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ハイダギャルが治める博物館【日記:2023/12/15】

・昨晩つくった味噌汁を温め、目玉焼きをご飯に乗せて朝食にする。コーヒーを魔法瓶に詰める。今日は博物館までの出勤日。

・雨のおかげで気温はあまり低くはなっていない。ありがたい。晴れの日は日光があって嬉しいが、放射冷却で朝晩が死ぬほど寒くなるので厳しい。

・春にスウェーデンに行くことが決まってから、スウェーデン時代のプレイリストを聴いて気分を上げている。音楽と記憶と場所って密接にリンクしている。

・今日のチキンバーガーの売れ行きは過去最高。アーモンドとエリンと三人でこなしきる。

・まかないで二人分つくってもらった。満腹。レストランで働く幸せの一つである。

・4時に店を閉めてしまった後、博物館の展示を久しぶりに見に入る。実は九月に一度入った以来だ。働いているしいつでも見にこれるだろう、という思いがあった。

・受付のリアーナとマリーンは暇そう。博物館の受付スタッフは先住民の若い子たちが担っている。今日はどうだった?「いつも通り。ほーんとひまよ」ハイダギャルだ。

・相変わらずオフシーズンの展示場は閑散としている。広大な敷地を独り占め。

・動画コーナーでは1969年にマセットで百年ぶりに建てられたポールのドキュメンタリーが放映されていて、見入ってしまった。ロバート・デイビッドソン。この間、スキディゲートで建てられたポールを彫ったレジ・デイビッドソンの兄だ。

・ドキュメンタリーでは、当時のハイダの人々が紙のお面にワタリガラスやイーグルの切り絵を貼り付けて踊っている様子があった。「昔は紙のお面で踊っていたんだ。それも今ではこうして誰もが木彫りのれっきとしたハイダ・マスクを使っている。ここまで文化を取り戻してくれたデイビッドソン兄弟には感謝しかない」先のポットラッチでひとりのエルダーがマスクをつけて舞う人々を見て言っていたことを思い出す。

・名前が気になる。「デイビッドソン」「リード」「エデンショー」「コーリソン」「クロスビー」という名字はアーティスト、そしてチーフの名前でよく聞く。由来は何なのだろう。

・ハイダグワイに来てすぐに訪れた時に感じたことと、四ヶ月半が経って再度訪れて感じることは全く違う。自分自身のハイダグワイに対する解像度が少しばかりかは上がっているようで嬉しい。

・また今日もアーモンドの家に泊めてもらう。猫が二匹。スクランブスとティム。つやつやのショートヘア。猫って本当にすばらしい生き物であると思う。

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上村幸平|kohei uemura
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