGBT関連に深く関わっているわけでもなく、何かを主張したいわけでもない。
性的な趣向による物でもなく、ただただ、どこまで行っても趣味の枠から外れることはない。

妾にとって。

女装。
そう、女装をしている。
齢37の4月1日より女装を始め現在に至る。
最初の最初、女装の一と現在とでは、女装をする意味や理由が全く異なる物だった。
始まりの理由についてはあちこちで、推敲していない文字で吐露しているので此処では割愛致します。

何かを主張したいわけではないのです。
何かの中心になりたいわけでも、何かの代弁をするわけでも、
何かになりたいわけでもない。

何かになりたいわけでもない?
こいつは少し齟齬がある。
微妙な、たった数センチ。

自分と、思い描いた妾自身の。
その差異を埋めようとしているのかもしれない。
が、そんなに大層な物でもない。

差異はたったの数センチなのだ。

貴方の女装はどこから?
妾はメイクから。

そもそも妾は女の子の格好をしたい訳じゃあ無い。
妾はメイクをしたいのだ。

メイク有りきが先にあり、他は大体その3歩、後ろに連なっている。

先ずはメイク、メイクをする。
メイクが上手くいく。
上手くいくとお出かけしたくなる。
悲しい哉、メンズメイクは大分市民権を得てきたが、妾がしているのはどちらかと云えば女性のメイク。
このメイクで普段の、B面の服ではちと格好がつかない。
そして、目立つことは妾の性質上本位ではない。
ヤイヤイコソコソされるのも、気持ちのいいものではない。

そこで、妾はバランスをとりたくなる。

メイクをして外に行きたい気持ちと。
目立ちたくなく、後ろ指のない世界へのバランス。

此処で漸く、女性のお洋服が出てくる。

バランスを取ろうとして危うくなっている様に見えるかもしれない。

メイクに合ったお洋服を着る。
メイクが自然となるように、お外でメイクが出来ますように。
馴染ませるようにして、女性のお洋服を着る。
どう隠すかではなく、如何に馴染ませるかを考えた末このようになった。

これが乱童呪さんの『女装』である。

言われても良かろう。
何があってもしたいことをするべきだろう。
と,言うのは簡単で、できる人からしたらできることでしょう。

しかし、妾はそうじゃない。
メイクはしたい、何も言われたくない。
その相対する心と、その弱さこそが妾であり、それがどこか魅力になっているのではないかと思う。

自己愛が過ぎるのではないだろうか。

自己愛については、否定ができない。
過去の記事でも記載しているが、妾は真の意味では自分以外を愛することはない。
ナルシストといえば、ナルシストなのだ。
ナルシシストではないとおもう。多分ナルシストだ。

自己愛はあるものの自分の思った方向に成長しなかった自身のお顔については、
誠に遺憾であると言わざるを得なかった。
故に、耽美な美しさに惹かれるところがあったのだろうと推察される。

。。。中学生のころは自身の顔が醜いと感じ、理想とちがう見た目に耐えかねて
何度も鏡を叩き割ったものだ。

その程度のナルシストである。

そんな中でお化粧というものはとても魅力的だった。

メイクが女装の1であることへの原初はここにある。

妾にとっての女装とは。

LGBT関連に深く関わっているわけでもなく、何かを主張したいわけでもない。
性的な趣向による物でもなく、ただただ、どこまで行っても趣味の枠から外れることはない。

自己愛からくるメイクへの熱と、メイクした自身が外に出るためのお洋服。
唯々、其れだけ。
あとはお出かけして写真を沢山撮って、思い出作りに専念する。
其れだけである。

一言、たった一言『趣味です』と云えば良いこと。
詳しく言葉で縛ってあげると、思いの外に長くなった。

しゆさんの『しゆ』は漢字で『呪』と書く。
呪ってやる。とかそういう意味ではなく、いつか書いたが頭の中のパーテーションのない感情を言葉というデジタルな記号で縛り、口から発する事。
この言葉で縛る。という行為を『呪』と解釈している。

妾はメイクしたいからメイクをしており、お外に出るためにそのメイクにあったお洋服を着ている。
これを『女装』といのかしらん。という疑問は妾の中に大いにある。
では何か、妾は妾。本当の自分になりたいの。とかそういうことでもない。
そのほうがしっくりこないし、座りが悪い。
結局、他の余計な思想や、何か要らぬ勘繰りなどを寄せ付けないために『女装』で良いのではないかと落ち着いたのだ。
つまり、女装というカテゴライズで自身に呪をかけたわけだ。

女装と謂う呪。

これで、随分と息がしやすくなった。

さて、硬い話になったように思う。
一旦肩の力を抜こう。

メイクしてお外に出るようになって一年ほど。
人生にハリが出たし、生きるのが楽しくなっている。
俺が太ると妾が困るので、暴飲暴食が減った。
それにより随分と健康的になった。
お化粧や身なりを整えることの大変な部分が理解できるため、
妻の支度にヤキモキすることもなくなり、メイクのちょっとした変化や
髪型の変化に敏感になり、夫婦円満の効果もでている。

妾にとっての女装とは、ライフハックみたいなものかも知らんね。
知らんけど。

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