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クラウドファンディング成功の記録③


クラウドファンディング成功の記録② の続きです。

かなり重要な「リターン」の内容リターン途中追加についてです。

①最低金額の設定と支援手数料について

リターンは、500円を最低価格として設定できます。「ちょっと支援したいけど、特に返礼品はいらないんだよね」という方に向けて、低額のリターンは必要不可欠です。併せて、支援システムとして知っておかねばならないことが2点あります。ひとつ目は支援する側は1回の支援につき1回のシステム手数料(220円程度)がかかるという点。これは、複数回のご支援、複数のリターン品を選択したりするとそれぞれに毎回かかってきます。ふたつ目はリターン品を選択後に支援を上乗せしてできるシステムです。「もっと支援したいけど、同じリターンを複数個選んだらいいのか?」と問い合わせが来たら、「同じ支援を複数個」よりも「上乗せシステム」を使ったほうが、支援者側の手数料が減るため、そちらの方法をご案内したほうが親切です。

②500円リターンは適切か?

ワンコインで応援できる!という金額で人気が集まりそうな気もしますが、実は支援者側が支払うのは、500円+220円=720円になってしまいます。

例えば、目の前に募金箱があったとして、いい活動してるな!よし!ちょうど財布に500円玉あるし!と、入れようとすると「あと220円必要です」って。。しかも、その220円は支援者には渡らない金額です。

そこに理不尽さを感じて上げた手を引っ込めてしまう支援者もいるのです…。(無意味な出費な気がしてしまうんでしょうか)

そういったことも考慮して、今回は1000円を一番低いリターン品にしました。1000円は、別名「足長おじさんプラン」としましたが、返礼品が物品ではなく、お礼のメッセージをメールにて送るという内容です。「返礼品なし」というリターンは購入型クラファンでは不可なため、「メール」でも「名前掲載」でも何かしらの付加価値をつける応援プランを設定することは重要です。メールではなく、「手書きのメッセージを送る」などとしているプロジェクトもたくさん見受けられましたが、数十、数百に及ぶ可能性があるため、あとあと無理が出てしまう内容にはしないほうがいいと判断しました。

また、このお礼のメッセージをメールにて送るという返礼品の内容だと、支援者の情報を「メールアドレス」と「ご支援いただいた金額」「備考(ニックネーム可)」程度で済むため、支援する側としても開示する情報が少なく、ライトに支援したいという方から好まれる場合がある、ということです。リターン選択肢を広げておくという意味合いでは、この「ライト支援者」枠を準備することは大切です。

③どの金額に支援者が集まるのか

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終了するまで、どの支援者がどれくらい支援をしてくれたのか、まったくわからないのですが、最終的にデータを確認してみると、「1000円足長おじさんプラン」と「手作り減塩味噌プラン」に集中していることがわかります。「3000円ギルトフリーおやつプラン」も、用意できる上限に限りなく近いことがわかります。

じゃあ、一番人気だった「1000円」に支援金が集まっているのか?もうちょっとデータを掘り下げて確認してみると…。

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支援75人が、131個のリターンを購入していることになります。1人で2~3個購入している人がいるということですね。事前に、支援を上乗せしてできるシステムを明記しておけば、本数を増やすのではなく上乗せのほうを選択した人が多かったかもしれません。ご支援いただいた方の手数料負担を減らせたはずなので、これは支援がスタートしてしまってからシステムを理解した反省点です。

結果、「1000円プラン」というより、「2000~5000円」クラスの支援が一番多かったと言えます。そして、どのプランも上乗せシステムで支援金を追加してくれた方が相当数いました。(感謝してもしきれないです・・・)そのため、平均すると「3000円前後の支援」が一番多かったと思います。

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これは、男女比です。しおらぼの大人のご利用者は8~9割が女性なので、男性が多かったのは意外でした。

