見出し画像

心を安定させるヨガ「優しいケチャリムドラ」

「あなたが悟るためのヨガになる」

これをキーワードに、今日はヨガの基本的な技法を解説しましょう。
これらの技法を実践すると「集中力」が上がります。

心を安定させ、集中状態に入ったときに深い瞑想に入ることができます。
しかし、集中するのが難しいという人が多いです。
現代人は忙しない生活の中で、心を安定させるのが難しいですね。

そんな時に、これらのヨガの技法が使えます。

心が右に行ったり、左に行ったり、浮き沈んだりする。
心が乱れてしまう原理について、インドの聖賢は解き明かしていました。

そこで、まずヨガ的な知識から解説します。
その原理を知ると、技法の意味がわかってきます。
意味がわかってヨガをすると、その実践も深まります。

まず体の経絡(ナディ)について理解を深めましょう。
そこにこそ、心の浮き沈みの答えがあるからです。


主要3つの経絡(ナディ)の図

上記の図の三つのエネルギーのライン(経絡=ナディ)が重要になってきます。
真ん中のスシュムナー官がいわゆるクンダリーニ・エネルギーの通り道です。
背骨のライン上にあります。

イダー官左鼻に対応し、陰のエネルギーを司ります。
ピンガラ官右鼻に対応し、陽のエネルギーを司ります。

イダーが月(陰)で、ピンガラが太陽(陽)だと覚えていれば十分です。

上記の図の経絡は螺旋構造を描いて、チャクラに絡み合っているようになっています。
しかし、実際の体内の状態は直線状になっております。

イダーは体の左側で、ピンガラは体の右側で螺旋状に交わることがありません。

実は、上記の図は特殊なヨガを実践された場合にのみ発生します。
チベット密教のヨガをする者だけが上記の状態になります。
(通常のヨガの実践者は左は左、右は右になっていると理解すればいいです。上記の図のような特殊な状態にならなくても、悟れるのでご安心ください)

この知識を前提にして、心の浮き沈みを解説します。

人は気づいていないだけで、瞬間瞬間によってエネルギーの流れが変わっています。
身体の左側にエネルギーがそれているときは、まさにイダー側(陰)のエネルギーが動いています。
そのときは、陰性のエネルギーが働いているので、心が内向き(陰気)になるんですよね。

身体の右側にエネルギーがそれているときは、ピンガラ側(陽)のエネルギーが動いています。
そのときは、陽性のエネルギーが働いているので、心が外向き(陽気)になっています。

心が明るくなったり、暗くなったりするのは、そのエネルギーの動きにあるのです。
ヨガはそのエネルギーをバランスさせて、中央のスシュムナー官に集中させます。

そのとき、背骨中央のエネルギーが上昇し始めて、人は深い集中状態(心の安定状態)に入ります。
これを実現するために、様々な技法が存在しているのです。

まとめると、左右のエネルギーがバランスすると以下のことが起こるのです。
1 陰陽のエネルギーがバランスすると中央に集まる
2 背骨ラインの中央(スシュムナー官)をエネルギーが上昇する
3 意識が上昇して、心が平静(無)の状態に入る。

結果☆ 最高に集中状態が高まり、サマディ(三昧)に至る。

このことについて、私の先生は本で明かされています。
先生独自のヨガ体系のレベル2の段階として語られています。

2 レベル2では左右のエネルギーのバランスを取ることで虚無の世界に入ることを学ぶ。チベット仏教では「シュンヤータ」日本の仏教では「無」インドの神秘学では「アーカーシャ」と呼ばれる。外に向かって流れるクンダリーニ・エネルギーを止めた瞬間に脳に向かって上昇する。

「マスターAGN 悟りの自伝 雷龍ヨガの項目」

ちなみに先生の体系のレベル1は、太陽光のエネルギーでスシュムナー官を掃除するというものです(Gom瞑想でも掃除可能)
今回は、そのレベル2のヨガについて解説します。

秘儀とされますが、実はヨガの伝統的な技法のいくつかに隠されていました。
基本にして奥義、と呼べるようなものがあります。

これは一般的に流布しているものなので明かしても問題ないでしょう。
その真髄を改めて解説するものであります。

色んなやり方があって、どういうやり方でもOKなのです。
一つの技法を知っていれば、十分と言えるようなものばかりです。

一つ目は「ケチャリムドラ」と呼ばれる舌を使った技法です。
一言でいうと、「舌を丸めて鼻裏にまで入れ上げる」というものです。

ケチャリムドラの実践図

この図の赤い部分が舌の位置ですね。
ファイナルステージでは、鼻裏まで入れあげてますね(汗)

相当に舌が長くないと実践不可能なので、昔のヨギは舌を毎日毎日引っ張って、延々と伸ばしていったと言います。
口から舌を出したときには胸にまで垂れ下がるぐらいにしたとかしないとか。
あえて言わなくてもいいと思いますけど。

それはやめてください(笑)

