"マチネの終わりに"感想・考察 -大人の恋愛とは何か-
"試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。"を読んでから、"大人の恋愛"というものに興味が湧いた。
齢27にして"大人の”という形容が持つ意味をイマイチ掴みかねている自分にとって、ぴったりなテーマを持つ小説を見つけた。
平野啓一郎の"マチネの終わりに"である。
天才クラシックギタリスト・蒔野聡史と、国際ジャーナリスト・小峰洋子。四十代という"人生の暗い森"を前に出会った二人の切なすぎる恋の行方を軸に、芸術と生活、父と娘、グローバリズム、生と死などのテーマが重層的に描かれ