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久しぶりの漫画レビュー。(2021/11/26)

・こんにちは、sirasuです。


・全くもって久しぶりですね。多分最後に日記を書いたのは9月くらいな気がします。たしか「ワクチン打っちゃった〜よ〜笑」みたいなことを書こうとして、書く機会がなくてモゾモゾしていたらありえないほど時間が経っていたというオチだ。

・もはや誰も僕のことを覚えている人などいないだろう。真面目に毎日日記を書いていた頃の僕には、毎日いいねを送り合う相互フォロワーさんがいたのだけれど。どこの誰だかもわからないけど、お互いに干渉しあうこともなく、なんとなくお互いのプライベートを覗き合う。あのぬるま湯みたいな関係性はすごく好きだったんだけどなぁ。

・まあ僕が日記を中断してしまったことが悪いんだし、むしろゼロからのスタートと思ってのんびり書いていこうじゃない。よっしゃいくぜ〜〜!!!


・といっても流石に3ヶ月くらいなんも書いてないと書くことが多すぎて困ってしまうな。



・少し前だけれど、「やがて君になる」という漫画を読了した。久しぶりなのでアニメとか漫画の話で軽いキャッチボールと洒落込もうじゃないですか。

・で、「やがて君になる」という漫画なんだけど、メチャクチャ面白かった。リアタイで読みたかった。これをなんとしても薦めたいので、感想を書きます。


・単刀直入に言ってしまうと、百合作品だ。百合とはGL、ガールズラブを指す言葉である。はい、ブラウザバックしようとしたあなた、少し早い!この作品、たしかに少々特殊な恋愛を描いた作品だけれど、それを加味しても面白く優秀な恋愛漫画なんですよ!


・自分語りをしておくと、僕は百合には耐性のあるほうだと思う。耐性という言い方も失礼だけれど、恋愛に性別、なんなら種族の差はないと考えているからだ。これは「沙耶の唄」というエロゲの影響だ。つまり、ある程度いろんな作品を見ている僕が言うんだから間違いないということです。だから、「百合ってなんかよくわからんしアブノーマルだから読むのやめるわ...」と考えるにはまだ早いというわけだ。


・あらすじを話すんだけど、あえて今回、少しネタバレをします!!僕はネタバレをせずに書くタイプ(前に書いた記事でも見てくれればわかると思う)なんだけど、今回はネタバレを少しする。理由は後述。

主人公の侑という女の子は中学生の卒業式に告白された男子へに返事を決めあぐねている。なぜなら、彼女は「人を好きになる」ということがわからないからだ。
そんな折に出会った橙子という先輩。彼女は時期生徒会長を狙う成績優秀、眉目秀麗な完璧美人。しかし、彼女も「人を好きになる」ということを知らないでいた。
橙子に共感を覚えた侑は、橙子に自分の悩みを打ち明ける。すると橙子は侑にこう告げる。
「私、君のこと好きになりそう。」

・この時点で百合が好きな人ならウヒョー!!といいたくなりますがしっかりと解説をします。


・まず、主人公の侑。彼女は自分に自信がなく、自己に主体がないため、常に他人に流されて、自己犠牲をしながら生きている人物。だから人を好きになれない。fateの衛宮士郎みたいなヤツってことです。

・次に橙子という人物ですが、彼女は周りの期待に応え続けてきて、理想の自分を追いかける完璧な少女だ。しかし、そのため自分の弱さをひたすらに隠している人間でもある。だから人を好きになれない。fateでいうなら遠坂凛みたいなキャラです。


・つまり何が起こるかと言うと、「自分に主体がなく、人を好きになれないので、誰でもフラット受け止めることができる」侑に、「完璧な自分を目指してきたが、誰にも弱さを見せることができない」橙子が自分の弱さをぶつけることができるようになったから、橙子は侑を好きになってしまう、ということが起きる。

・これを理解せずに読んでいくと、「いきなり悩みを相談しただけで好きになった橙子先輩マジか...」とか「橙子先輩が好きって言ってるのに、なぜ侑はドライなんだ...?」と困惑を免れないため、敢えてネタバレをしたというわけ。実際僕も困惑したけど、しっかり読めば二人の心情は理解できるかと。ここの歪な恋愛関係、これがオススメポイントその1。



・そしてつまり、橙子が侑を好きになったのはある意味必然であるわけで、「この作品は百合作品だから」とか「これ作者が百合が好きなだけじゃん!」ということが発生しないので百合作品というレッテルが剥がれて、純粋な恋愛漫画として楽しめる。そして性別を越えた恋愛を納得して読むことができる。ここがオススメポイントその2。


・そしてまだある、百合作品としての優秀さ。普通の百合、もしくはBL作品にはよく「同性同士の恋愛なんて...」というコンフリクト、つまり葛藤がよく描かれる。しかし、この作品においてこれは当てはまらない。もちろん作中で侑が「女の子同士なんて...」みたいなシーンがあるけどそれをメインに据えた話ではないことが読み進めていくとわかる。この作品は、百合(同性)であることをうまく扱っているのだ。

・何が言いたいのかと言うと、この作品は「拒絶と受諾」をメインに据えているということだ。詳しく言うと、この二人、歪な恋愛関係が結ばれているが、これはお互いが「好きという概念を知らない」が故にお互いを好きでいるという、すごくチグハグな関係なのだ。つまり、この作品のゴールは「好きってなんだろう」を深めていくことがわかる。

・互いに互いをよりよく知ろうとし、そして「好きってなんだろう」を自分の心情の変化とともに考える。このアプローチを最大限に引き立てるフォーマットとして百合を選んでいると言うことが、非常に僕がこの作品を推す理由だ。なるほど同性の恋愛という特異点ではその感情の変化をよりディープに描写ができるかもしれない。ここがオススメポイントその3。


・最後のオススメポイントは周りのキャラクターだ。このキャラクターたちが絶妙で、それぞれがちゃんと意味を持って存在して作中で働きかける。「このキャラいる?」みたいなことが一切なく、全て計算づくされたキャラクターの配置が素晴らしい。

・例えば、侑の友達がいるのだが、この子はバスケ部の男の先輩に恋をしている。一見ふつうに聞こえるが、このキャラクターは「侑と橙子の恋愛の異質性」を彫り出すためにいる。先輩と後輩、男と女、片想いと両思い。全てが対比されていることにより、物語がスッと入ってくる。

・ほかのキャラクターも明確な役割を持って出てくるのだけれど、ここで注目したいのは、すべて「侑と橙子の恋愛」を主題として進めるための舞台装置ということである。だから、恋愛を邪魔してくるキャラクターもいないし、略奪愛が起こることもない。2人の主人公がより引き立ち、その恋愛を見届けるためのキャラクター配置であるのが非常に整っていて美しい。

・僕が好きなキャラは同級生の男の子の聖司という子なのだが、すごくいいキャラをしている。名前の通り(?)聖人なのだが、こいつでスピンオフがかけるくらいにはいいキャラクターであると思う。



・ここまでながーく話してきたけど、最後の魅力はやはり、女の子同士がイチャイチャし、そして時には衝突するという百合自体が持つ面白さだと思う。だから百合だからと敬遠するのは非常に惜しいと思うので、これを見た人は是非見て欲しい作品であると感じる。

・以上。



・久しぶりに日記、というかレビューを書いたが、文字を書くのって疲れるけど楽しいな。というか書きすぎた!3000文字書いてるわ...。

・あと途中で遠坂凛みたいなキャラって言ったけど全然そんなことなかったな...。


・では、また。

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