背中
おやつを食べ終わる頃
窓の外の景色が見えにくくなる。
陽射しが差し込んで金紙みたいに眩しい。
私は
待つ
ドアが開くのを
「おつかれさま」
優しくて甘い声に顔を上げると
逆光で はちみつ色に縁取られたキミがいる。
キミの身長に合わせると視界が上がる。
首を傾げる会釈が疑問を抱えた小さい子みたいだなっていつも思う。
6文字って何秒?
短くて長い。
「お疲れ様です」
この時間を待っているなんて気づかれないように。
そんな気持ちがのるのか、自分の声がウソっぽい。
挨拶したキミは行ってしまう。
毎日見送る後ろ姿。
広くて大きな背中。
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