「お母さんのにがおえ」にまつわる思い出
昨日の記事をアップしたあと、子供が描いた絵を写真フォルダから漁っているうちに、あ、そうだリビング壁にも貼ってるんだった、と思い出してパシャリ。
メモやチラシの裏に描いた落書き系のものは、こうやって壁に貼ってるものも多い。
2019年、私の誕生日。ちょうど2年前ということは、娘が4年のときに描いてくれたやつだ。
これを描いてくれたのがとてもうれしくて、すぐに壁に貼った。
2年前、これを貼りながら私は、自分が小さい頃の「お母さんのにがおえ」にまつわる、ある記憶を思い出していた。
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私は工作や絵を描くのが大好きな子供だった。(うちの子たちは、私のDNAを受け継いだのかも?)
夏休みだったか、冬休みだったか・・・私も子供時代、「お母さんのにがおえ」を描いたことがある。今の実家に引っ越す前の、3DKに住んでいたころだと思う。昭和の和室リビングは、ダイニングテーブルなどおしゃれなものはなく、コタツの上で勉強し、絵を描き、ご飯を食べるのが普通だった。
一戸建てに引っ越したのが5年生のときなので、母の絵の思い出はたぶんそれより前の、低学年のころじゃないかなと思う。
その日、午前中いっぱいの時間をかけて、私は「お母さんのにがおえ」を描いていた。4つ切りとかの大きなサイズの画用紙で、紙いっぱいに大きく母の顔の絵を描いた。
うちの母は「上手にかけてる」と、とても喜んでくれた。その日のお昼ご飯はカレーで、テーブルを片付けなさい~と言われ、私は絵をテーブルの脇に寄せた。
カレーに合わせる飲み物といえば、我が家は牛乳が絶対である。(今も!)
当時好んで使っていた子供用コップは、プラスチックの少し背の高いやつで、青と黄色の2色が一つずつあった。いつも姉は青、私は黄色。私はコップに牛乳をなみなみ注ぎ、テーブルの上に置いた。
カレーが運ばれてきて、席を詰めようとしたとき・・・カタンッ!
・・・軽くて細長い、安定の悪いプラスチックのコップは、勢いよく倒れた。お母さんの絵の、ちょうど顔部分に向けて。
焦った私は、テーブルに置いてあった布巾で強めに拭ってしまった。クレヨンで描いた絵は、見事に拭った方向に伸びてしまいどうにも修正できる感じではなかった。
「アンタは!なんてことを・・・!!!」
母は、伸びてしまった絵を見ながら、見たことない顔で怒っていた。ちょっと涙も出ていたような・・・。
私は怒られながら、心の中ではこう思っていた。
なんでお母さんがそんなに怒るの?
私が描いたんだし、泣きたいのは私のほうやん!
うちの母は穏やかなタイプなので、小学校の間にひどく怒られた記憶って、このときと作り立てのナポリタンを皿ごと落として割ったときしかない。(←このときは、なんでこんなに怒られたのかいまでも不明…)
その絵は乾かして、少しだけ上から修正をして・・・でも元には戻らなかった。そして、学校に提出したんだっけな??その後どうしたのかどうしても思いだせない。
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いまになって、あのときの母の気持ちがわかる。
子供が描いた「お母さんのにがおえ」は、描いた瞬間から、すでにお母さんの宝物だ。
年齢が上がっていくにつれ、上達もするし、母の日とかに何度だって描くんだろうけど、その歳のその似顔絵は、もう二度と描けない大事な宝物。そのときの子供から見た「おかあさんのかお」は、そのときだけのもの。
あの日の出来事は、大事な自分の宝物が、ちょっとした不注意で・・・!!という、母目線での大事件だったんだ。
数十年後の、大人になり、母になった私。子供がテキトーに描いて捨てた落書きのシワを伸ばし、壁に貼るたびに思いだす記憶。
子どもの絵って、やっぱり宝物。そして「お母さんのにがおえ」は別格だ!
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