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第四話 「シャンプーブラシ」

私は、フケ症だ。

中学の思春期の頃には、気になり過ぎて、洗面所でフケをひたすら気が狂ったように落としていた。が、落としても落としても無くならない。私のコンプレックスの一つだ。今でこそそんなに気にならなくなったが、当時はほぼノイローゼ状態だった。

なんでフケ症になったのか。一つ思い当たる事がある。

私は母親とお風呂に入るのが嫌だった。母親とお風呂に入るなんて、小さい子供にとっては楽しいひと時のはずである。なのに何が嫌だったかというと、シャンプーだ。

それはもう、恐怖の時間だった。

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