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年齢比です。ぶっちぎりで40代からのご支援が多いです。終了して、ご支援者の情報を受け取ってからわかったのですが、ご支援いただいた方のうち、7~8割が私個人が直接知っている知人友人と、しおらぼ保護者、ご利用者関連だったんです。

さきほどの男女比で、しおらぼご利用者の比率より、男性がかなり多くなったのは、私の小学校~大学までの友人たちが多くの支援をしてくれたからでした。残りの2~3割前後は、高校の同窓会の先輩方、「玉川小学校卒なんです」という方や、ご近所の方でした。蓋を開けてみれば…という結果論ですが、「30代~50代女性」を狙ったリターンを設定するというのは、だいたい当たってました。笑

④いろんな支援者に沿ったリターン

「しおらぼご利用権」は、福岡在住の人向け。
「キッズアート」は子供のオリジナリティあふれる作風が好きな人向け。
「手作り味噌」は、遠方の人や健康に留意している人向け。(送り先住所が、「会えてない実家の親に」という人がたくさんいました)
「足長おじさんプラン」は、返礼品いらないよーという人向け。
「おうちでこども居酒屋セット」は、お子さんがいるご家庭向け。
「お散歩動画、お店紹介動画」は、郷里に愛がある人向け。
「ベビーマッサージ券」は、赤ちゃんがいるご家庭向け。
「イベントスポンサー権」は、企業向け。(と、メディア受けを狙って…)

福岡在住、遠方。しおらぼを元々知っている、知らない。私個人にゆかりがある、会ったこともない。様々な方が自分に合った支援を選べるよう、金額も内容もいろんな方向を向くように頑張りました。

⑤今後の利用者を増やすためのリターンも

外出禁止のなか、チラシなどを作って、「こういうクラウドファンディングします!」と足で告知活動できないことが分かっている状態からのスタート。SNSを駆使することと、より多くの注目を集めるために、プレスリリースなどでメディアに取り上げてもらう戦略をしようと決めていました。

特に地元誌や、TV関係に取り上げてもらうことができれば、クラファンだけでなく「学び舎しおらぼ」という場所の知名度も同時に上がり、一石二鳥です。そこで、うまくメディア掲載されたときのことを考えて、「コロナが落ち着いたらしおらぼを利用してもらう権」をリターンに入れました。

レンタルスペースとしての利用ですが、2時間利用、5時間利用、半日、1日…と貸し切り利用ができる枠を設けました。これは、数多くの普段しおらぼをご利用いただいていた講師やママさんたちに好評でした。まだまだ集まることが厳しい状況なので、半分くらいの方はご利用いただいていませんが、その時が来たら精一杯気持ちよく貸し切りで楽しんでいただきたいと思っています。

⑥オリジナルグッズはできるだけ作らない

リターンは、なるべく新しく出費しなくてもいいものを中心に組みました。特に、オリジナルグッズは最低ロットが100個など大きな単位にしないと安く作れない場合が多く、在庫を抱えて初期費用がかなりかかる危険度が上がります。それでも、「こども居酒屋」イベントを開催したい想いが強く、10万円という高額である「こども居酒屋イベントスポンサー権」を支援してくれる人がいたら、オリジナルのれんを発注しよう!と決めていたため、クラファン開始の前に「オリジナルのれん制作はどれくらいかかるのか」は見積もりを複数取っていました。(あくまでも、見合った金額の支援があった場合のみ、発注をかける仕組みにしておくほうが無難です)

⑦どのタイミングで支援が集中するのか

クラウドファンディングは、初日が一番重要と言われています。初日に〇%達成できたら、「SUCCESS」で終了できる可能性が〇%…!!などとあちこちのサイトに書いてありますが、私のプロジェクトは初日に7%でした。まずまずの滑り出しだけれど、まったく順調でもなかったんです。

ただ、初日にSNSなどでシェアしてくれた人が「108人」いたんです。これが、けっこう感動しました…。

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1週間で25%達成。このあたりから、いわゆる「中だるみ」と呼ばれる時期に入ります。クラウドファンディングは、どうしても初日と最終日に支援が集まりやすいからです。それは、「新着のプロジェクト」一覧や「募集終了が近いプロジェクト」一覧に載る、というサイトのシステムも関係があります。もちろん、お金を投資すればTOPページの一番目立つとこにドーンと掲載できたり、クラファン専用の配信案内をしてもらえたりします。が、資金難ゆえにすべて自分で告知活動です!!

