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ウマ娘が受けた理由を言語化する

今回はちょっと趣向を変えて広く受け入れられたゲームの理由を言語化するという事にチャレンジしたいと思います。

先日ある人にウマ娘って流行ってるけどなんで?と聞かれました。少し考えてから、明確な説明が難しい事が分かりました。育成が面白い?ウマ娘が可愛い?課金なしでも楽しめる?どれも曖昧でしっくりきません。これは改めて考えてみたいと思いこのエントリを投稿します。あくまでもわたし個人の見解ですのでご了承ください。

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ウマ娘とは

Cygamesが開発、運営している競馬を題材とした育成シミュレーションゲームです。3年前に完成していたはずがクォリティアップを理由に開発延期を発表し、ことし満を持してリリースされたタイトルです。「ウマ娘」と呼ばれる擬人化された美少女キャラを育成し、G1などのビッグレースを制覇していくという「競走馬」もといウマ娘育成ゲームです。

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練られた育成サイクル

このゲームは率直に言ってしまえば、KONAMIのパワフルプロ野球というゲームのサクセスモードに似ています。毎ターン練習メニューを選択し、パラメータを伸ばし特定のタイミングで訪れる大会で良い結果を残して有限な育成期間の中でどれだけキャラを強くできるかという流れは大枠同じに見えます。ただ大きく違う点があります。継承というシステムです。過去に自分が育成したウマ娘を継承する事で、次に育てるウマ娘のステータスアップが望めるのです。つまり前回より少し有利な状態で育成を進められるのです。これはパワフルプロ野球(以下パワプロ)でいう試合シーンでのプレイヤー操作の腕前向上とトレードオフしたシステムだと思っています。つまりパワプロでは試合で上手く操作できないと真に強いキャラは生まれません。繰り返し遊ぶ事で操作が上手くなり、その結果強いキャラが作れるようになります。一方ウマ娘では操作の腕前は問われません。その代わり過去の育成の蓄積が反映されるのです。操作の上手さが問われないことにより育成のハードルが下がり、プレイを繰り返せばいずれ誰しもが強いキャラを作れるという仕組みです。とても裾野の広い作りと言えます。

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実名の理由

ウマ娘のキャラ名はオグリキャップやメジロライアンなど実際の過去の名馬から取られています。今の若い人は知らなくとも競馬好きやおじさん世代には受ける部分です。レースも有馬記念やジャパンカップなどこれまた実際にある名称です。これが何を意味するかというとキャラクター性やストーリーづくりに関係するのではと思います。たとえばハルウララという史上最弱といわれる有名な馬がいます。なんと100連敗を喫しました。しかしそののんびりした名前や負け続けても挑み続けるひたむきな姿勢は多くの人の興味・関心を生みました。そういうバックグラウンドとなる「ストーリー」があるからこそ新しく登場したはずの「ウマ娘」にも親近感が継承されるのです。イベントも実話になぞったものもあり知っている人は嬉しいです。これこそ実名にこだわった理由だと思います。

つまり何が受けているか

根底にあるのはウマ娘への愛着だと思います。ウマ娘というゲームは何度も何度も同じウマ娘を育て一生懸命レースを走る姿を見守り、一緒に一喜一憂しながら楽しめるゲームです。もちろん育成要素自体やサポートカード、スキル、良因子の収集など楽しめる要素はたくさんあります。しかしその本質はウマ娘への愛着があると思います。導入は実名であるからこその親近感、そして同じウマ娘と繰り返す育成サイクル。そうした中でいつしか好きなウマ娘を勝たせたい、強くさせたいという気持ちが強くなり、ゲームプレイの欲求へと繋がっているのではないでしょうか。さて、あなたの好きなウマ娘は誰ですか?


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