どう考えても、通常の舌の長さの人が実践できないことです。
そして、そのように毎日舌を引っ張るような、心身を痛めつけるようなやり方をオススメしないです。
このようなことをしなくとも、人は悟れます。

神はあらゆる人が悟れるように世界を作ってます。
なので、ご安心ください。

もう少し優しめのやり方でも効果があるようにできます。
今回「優しいケチャリムドラ」の実践方法をお伝えします。

要は、ケチャリムドラで鼻裏に繋がる神経を刺激したかったのです。
それがクンダリーニを刺激するというものでした。

口の中の位置の名称

舌先を丸めて、口の中の上部分に当てることができれば十分に実践できます。
口蓋垂(俗称のどちんこ)と呼ばれる部分で、エネルギーの刺激する場所が変わります。
口蓋垂を中央にして、口の中の左右を分けていると考えてください。

舌先で口蓋垂の右側を刺激すると、陽性のエネルギーが動き出します。
逆に左側を刺激すると、陰性のエネルギーが動き出します。

(それが難しい場合は、その近くの口の上の天井に右側と左側のどちらかを刺激すればよいです)

通常の人は右か左にエネルギーが偏っています。
そのバランスを中央に整えたいのです。

しかし、中央に整っているのかどうかをどうやって確認すればいいのでしょうか。

ここで、ヨガの知識が役立ちます。
左鼻は陰性のイダー官に対応し、右鼻は陽性のピンガラ官に対応しています。
つまり、鼻の通りで陰陽のエネルギーを確認することができます。

・エネルギーのバランスの確認方法
試しに左鼻を指で抑えて、右鼻から息を吐き出してみてください。
右鼻が通っているなら、右側の陽のエネルギーが通っています。
左鼻が詰まっているなら、左側の陰のエネルギーが止まっています。
その逆もまたしかりです。

両鼻が通っているなら、左右のエネルギーがバランスしています。

この簡単な確認方法で左右のエネルギーのバランスを確認できます。
ヨガでは「両鼻が通っている状態にしたい」ということです。
それが中央にエネルギーが集まっている状態だからです。

「優しいケチャリムドラ」はそのために有効です。

左鼻が詰まっているとわかったら、舌先を口の中の上部分の左側に当てるのです。
そうすると鼻裏の神経が刺激されて左鼻が通り始め、左側のエネルギーも通るのです。
右鼻が詰まっているとわかったら、舌先を口の中の上部分の右側に当てるのです。
そうすると刺激されて右鼻が通り始め、右側のエネルギーが通ります。

このように舌先を操作して、常に両鼻が通っている状態を維持します。
そのとき、中央のスシュムナーにエネルギーが集まり始め、とうとう上昇し始めるのです。

ヨガ体系のレベル2の状態を達成することができます。
左右のエネルギーがバランスし、高い集中を実現し、やがて心が「無」の状態に入っていきます。

これがケチャリムドラを用いたヨガの技法であります。
インドの聖賢は極めて合理的かつ具体的に、人が悟るメカニズムを解き明かしていた。

舌先を操作するのが苦手な人は、他の技法でいくらでも実現できます。
ガネーシャヨガの「秤のクリヤ」でも、左右のエネルギーのバランスを実現することが可能です。

「秤のクリヤ」は、この本に書かせていただきました。

集中力が低い人はこれらの技法を試してみてもいいかもしれませんね。
集中力が上がって、深い瞑想に入れるようになることでしょう。
他には両脇に手を入れて挟むという技法などもありますね。

ヨガにはあらゆるやり方で、左右のエネルギーをバランスさせる技法があります。
インドの聖賢はエネルギーがバランスすると心が安定して平静状態となり、深い瞑想に入れると知っていました。
やがて、三昧(サマディ)に至るという仕組みです。

すべての人間に当てはまる身体的なメカニズムです。
砕いて言うと、「こうすれば、みんなこうなるよね」ということです。
そうしたら、再現性のある悟りの状態が実現できます。

これが体系であり、道です。
ヨガは、誰でも悟れるように作られている。

私は師から徹底的にヨガの基本を叩きこまれて、あらゆるやり方を教わっています。
すべてできるようになる必要はありませんが、「一つ」だけできるようになったら十分です。

ヨガの大師ラヒリ・マハサヤは、人によって教え方を変えたと言います。
ある人にはずっとケチャリムドラをさせていたそうです。
ある人にはずっとシャンバビムドラをさせていたそうです。
人によって教わったものが違い、ラヒリ・マハサヤのクリヤヨガに関して弟子たちの解釈も意見もバラバラです。

しかし、そのどれか一つでも極めたら、サマディ(三昧)に近づけます。
ラヒリ・マハサヤは一つの技法に囚われず、その人の気質に合ったものを伝えていたのでしょう。

目標のサマディにさえ到達できればいいと考えていたわけです。
一つ極めるだけでも、十分な霊的成長がありました。

ヨガには豊かな体系あり。
どれか一つを学び取って、極めてしまいましょう。

そして、着実に階段を上がっていき、光明に至りましょう。