⑦中だるみの時期に必ずやること

まずは活動報告のマメな更新です。これは、「〇〇にポスター貼っていただきました!」や、「〇%達成です!」でも、頻繁にしたほうがいいです。

私がこの時期に力を入れたのが、リターンの追加プレスリリースです。

リターンの追加は、しおらぼベビマ講師の〈Hati-Baby〉さんが、「ベビマ単発レッスン参加権」をどうでしょう?とお声掛けいただき、追加と活動報告を同時にできました。

「遠方の方が選択できるご支援が少ないな」と気になってたタイミングで、しおらぼマルシェでブースを出していただいていたギルトフリーお菓子の〈稲穂商店〉さんからもご協力の申し出をいただきました。自粛中ということもあり、体に優しい食べ物のリターン追加…というかなり良い活動報告記事を書くことができました。

どう転ぶかわからないけれど、とりあえず同時に進めていたことがあります。リターンの中に「こども居酒屋スポンサー権」という、一番金額が多いご支援枠があったのですが、<こどもびぃる>を製造販売している友桝飲料株式会社さまに、「スポンサーになっていただけないか」という打診をしていました。「こども居酒屋」というキーワードを面白く捉えてくださり、企画書のやり取り、条件などもクラウドファンディング期間中に何度もメールでやり取りを重ね、「スポンサー権ではなく、開催時に〈こどもびぃる〉を無償提供しますよ」とOKしていただけました!

最も中だるみが厳しくなるタイミングで、 

こども居酒屋」に元祖〈こどもびいる〉の友枡飲料さまが協賛!

この活動報告記事を出すことができたのは大きいです。

ただ、「これはラッキーでした」という話ではなく、表に出せるか出せないかという判断はあとからするとして、いくつも同時に水面下で走らせておく必要がある、ということです。そして、「大きな企業がこんな小さな個人の話を聞いてくれるわけがない」というのは思い込みに過ぎないということの証明でもあります。

この事実をもって、新聞・TV各社に対してプレスリリースを出しました。プレスリリースのやり方については、またいずれ別記事でまとめようと思います。

・新聞各社(西日本新聞、読売新聞などだけでなく、西日本リビング社などの地方情報誌も)
・TV局(メイン局宛てではなく、各番組ひとつずつにプレスリリースを送るためのFAX番号があります)

などすべてに向けて、プレスリリースFAXを送るのですが、今回特に狙いたかったメディアに対しては、先に電話をして「今から送りたいのでFAX番号を教えてください(本当は知っているけど)」「いまから送りますね!!」と予告(?)してからFAXしました。

それが功を成したかはわかりませんが、西日本新聞朝刊に掲載されました^^

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そしてこの伸び…。新聞の力はすごい。

しおらぼはTwitterをしていませんので、そこからの流入はないんですが、支援者が30代以上が多いことを考えると、Facebookで告知活動をしたことが良かった言えます。もし、支援対象ゾーンがもう少し若い10代~20代ならば、InstagramとTwitterに力を入れるべきです。(30代以上しかFacebookやってないと思う…)

この西日本新聞掲載が、6月以降のTV取材などにも繋がったため、ほんとうに重要でした。皆さんも、ぜひ中だるみの時期にメディア対策を頑張ってみてください。



④へ続く・・・
クラウドファンディング後の気持ちの変化と、コロナ禍でないときの告知活動について書きます。
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